違約金ってなに?
不動産売買の売買契約を交わし、
契約違反があった場合は相手に違約金を請求できます。
違約金は「当事者の合意」による違約金で売買契約書に記載します。

よくある事例が、
買主:お金を払わない
売主:物件を引き渡さない
といった債務不履行です。
違約金の相場・計算方法

違約金の相場は物件価格の10%~20%が相場です。
不動産の売買契約の違約金上限は「売買代金の20%」が上限です。

それを超えた分の請求は無効となります。
違約金の事例
例:売買金額が2780万円で20%なら違約金は556万円
あくまでも肌感覚ですが、
~5000万円くらいまでが20% それ以上は10%で設定する事が多いです。

売主&買主双方で決めるため、
例えば1億円のマンションで20%も可能です。
手付金は返金される?
例:2780万円で20%違約金は「556万円」
手付金は150万円で支払い済みのケース
■売主が違約
・違約金(556万円)+手付金(150万円)を買主へ支払う
▲買主が違約(※)
・違約金(556万円 - 手付金150万円)=406万円を売主へ支払う
※買主の違約のほうが多い
仲介手数料は返金される?
不動産売買仲介の手数料は
売買契約「成立」時に発生します。
<よくある不動産仲介料金の支払方法>
■1回目:契約成立時:50%支払う
■2回目:決済&引渡し成立:50%支払う
※違約解約になる場合、1回目分は返金されません。

2回目は未払いの場合、仲介業者によっては請求します。
なぜ?売買契約で仲介料金は発生?
宅地建物取引業法では、
仲介手数料は「契約が成立したとき」に請求可能と定められています。
売買契約の締結が「成立」と見なされるため、
引き渡しを待たず請求される。

うーん。
でも引き渡し日じゃないの?

引き渡しは契約の履行段階です。
つまり、
仲介業者の仕事である契約成立接関係がありません。
とはいえ、業界の慣習では
①契約時②引き渡し日の2回に分けています。
不動産売買で違約金が発生する事例

不動産売買で
違約金が発生する事例は「自己中心的な行動」がほとんどです。
以下事例を紹介します。
事例:買主が違約金負担
■売主が新築建売の保存登記を済ませた
■売主が決済当日、書類一式を揃えて、引渡しの準備をしていたが買主がドタキャン
■引渡し前に「リフォーム希望」の買主に応じ着手したが、買主にドタキャンされた
事例:売主が違約金負担
■買主が残代金を用意したが、決済当日、売主がドタキャン
■売主が抵当権抹消を銀行に連絡せず、
決済当日に決済できなかった
■売主物件の賃借人の退去を条件にで契約。
しかし、指定日までに退去せず、引渡しできなかった。
■売買契約にそって売主が土地の分筆作業に着手したが、
「買主がやっぱりやめた!」と言い出した。
事例:他
・手付放棄による解約期間後の解除希望
・住宅ローン特約期間後の解除希望
・反社会的勢力による契約解除
不動産売買契約書には「反社会的勢力排除」に関する契約条項が含まれており、
違約金は売買代金の20%、制裁金は売買代金の80%となります。

ご本人が反社でなくても、名義貸しや会社の役員が反社の場合は対象になります。
不動産売買で違約金が発生しない事例

■合意解除:売主買主双方の合意によって契約が解除された場合
■自然災害や不可抗力:台風で家がとんだ、お隣の火事で家が全焼したなど
物件引き渡し間、管理責任は売主になります。
その間、自然災害で全壊、火事で滅失などをすれば、
どうしようもないため、違約金は発生しません。
契約違反による解除・違約金の手順

売買契約に①契約違反あり→②解除→③違約金を請求といった順番になります。
ただし、契約解除には以下3つの条件があります。
契約違反の事実
<買主の違反>
第3条(売買代金を支払わない)
<売主の違反>
第7条第1項(引渡しをしない)
第8条(抵当権抹消をしない、忘れたなど)
第9条(所有権移転登記をしない)
第10条(引渡し完了前の滅失・毀損)
上記のいずれかに違反した事実が必要です。
違約かどうか?
買主が物件の残代金を支払わず、
売主も物件の所有権移転登記をしない。

同時履行(お金を支払って、物件を引き渡す)をお互い守らなければ、違約とはいえません。
違約金請求前に「催告」が必要
■催告:相手に対して一定の行為を要求すること。
相手方が応じない場合に、一定の法律効果が生じる
例:買主が残代金を準備し、再三にわたって契約の履行(※物件の引き渡し)を売主に催告した

郵便局の「配達証明付の内容証明郵便」を利用して相手方に伝える必要があります。
※一般的には1週間以内に引き渡してください、支払ってください、など
文章は司法書士さんに有料で作ってもらえます。
違約金と損害賠償の違いは?

◎違約金:売買契約に違反(債務不履行)をした場合に支払うお金のこと
①損害賠償額の予定②違約罰(ペナルティ)の2つの意味があります。
◎損害賠償:契約不履行・瑕疵(雨漏れなど)で損害を補填する金額
【違約金】 | <損害賠償> | |
定義 | 契約不履行時に事前に契約書で定められた金額を支払うペナルティ。 | 契約不履行や瑕疵により発生した実際の損害を補償する金銭。 |
発生タイミング | 売買契約締結後、 契約違反 (例:買主の支払い拒否、売主の引渡し拒否)時。 | 契約不履行や瑕疵により損害が発生したとき (契約時や引き渡し後など) |
金額 | 契約書で定めた固定額 (例:物件価格の10~20%、3,000万円なら300~600万円)。 | 実際の損害額に基づく (例:修繕費、逸失利益) 金額はケースにより異なる。 |
法的根拠 | 民法の約定違約金(民法420条) 宅建業法では違約金の上限20%(業者売主の場合) | 民法の損害賠償責任 (民法415条)。 ・損害の証明が必要。 |
目的 | 契約履行の確保と簡易な損害補償。証明不要で支払い義務が発生。 | 実際に生じた損害の補填。 損害の事実と金額の立証が必要。 |
例 | 買主が契約を解除し、手付金300万円が違約金として没収される。 | 売主が隠していた物件の瑕疵 (例:雨漏り)で修繕費500万円を請求される。 |
注意点 | 契約書に明記されていれば支払い義務あり。高額設定に注意。 | 損害額の立証が難しい場合あり。訴訟が必要な場合も。 |
違約金
違約金は、契約不履行時に事前に契約書で定められた金額を支払うペナルティ。
売買金額の最大20%と設定します。

もし違約金が発生した場合、損害を計算し、相手に請求、となると面倒です。
そのため、損害が大きかろうが、少なかろうが「最大20%」にすることで、
後々クレームがないよう、売買契約書に文章が盛り込まれています。
<損害賠償金の金額の増減はNG>
■例①違約金:20%600万円→損害が800万円生じたから800万円払え!
■例②違約金:20%600万円→損害が300万円生じた!300万円に安くしろ!

なるほど!
想定よりも損害が大きい、
または小さい場合でも、
最大20%と定めれば、
後で揉めないのね。
損害賠償額
契約違反や不法行為等で損害が発生した場合に支払う賠償金のこと
売買契約時にいくら損害賠償額が発生するか、不明です。
まとめ

◎違約金ってなに?
売主・買主が債務不履行になった時に請求し、解約
◎違約金の相場・計算方法
売買金額の最大20%まで
◎不動産売買で違約金が発生する事例
事例:買主が違約金負担:違約金-手付金を支払う
事例:売主が違約金負担:違約金+手付金を支払う

不動産売買時の違約金についてあなたのお役に立てれば幸いです。
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