
低廉な空き家って何て読むの?

低廉(テイレン)つまり、金額が安いことです。
低廉な空き家は「安価な空き家」という意味です。
結論から言うと・・・
売買価格が800万円のお安い土地・建物の仲介手数料を33万円(税込み)に法改正しました
という意味です。
なぜ法改正したの?

なぜ空き家等に係る媒介報酬規制の見直しをしたのか?
その理由を解説します。
日本全体で空き家が増加

少子高齢化の影響で、日本全体で空き家の数が年々増加しており、
処分をする際、不動産屋さんに仲介をお願いするケースがあります。
2018年は849万戸(7軒に1軒)→2033年2100万戸(3軒に1軒)
と空き家の数が急上昇する予定です。

この時、仲介手数料が少なすぎる問題があります。

なるほど!
仲介手数料が安いと、
業者さんが消極的になる・・・
だから、税込みで33万円にしたのね

・2020年:2018年の158,300戸から微増の160,000戸を仮定。
・2030年:全国予測(2033年で2,170万戸)に合わせ、
群馬県でも空き家数が急増(288,000戸)
・ 2040年:人口減少と高齢化の加速により、
さらに増加(352,000戸)。
NHKの2040年空き家予測マップでも、
都市部を含む空き家増加が指摘されています。
2050年:長期的な人口減少(2045年で群馬県の人口は大幅減、)を反映し、
400,000戸に達すると推定。
仲介手数料が安い?!
<仲介手数料の法定上限額>
・物件価格が200万円以下の場合:物件価格の5%+消費税
・物件価格が200万円超400万円以下の場合:物件価格の4%+2万円+消費税
・物件価格が400万円超の場合:物件価格の3%+6万円+消費税
※物件価格は税抜きの金額。
例えば
・200万円の空き家なら、
仲介手数料は11万円(税込)
・400万円なら19.8万円(税込)
不動産取引で、新築などは安全に取引しやすいですが、
中古で旧耐震の空き家は扱いが難しくなります。
長年放置されているため、管理が行き届いていない、
傾いている、給排水が老朽化している、
雨漏れやシロアリの巣窟になっている・・・
など、問題個所を数えたらきりがありません。

空き家の調査やご案内にかけた労力を考えると、
割に合いません。
特に大手不動産会社は、
採算が合わないため、低廉な空き家の取引に消極的です。
空き家対策推進プラグラムで仲介手数料を800万円に!
国土交通省は、空き家の売買を活発にするために、媒介報酬の規制見直しをしました。

2016年は400万円以下の空き家が特例の対象でした。
しかし、さらに空き家対策を進めるため、
2024年7月から「特例の対象が800万円以下の空き家」となり、
対象範囲が拡充されました。
特例改正により「低廉な空き家等」のメリット&デメリット

「低廉な空き家等」の売買仲介を法改正したメリット&デメリットを
解説します。
メリット

「低廉な空き家等」の売買仲介のメリットを解説します。
①取引量が増える
「報酬が安いから消極的」だった、不動産屋が空き家の取引に積極的に取り組む可能性が高いです。

実際に空き家に特化した不動産屋さんも登場しています。
田舎の空き家の取引量が増えるといいですね・・・
②不動産投資が参入しやすくなる
「空き家でボロボロ・・・」となると、
今までは空き家を解体、更地にし、売却するしかありませんでした。
しかし、ここ5年で空き家をDIYで修繕して
賃貸経営をする「投資家」が増加しています。

投資家向けに低廉な空き家を販売している業者も
増えているようですね。
デメリット

「低廉な空き家等」の売買仲介のデメリットを解説します。
①支出が増える
例えば200万円の空き家の仲介手数料は11万円でした。
それが+20万円で30万円の出費・・・
となると売主&買主ともに、負担が増えます。

特に不動産投資家は利回りを気にするため、
手数料の増加は痛いといえます。
ちなみに、
売主&買主双方が仲介手数料33万円(税み)が適用されます。
特例の要件(マンションや土地は?)

低廉な空家等の媒介の特例で、
マンションの空き家・土地も対象になるでしょうか。

①戸建て・区分マンション・土地など種類は問いません。
②空き家・居住中など使用状況も問いません。
ただし、賃貸集合住宅(アパート・マンション)の空き室は、
事業用のため対象となりません。
まとめ

低廉な空き家(800万円以下)のメリット・デメリット比較表
メリット | デメリット | |
買主 | ・価格が安く購入ハードルが低い | ・建物が老朽化しており修繕・解体費用が高くつくことがある ・仲介手数料が高い |
・リノベーション前提で自由度が高い | ・再建築不可やインフラ未整備 の恐れあり | |
・DIY・古民家活用がしやすい | ・契約不適合(瑕疵)リスクが高い | |
・固定資産税が安めな傾向 | ・金融機関の住宅ローンが通りにくい(融資不可物件) | |
売主 | ・固定資産税・維持管理の負担から解放される | ・なかなか売れない (流通性が低い) |
・買主が見つかればスムーズに処分できる | ・売却価格が安いため利益が出にくい ・仲介手数料が高い | |
・契約不適合責任のトラブルリスクが高い | ||
仲介業者 | ・地域の活性化支援になる(空き家対策) | ・手数料が低め (※作業に見合わない) |
・社会貢献度が高い取引として注目されやすい | ・調査・説明義務は通常物件と同様に必要 | |
・トラブル対応に時間がかかる | ||
・物件の魅力付けが難しい |
800万円以下低廉な空き家等のメリット・デメリットが
あなたのお役に立てれば幸いです。
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