【完全版】不動産売買の売買契約書で17の要チェック項目はコレや!

中古マンション

不動産売買の売買契約書で17つのチェック項目

売買契約書は

「売主と買主の間で不動産売買取引を行う際」に作成する契約文書です。

以下、17のチェックポイントを解説します。

>>動画でも解説

①売買契約書の書式は4つ

1:一般社団法人不動産流通経営協会(FRK)

FRKは「大手不動産仲介業者」が主に利用する売買契約書式です。
※三井のリハウスさん・住友不動産販売さん・東急リバブルさんなど

参考元:一般社団法人不動産流通経営協会(FRK)

2:全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)

全国宅地建物取引業協会連合会は

「鳩のマーク」で有名な団体組織です。

宅建士:山口
宅建士:山口

会員数は約100,000社とされています。

参考元:全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)

3:全日本不動産協会(全日)

全日本不動産協会(全日)は「ウサギマーク」で有名な団体組織です。

※業界最古の団体で、会員業者数は約30,000社

参考元:全日本不動産協会(全日)
  

4:全国住宅産業協会(全住協)

全国住宅産業協会(全住協)は

「建設会社の会員さん」が多く、FRKと重複する業者さんもいます。

売買契約書の書式フォーマットは若干異なりますが、
基本的な項目は同じです。

売主側の仲介業者の加盟団体のフォーマットで作成するケースが多いです。

参考元:全国住宅産業協会(全住協)

②売買契約書は「4セット」必要

不動産の売買契約書は以下4セットがあります。

①重要事項説明書:不動産の細かい条件など記載(※買主に交付&説明)
②売買契約書:売主と買主の売買取引書類
③付帯設備表:ガスボイラー・換気扇などの設備状況報告書
④物件状況報告書:シロアリ、雨漏れ、火事、心理的瑕疵(殺人など)ないか?


→付帯設備表について
物件状況報告書について

宅建士:山口
宅建士:山口

契約不適合責任の免責場合、

③の付帯設備票は特約で付属しないケースもあります。

ですが、一般的な取引では契約時に4セットが必要です。

③事前にドラフト(下書き)を見せてもらう

売買契約当日になって売買契約書を見せられる・・・

ほどんとの売主・買主ともに(よくわからない)と内心思っているはずです。

お客様
お客様

素人の私が、いきなり文字数が多い書類を見せられても・・・

わからない・・・

そのため、

親切な仲介業者は事前にドラフト(下書き)を送ってくれます。

※契約内容に疑問・異議があれば、担当者に連絡してください。

宅建士:山口
宅建士:山口

売買契約書は内容が薄いですが「特約」の事前すり合わせが必要です

逆に合理的な理由(※)がないのに拒否する場合は、この記事を読めば約80%は安心できると思います。

※調査中、書類作成中など

④物件情報

「不動産の物件情報に間違いがないか?」

・所在地や地番(土地は注意)
・地積や部屋の㎡数
・マンション名(※正式名称)
・家屋番号や部屋番号など


戸建て取引で、土地が「複数の筆」に分かれている場合は注意が必要です。
また、「私道有り」の場合、地番などに注意が必要です。

⑤売買代金

「買付証明書=同じ金額」かどうか、確認しましょう。

買付証明書提出時に2,480万円だったのに、

売買契約書で2,580万円はおかしいですよね

また、戸建は<土地代金><建物代金>と内訳があります。
※消費税は売主が業者の時のみ発生

宅建士:山口
宅建士:山口

金額は売買契約書で一番大切といえます。

⑥手付金の金額&種類

お札

手付金の相場は「売買金額の5%~10%」です。

例えば、2480万円の物件なら125万円~240万くらいです。

売買代金同様、買付証明書に記載するため、

売買契約書で異なることはないです。

宅建士:山口
宅建士:山口

①支払い方法は「現金」「振込み」なのか?

②支払タイミングはいつか?確認しましょう。

⑦土地の実測・計測など(土地、戸建)

<戸建、土地の取引の場合>

・公募売買なのか?
・現況測量はするのか
・確定測量をするのか?
・測量負担はだれか?

⑧所有権の移転&引渡し時期

原則、「決済」&「引き渡し」は同日に行われます。

簡単にいうと、お金を支払って、物件の所有権を受け取る、ということです。

宅建士:山口
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売主で引っ越し先に住むスケジュールの都合上
「引き渡し日を7日伸ばしてほしい」といったケースがあります

(※引渡し猶予)

もちろん、売主・買主双方が合意すれば問題ありません。

⑨トラブル時の対応内容

売買契約後の物件管理責任は売主さんです。

その間に隣人が火事になり全焼した、竜巻で家が吹き飛ばされた・・・など

どうしようもない事が起きた場合などの取り決めです。

宅建士:山口
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対象物件の売買契約締結日から引き渡し日までの管理は「売主さん」です。

何かトラブルで、補修などで引き渡しが遅れた場合の説明を聞きましょう。

火事で滅失したり、

竜巻でぶっとんで修理不可能の場合は、白紙解約になるケースが多いです。

⑩手付金の解除について

売買契約後、「やっぱり買わない・売らない」となった場合、

手付金を放棄して解約ができます。

<例:手付金100万円>
・売主:他の人に売りたい(手付金返金+同額返し)200万円支払う

・買主:やっぱり買わない(手付金放棄)100万円戻らない  

※売主が不動産業者の場合は手付解除期限はありません

⑪違約金の金額

手付解除期間を過ぎると、違約解約(物件の10%~20%払い)になるリスクがあります。

一般的に5000万円以下が20% 

それ以上が10%となるケースが多いように思えます。

※双方の合意なので最大20%まで設定可能

【違約金ヤバ!】不動産売買でコレやったらアウト事例とは?!

宅建士:山口
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ちなみに、手付解約が可能な期間内に、

相手が履行の着手に及ぶと、違約解約となります。
注意をしましょう。

⑫契約不適合責任など

物件で不具合(シロアリ、雨漏れ、給排水管漏れなど)が見つかった場合、買主から売主に通知します。
例:物件引渡し後 3か月間など

宅建士:山口
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契約不適合責任の期間を過ぎてから不具合が発生しても、契約不適合責任を追及できません。

また、双方の合意があれば「契約不適合責任免責」も可能です。

>>契約不適合免責の売主買主のメリット・デメリットを比較!

⑬付帯設備の内容

水回り(お風呂、トイレ、キッチンなど)、建具(ドアなど)、
給湯器など付帯設備の動作は正常か?

付帯設備表を売主さんが記入し→買主さんへ渡します。

宅建士:山口
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不具合がある場合は、正直に記載しましょう

ちなみに売主さんが個人の場合、

「引き渡しを受けてから1週間以内」は補償します。

宅建士:山口
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給湯器や換気ファンなど設備は故障しやすいため、

付帯設備表の設備は契約不適合責任の対象外になります。

⑭公租課税の計算

・固定資産税
・都市計画税
・管理費用(マンション)
・修繕積立金(マンション)

関東は1月1日の所有者に、
固定資産税/都市契約勢の1年分の請求が4月後半に届きます。

お客様
お客様

じゃあ、例えば1月決済だと、
売主さんが残り11か月住まないのに、全額負担するの?

売主さんが全額負担は不公平です。
そのため、365日(うるう年366日)で日割り計算し、清算します。

<計算カウント日数>例:8月5日決済・引き渡し
・引き渡し日前(1月1日~8月4日分):売主負担
・引き渡し日から(8月5日~12月31日分):買主負担   

マンションの管理/修繕積立金は月払いなので、月の日割りです。

⑮ローン特約の条件など

ローン特約とは「〇月〇日まで住宅ローンの本審査が通らない場合、無条件で解約できる」特約です。

※仲介手数料&手付金ともに返金されます。

また「①融資申込み先②承認予定日③融資金額」の欄もチェックしましょう。

宅建士:山口
宅建士:山口

自主ローンは「融資に必要な書類(コピー)の最終提出日の記載」が必要です。

もし、提出をしないと、ローン特約が利用できません。

提携ローンは不動産屋が手続きを補助・代行をします。

※当社は代行手数料はいただいておりません。

⑯特約条項

特約とは、売買契約書に書ききれない特別な約束事です。

※ケースによってはかなりのボリュームになるため、注意が必要です。

<特約の事例>
①残代金及び固定資産税・都市計画税・管理費等の清算金については、
原則売主の指定する口座へ振込送金するものとし、金融機関発行の振り込み明細をもって
売主からの領収書に代えるものとします。尚、振込手数料は買主の負担をします。

②売主は所有権移転の時期までに、その責任と負担において、本物件につき売主名義の相続登記を完了しなければならない。

③本契約書第〇条の規定にかかわらず、売主は本物件設備表の交付義務を負わないものとし、主要設備の修復義務も負わないものとする。※〇条は不動産売買契約条項のこと

ちなみに、
容認事項は重要事項説明書
■特約は売買契約書
です。

⑰不動産売買時に必要なものは?

身分証明書

免許証やマイナンバーカードなど顔入りが好ましいです。

印鑑

法的には認印でもOKです。
しかし、昔からの商習慣で実印&印鑑証明書の提出を求める会社もあります。

宅建士:山口
宅建士:山口

売買契約書で実印を求める理由は
①商習慣
②本人確認(印鑑証明書と印鑑が合致するか?)
③覚悟の証明


の3つです。もちろん、認印でもかまいません。
※営業担当に確認しましょう。


筆者が注文住宅を購入するときは、「一生に1回の買い物だから」という覚悟で実印を押しました。

印紙代(1万円~)

売買契約書に貼付する印紙です。

原本を持つ買主が全額負担し、コピーは売主が持つ。

2人で2つ売買契約書(※)を作って、それぞれ貼り付けるケースもあります。
※2通欲しい場合は、双方がそれぞれ印紙代を負担します。

※印紙代は物件の価格によります
※不動産屋が用意してくれます(金銭負担は売主・買主)

手付金(※買主)

売買契約の成立条件は2つ。
①売買契約書の作成 ②手付支払いです。

本来、売買契約当日に現金で手渡しをしますが、紛失や盗難の恐れから、振込が多いです。

→手付金の振込タイミングは前日・当日?土日は?

ちなみに成立のためには

「同時履行が条件」のため、午前中に契約を済ませ、
お昼にスマホから売主口座へ振り込めば当日反映されます。

宅建士:山口
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土日の場合は、前日の金曜日に預り金として振込、成立で手付金になります。

万が一、当日契約が「不成立」なら返金も可能。

※売主がお年寄りの場合、「現金」を求められるケースがあります

不動産売買時の場所はどこ?

基本、売主&買主が合意すればどこでもいいです。

以下、よくある契約場所を解説します。

①不動産会社

不動産会社での売買契約です。
共同仲介の場合は、買主側の仲介業者で行うことが多いです。

②対象物件(売主様のお宅)

売主さんの物件での売買契約です。ケースとしては少ないですが、可能です。

③レンタルオフィス

駅前のレンタルオフィスでの契約です。

売主・買主双方の距離が遠い場合、レンタルオフィスを一時的に借りて契約をします。

④持ち回り契約

遠方(北海道と東京など)の場合は、売買契約書を郵送で持ち回り契約をします。

①買主に契約書を郵送、記載
②売主に契約遺書を郵送、記載


※重要事項説明書はITオンライン交付&説明も可

売買契約も電子契約が可能ですが、

地面師や手付泥棒の防止のため、紙ベースの会社が多いです。

余談ですが、決済の立ち合いは司法書士さんに代理人をお願いできます。

>>持ち回り契約の解説

不動産売買契約の時間は?

不動産の売買契約「のみ」にかかる時間は1時間です。

ちなみに、重要事項説明書は2時間以上かかるため、

買主さんは3~4時間かかるケースがあります。

宅建士:山口
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心身の負担を軽くするため、「重説だけ」前もって買主さんに済ませる。

または、「IT重説を取り入れる」会社もあります。

まとめ

不動産売買契約書のチェックポイントを簡潔にまとめます。

  1. 契約当事者
    • 売主・買主の氏名、住所が正確か。法人なら代表者や登記情報も確認。
  2. 物件情報
    • 住所、面積、構造、登記簿上の記載(地目、権利関係)が一致しているか。
    • 付帯設備(エアコン、照明など)の引渡し条件が明確か。
  3. 売買価格と支払条件
    • 売買代金、手付金、残金の金額と支払時期・方法が明記されているか。
    • 手付金の扱い(解除時の返還条件など)が明確か。
  4. 引渡し条件
    • 引渡し時期や物件の状態(現状渡しか修繕の有無)が具体的か。
    • 抵当権や賃借権など、権利の負担がないか、または抹消条件が記載されているか。
  5. 契約解除と違約金
    • 解除条件(手付解除、ローン特約など)と違約金の金額・支払時期が明記されているか。
  6. 重要事項説明との整合性
    • 重要事項説明書の内容(法令上の制限、瑕疵担保責任など)と契約書が一致しているか。
  7. 特約・追加条項
    • 特約(例:瑕疵担保免責、ローン不成立時の解除など)が理解できる内容か。
    • リスクを伴う条項がないか慎重に確認。
  8. 公租公課の分担
    • 固定資産税や管理費の精算方法、時期が明確か。

注意点

  • 不明点や曖昧な表現は不動産会社や専門家(宅建士)に確認。
  • 契約書は署名・捺印前にじっくり読み、納得してから進める。
  • 登記簿謄本や重要事項説明書と照らし合わせて矛盾がないか確認。

以上を踏まえ、疑問があれば必ず質問し、書面で確認を取ることが重要です。

宅建士:山口
宅建士:山口

不動産売買の売買契約書の確認ポイントが気になるあなたへ
お役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人
riyama

宅地士&FP2級の山口です(リヤマ不動産株式会社の代表)
不動産の売買や相続、住み替えなどで「どうしたらいいの?」と不安になる方の力になりたくて、この仕事をしています。
専門的な内容も、できるだけわかりやすく、丁寧にご説明することを心がけています。不動産に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。地域に根ざし、一人ひとりの気持ちに寄り添うご提案をいたします。

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