
もし、2000万円で相続した実家が売れたら・・・
2000万円私の懐に・・・
何買おうかな・・・

ちょっと待ってください!
手残りは計算しましたか?
※売却金額がそのまま「手残り」になりません
不動産を売却が成功し、自分の口座にお金が入金された・・・
これで車でも買おうかな?!
となりがちですが、結論、所得税が発生します。
今回は、不動産を売却していくら手残りが残るのか?
解説します。
※確定申告や細かい計算については、最寄りの税務署、税理士さんにご相談ください。
不動産の手残り計算式

①譲渡所得 = 売却額 −(購入額+譲渡費用)
②手残り = 譲渡所得 − 特別控除額

今回は戸建&土地の2筆売却で、売却価格2500万円とします。
取得額は2000万円とします。
マンションでも基本的な考え方は同じです。
費用の明細
※戸建&土地の2筆売却で、売却価格2500万円
※登録免許税は買主負担
【費用】 | 【説明】 | |
仲介手数料 | 89.1万円 | 物件価格×3%+6万 |
印紙代 | 1万円 | 売買契約書 |
抵当権抹消代 | 約2.2万円 | 不動産1筆1000円 土地と建物の場合は2000円。 |
一括返済の手数料 | 約5万円 | ローン一括返済の手数料 ※金融機関による |
現況測量 | 約15万円 | 売主さんが担当した場合 |
概算合計で費用は112.3万円です。

売主様で建物を解体する場合は
「解体撤去費用」も含みます。
取得費用
売買契約書に土地&建物に2000万円とすると、取得費用は2000万円です。

契約書・領収書が存在しない場合は、
「取得費用=売却価格の5%」
今回は契約書ありで、
2000万とします。
売買契約書が見当たらない場合、
売主(工務店など)に聞く、不動産仲介業者にアドバイスを求めましょう。
40年以上前など、古い物件でない限り、何かしら証拠が見つかるはずです。

売買契約書あったかしら・・・
ちょっと実家を探してみますね
ちなみに建物は減価償却を考慮する必要があります。
※今回はわかりやすく解説するため、除外します。
売却後の譲渡所得
譲渡収入2500万円– (取得2000万円 + 譲渡費用約112万円 )
売却後の譲渡所得は約388万円です。
それに対して、特別控除が使えるケースがあります。
特別控除額

特別控除額って?!
「マイホームを売ったときの特例」で
譲渡所得から最高3,000万円までが控除可能です。
しかし、今回は相続で実家を譲ってもらったので対象外です。
マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。
これを、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

今回は、相続した実家ですから、相続人は居住していません。
<適用外>
このマイホームを売ったときの特例は、次のような家屋には適用されません。(1)この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋
(2)居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋
(3)別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋
もし、居住中の戸建てやマンションの売却がある場合、
条件を満たせば、3000万円の控除が受けられるケースがあります。
譲渡所得税
所有期間 | 譲渡所得税(※) | 住民税 | 合計 |
---|---|---|---|
5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
5年超え | 15.315% | 5% | 20.315% |
譲渡所得税は、売却後の譲渡所得に対して税金がかかります。
先ほどの例では「実家売却で約388万円が譲渡所得」でした。
それに対して所有期間の税率をかけます。
例:388万円×約20%=77.6万円
仮に今回は長期譲渡なら約77万円の
譲渡所得税が発生します。

長期譲渡のタイミングは、
実質的にはお正月を6回迎えなければ、長期譲渡所得の税率は適用されないため、ご注意を。
※5年ではなく正月を6回経過
【所有期間10年超えの譲渡所得税の税率】
課税長期譲渡所得額 | 税率 |
---|---|
6,000万円以下の部分について | 14.21% |
6,000万円超の部分について | 20.315% |
また、10年を超えると、より税率が優遇されます。
ちなみに、売却した年の1月1日時点で所有期間を判定するため、とご注意を
※確定申告については最寄りの税務署、税理士さんご相談ください。
手残り額は?
2500万円-77.6万円(譲渡所得税)=2422万円
が手残り額になります。

なるほど
2500万円で売却して、
そこから77万円税金を払うわけね。

特別控除が利用できれば、
0円のため、
2500万円が丸ごと手残りになります。
他のパターンで計算

以下のパターンで手残り計算をしました。
今回の計算は減価償却を取り入れました。
項目 | 金額・条件 |
---|---|
購入価格(RCマンション) | 3,000万円(RCマンション) |
売却価格 | 3,500万円 |
保有期間 | 10年 ※長期譲渡所得に該当 |
譲渡費用 (仲介手数料など他) | 約150万円 (売却価格の約5%で概算) |
取得費 (減価償却後) | 約2,300万円(※マンション建物部分を減価償却) |
① 取得費の計算(概算)
- 購入額3,000万円のうち、土地3割、建物7割と仮定:
- 土地:900万円(非減価償却)
- 建物:2,100万円 → 減価償却対象
(※定額法、住宅用RC造 47年)
- 減価償却費:
2,100万円 × 0.022(定額法:RC造)× 10年 ≒ 462万円 - 減価償却後の取得費:
900万円(土地)+(2,100万円-462万円)= 2,538万円
※さらに、購入時の諸費用(登記・仲介料など)も含め約2,600万円で概算
② 譲渡所得の計算
譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)
750万円=3,500万円−(2,600万円+150万円)
③ 長期譲渡所得の税額(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)
税率合計=20.315%
譲渡税(152.4万円)=750万円×0.20315
④ 手取り額の計算
手取り額=売却価格−(譲渡費用+譲渡税)
約3,197.6万円 = 3,500万円−(150万円+152.4万円)
✅ 結論(概算)
項目 | 金額 |
---|---|
譲渡所得 | 約750万円 |
税額(譲渡所得税) | 約152万円 |
最終的な手取り | 約3,198万円 |
※住み替え控除が可能であれば、譲渡所得税は0円になります。
損をしても確定申告はしたほうがいい?

結論、損得関係なく、確定申告をしましょう。
不動産売却で赤字が出た場合でも、
マイナスになったことを証明する必要があります。

居住用の売却は特に、注意が必要です。
不明な点は最寄りの税務署へ質問しに足を運びましょう。
📞【国税局・税務署の電話相談窓口】
《国税庁電話相談センター》
- 全国共通ダイヤル:
0570-00-5901(ナビダイヤル)
📌受付時間:
- 月~金(祝日除く)
- 9:00~17:00
📘主な対応内容:
- 所得税、譲渡所得、相続税、消費税など
- 確定申告や各種手続きの質問
- 税務署の所在地・管轄など
まとめ

①売却金がが手残りではない
②主な経費は
・仲介手数料・抹消登記費用・印紙税
③戸建は測量や解体費用が掛かるケースもある
④取得費用は不明な場合、契約金額の5%
⑤譲渡所得の期間に注意
⑥損をしても確定申告をする
⑦不明な点は税理士・税務署へ

不動産売却で手元に残る金額が気になるあなたの
お役に立てれば幸いです。
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