入院中・老人ホーム入居中でも不動産は売却ってできる?

母が老人ホームに入っているんだけど・・・
土地・建物って売れるの?

結論から言うと、売れます。
ただし、条件や注意点があります。
高齢化社会が進む日本では、多くの方が入院中や老人ホーム(介護施設)入居中で、
身体の自由が利かない状況に直面しています。
特に群馬県のように地方都市部が多い地域では、家族が遠方に住むケースも少なくなく、不動産の管理や売却が大きな課題となります。
結論から申し上げますと、入院中や老人ホーム入居中でも、不動産の売却は可能です。
ただし、売主本人の健康状態や判断能力によって、手続きの方法が変わります。
この記事では、専門的な不動産法や成年後見制度を基に、初心者の方にもわかりやすく解説します。
■ 成年後見制度とは
認知症などで判断能力が不十分な人の代わりに、財産管理を行う制度
→ 家や土地の売却も本人の代わりに行う
■ 不動産は勝手に売れない
後見人がいても、自分の判断だけでは売却できない
理由
→ 不動産は高額で本人の生活に直結するため
■ 必ず必要なもの
① 家庭裁判所の許可
これがないと売買契約は無効になる可能性あり
② 売却理由の正当性
よくある理由
・施設入所費用に充てる
・空き家管理ができない
・相続対策
→ 本人の利益になるかが最重要
■ 売却の流れ(実務ベース)
① 後見人が選任される
② 不動産の査定・価格設定
③ 買主と条件調整
④ 家庭裁判所へ許可申立
⑤ 許可後に契約・決済
※ポイント
「先に契約」はNG(許可前は仮状態)
■ 現場でよくある注意点
・相場より安すぎると許可が下りない
・親族の買取は厳しくチェックされる
・時間がかかる(1~2ヶ月以上)
※裁判所公式「成年被後見人等の居住用不動産の処分についての許可」
※法務省・法務局の成年後見制度パンフレット(各法務局サイト)
※本記事は一般的な情報提供です。個別事情は司法書士・弁護士・税理士にご相談ください
なぜ売却が可能なのか?基本的な法的背景
不動産売却の基本原則は、民法に基づき、所有者本人が売買契約を結ぶことです。
しかし、入院や施設入居で移動が困難な場合でも、法律は柔軟な対応を認めています。

ポイントは「本人の意思確認」ができるかどうかが
重要です。
売主本人の意思が確認できれば、代理人を立てたり、
不動産会社に施設/病院まで来てもらったりして進められます。

へ~施設まで来てくれるんだ・・・

他社はわかりませんが、
当社は病院、老人ホーム、サ高住など問わず、
伺います。
認知症は売却できない?!
認知症でも売却できます。
ただし、認知症の程度で方法が変わります。
- 軽度認知症(本人が契約内容を理解できる場合) →
本人または委任状で家族が代理で売却可能。
→医師立会いなどで意思確認をしっかりする - 中度〜重度認知症(判断能力が不十分な場合) →
本人単独や委任状では売却不可。 → 成年後見制度を利用する。- 家族が家庭裁判所に申立て
- 裁判所が後見人を任命
- 後見人が売却手続きを代行
(居住用不動産は裁判所の許可が必要)
- 代理人の権限が曖昧だと、想定外の売却条件で契約が成立する
「不動産売却に関する一切の件を委任する」などの大雑把な書き方だと、代理人が勝手に価格を下げたり、不利な特約を付けたりしても、形式上は有効とみなされやすいです。
後で「そんなつもりじゃなかった」と争っても、契約が覆りにくく、本人が損害を被る可能性があります。 - 売却価格などの具体的な条件が書かれていないと、値下げなどの判断を代理人に委ねてしまう
最低売却価格(例:「○○円以上」)や引渡し時期などを明記しないと、代理人がその場で柔軟に判断できてしまい、希望より大幅に安く売却されるリスクが高まります。 - 本人確認・意思能力のチェックが不十分だと、契約自体が無効になる危険
特に高齢者や判断能力に不安がある場合、委任状作成時や取引時に本人の意思能力(契約内容を理解・判断できる能力)が十分でないと、後で「無効」を主張されてトラブルに発展します。
家族間争いや、買主側からの損害賠償問題にもつながりやすいです。
司法書士が登記時に本人確認・意思確認を厳しく行うため、不十分なまま進めると手続きが止まるケースもあります。
これらの不十分な委任状で進めると、売買契約の無効・遅延・金銭的損失・家族・代理人との紛争といった後々のトラブルが起きやすくなります。
【解決法】
- 委任状の内容を具体的に・限定して書く
- 対象不動産の詳細(所在地、地番、地積、建物構造・床面積など)を正確に記載。
- 委任する権限を明確に限定(例:「売買契約の締結および重要事項説明書への署名・捺印」「所有権移転登記申請」など)。
- 売却条件を具体的に入れる(例:「売却価格は○○円以上とする」「引渡し時期は○年○月まで」「代金受領は指定口座への振込に限る」など)。
- 「一切の件」などの曖昧表現は絶対避ける。
- 有効期限を必ず設定(例:「令和○年○月○日まで有効」)。
- 最後に「以上」と書いて追記・改ざんを防ぐ。 実印押印+印鑑証明書を添付。
ポイント
- 売却理由は「本人の生活費・介護費のため」など、
本人の利益になる場合に認められやすい。 - 手続きに数ヶ月〜半年かかることも。
- 認知症になる前に「家族信託」をしておくと、
裁判所許可不要でスムーズに売却可能(おすすめの対策)。

早めに司法書士や弁護士に相談するのがベスト!
状況別の売却方法:歩けない高齢者の場合
売主が歩けない場合、主に3つのパターンに分けられます。
- 本人の意思が確認できる軽度の入院・施設入居の場合
- 方法の概要: 本人が契約内容を理解でき、署名可能なら売却できます。
移動が難しいので、不動産会社や買主に病院・施設まで来てもらうか、代理人を立てます。 - やり方(ステップ):
- ステップ1: 不動産会社の選定。群馬県内の信頼できる会社を探します。
老人ホーム対応への訪問対応ができる会社を選びましょう。 - ステップ2: 契約の準備。施設、病院などで売買契約書を説明。
意思確認ができれば、本人が実印を押します。
歩けない場合、ベッドサイドで手続き可能です。 - ステップ3: 決済と引き渡し。銀行振込で代金を受け取り、登記移転は司法書士が代行。
必要書類は住民票、印鑑証明、権利証など。
→本人が用意できない場合、家族が代理取得します。 - 注意: 契約時は、医師・家族の立会いで意思確認を記録すると安心です。
相場の金額なら所要期間は3ヶ月程度で売却できます。
- ステップ1: 不動産会社の選定。群馬県内の信頼できる会社を探します。
- 方法の概要: 本人が契約内容を理解でき、署名可能なら売却できます。
- 本人が意思疎通できるが移動不可の場合(代理人活用)
- 方法の概要: 委任状を作成し、子供や親族を代理人に立てます。
これで代理人が全手続きを代行可能。
民法の代理制度に基づき、売却価格や条件を委任状に明記します。 - やり方(ステップ):
- ステップ1: 委任状の作成。本人が委任状を書類化。
内容は「売却価格○○円以上、手付金○○円、引き渡し日○月」など具体的に。 - ステップ2: 必要書類の準備。委任者(本人)の実印、印鑑証明(3ヶ月以内)、住民票。
代理人の実印、印鑑証明、住民票も必要。
ステップ3: 代理人による売却。代理人が不動産会社と媒介契約を結び、買主探しから決済まで進める。司法書士が委任状の有効性を確認してくれます。 - ステップ4: 登記申請。法務局で所有権移転。代理人が申請可能。
- 注意: 委任状に不明瞭な点があると無効になるので、専門家(司法書士)に相談を。
費用は委任状作成で数千円、司法書士報酬で5〜10万円程度。
- ステップ1: 委任状の作成。本人が委任状を書類化。
- 方法の概要: 委任状を作成し、子供や親族を代理人に立てます。
税金&タイミング

- 税金関連: 売却益(譲渡所得)に対し所得税・住民税がかかりますが、居住用不動産なら3,000万円特別控除が適用可能。
老人ホーム入居前に売却すると、譲渡所得の課税を繰り延べる特例あり。
入居後3年以内に売却してもOKですが、早めのタイミングがおすすめ。
高齢者の場合、健康保険料(後期高齢者医療制度)が売却益で上がる可能性あり。
年金には影響なし。
→税務署、税理士さんにご相談し、確定申告を忘れずに!
タイミング: 施設入居前に売却が理想。
入院中で急ぐ場合、代理人活用を優先。認知症進行前に準備を
【体験談】入院中・老人ホーム入居中の売却について口コミ

体験談:Aさん(群馬県前橋市・70代男性)の場合
昨年、突然の病気で入院することになったAさん。ご自宅(一戸建て)は駅から少し離れた静かな住宅街にあり、奥様と二人で長年暮らしていました。
入院が長引くことがわかり、「このままでは家の管理が大変になる」とご家族で話し合いました。
Aさんご自身はまだ判断能力がしっかりしていたため、病院のベッドサイドで不動産会社の担当者が訪問。
委任状を作成し、奥様が代理で売却活動を進める形にしました。
内覧は事前に写真と動画を充実させ、購入希望者には「病院で直接ご挨拶したい」とAさんが希望されたので、契約当日には担当者が病院まで同行。
Aさんご本人も笑顔で署名・押印され、無事に成約となりました。
売却代金は入院費や今後の療養費に充てられ、Aさんご夫婦は「思ったよりスムーズに進んでよかった」とおっしゃっていました。
入院中でも本人の意思が確認できれば、病院契約や委任状で十分対応できる良い事例です。
体験談Bさん(老人ホーム入居検討中・家族信託を活用した場合)
Bさんご家族(群馬県伊勢崎市・77歳父親)の場合
お父様が「そろそろ施設に入りたい」とおっしゃったタイミングで、ご自宅(築30年の一戸建て)の売却を検討されました。
まだ判断能力は十分でしたが、将来の不安を考えて事前に家族信託を契約。
長男を受託者として、不動産の管理・売却権限を明確にしておきました。
これにより、家庭裁判所の許可を待たずに柔軟に進められるのが大きなメリットでした。
お父様が入居を決めた老人ホームの近くで内覧希望者に対応し、売却代金は信託口座で管理。
入居一時金や月々の利用料にスムーズに充てることができました。
よくあるQ&A

- Q入院中や老人ホーム入居中でも自宅不動産を売却できますか?
- A
はい、可能です。ただし、本人の判断能力(意思能力)によって手続きが大きく変わります。判断能力が十分にある場合は本人または委任状で売却できます。軽度認知症や意思能力が不十分な場合は成年後見制度を利用し、家庭裁判所の許可が必要です。認知症になる前に家族信託を契約しておくと、裁判所の許可なしで柔軟に売却できます。
- Q家族信託をしておくとどんなメリットがありますか?
- A
判断能力が低下しても、受託者(信頼できる家族など)が本人に代わって不動産の管理・売却・代金管理が可能です。家庭裁判所の許可が不要で、手続きがスムーズ。老人ホーム入居費用や介護費を迅速に捻出できます。また、相続後の財産分配も契約で事前に指定可能です。成年後見制度より柔軟性が高い点が大きなメリットです。
- Q家族信託と成年後見制度の違いは何ですか?
- A
家族信託:元気なうちに契約。認知症後も受託者が自由度高く売却・管理可能。身上監護(入所手続きなど)はできない。
成年後見制度:認知症後、家庭裁判所が後見人を選任。本人保護が強く、居住用不動産売却には許可が必要で制限が多い。
予防策として家族信託を推奨するケースが増えています。
- Q3,000万円特別控除(居住用財産の譲渡所得控除)は老人ホーム入居後でも適用されますか?
- A
はい、一定の要件を満たせば適用可能です。
相続開始直前まで家屋が被相続人の物品保管などに使われ、事業用・貸付用・他人居住用でなく、老人ホーム等への入所が「特定事由」に該当する場合などです。
入居後3年以内などの条件もありますので、詳細は国税庁の特例を確認してください
※税理士相談を強く推奨
- Q委任状だけで売却を進めるのは危険ですか?
- A
判断能力が十分にあるうちは有効ですが、認知症の疑いがある場合は無効とされるリスクがあります。司法書士による本人確認・意思能力チェックを徹底し、売却価格の下限などを具体的に記載しましょう。不十分な委任状で進めると後でトラブルになる可能性が高いです。
- Q売却代金はどのように管理・使用されますか?
- A
成年後見制度の場合、売却代金は本人の生活・介護・医療費などに限定され、家庭裁判所の監督下で管理されます。家族信託の場合、信託契約で定めた範囲(施設入居費用など)で受託者が柔軟に使用可能です。どちらも「本人のため」という原則を守る必要があります。
- Q群馬県在住ですが、施設まで来てもらえますか?
- A
はい、当社(または提携司法書士)では入院先・老人ホームへの出張相談・対応が可能です。まずはお電話やフォームでご相談ください。状況を伺い、最適な方法(委任状・成年後見・家族信託)を一緒に検討します。
- Q今すぐ対策すべき人はどんな人ですか?
- A
高齢で入院・施設入居を検討中の方 軽度認知症の兆候がある方 将来の介護費用を不動産でまかないたい方 家族にスムーズに財産管理を任せたい方 判断能力があるうちに家族信託を検討するのが理想です。
- Q不動産売却の一般的な流れを教えてください
- A
①売却相談・査定(相場と売り方を確認)
②媒介契約の締結(不動産会社と契約)
③販売活動(広告・ポータル掲載・内覧対応)
④購入申込・条件交渉(価格や引渡し時期を調整)
⑤売買契約の締結(手付金受領)
⑥引渡し準備(ローン完済・書類準備)
⑦決済・引渡し(残代金受領・登記完了)
→売却の流れの詳細はこちら
まとめ

・入院中・老人ホーム入居中でも不動産売却は可能です。
・本人の判断能力があれば、委任状や代理人で手続き代行。
・認知症の場合、成年後見制度(裁判所許可必要)や事前の家族信託が有効。

病院へ入院中であったり、
老人ホームやサ高住にお住まいでも、不動産取引は可能です。




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