
雑種地って売れるの?

売れます。
ただし、意外な落とし穴など注意事項があるため、
この記事を読んでから、査定依頼をおすすめします。
雑種地は売れるが注意が必要~Q&A~

雑種地の売却について、Q&A形式で回答いたします。
Q:雑種地って何?確認方法は?
「雑種地」とは、不動産や土地の分類において、特定の用途に明確に分類できない土地のこと

〇〇の用途に土地活用する、といった明確な目的がない土地。
または「複数の用途が混在している」土地のことです。

ワンちゃんでも雑種犬っていうよね。
【雑種地の確認方法】
①固定資産税の納税通知書を見る
→「土地の種類」や「地目」が書かれている欄あり
※「雑種地」と明記されていれば、現時点での地目。
地目の欄に「雑種地」と記載されていれば確定。
②登記事項証明書で確認
→法務局で取得し、地目の欄に「雑種地」と記載されていれば確定
③市区町村役場の資産税課に問い合わせ
固定資産税評価上の地目と、登記上の地目が異なる場合あり
【豆知識】地目23種類
宅地、田、畑、牧場、原野、塩田、鉱泉地、池沼、山林、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、鉄道用地、学校用地、雑種地
※雑種地とは雑種地以外の22種類に当てはまらない土地
Q:登記記録上の「地目」と「現況」が異なる場合、どっち?
現況が優先されます。
※日本の不動産登記法が「現況主義」を採用しているため
現況主義とは
- 不動産登記法では、土地の地目(宅地、田、畑など)は土地の現在の実際の用途や状態を反映する
- 地目が現況と異なる場合、現況を基準に地目変更登記を行う必要があります。

現況って誰が判断するの?

原則として法務局(登記所)が行います
他には・・・
地家屋調査士・自治体(建築確認や許可の担当部署)・申請者(自己申請)などが現況の判断をします。
【地目が異なるとどうなる?(課税明細 vs 登記簿)】
状況 | 影響・対応 |
---|---|
登記簿は「雑種地」 課税明細は「畑」 | 市役所では農地扱い(固定資産税は軽減)されている可能性あり。 実態として農地なら農地法の許可・届出が必要 になる場合がある。 |
登記簿は「宅地」 課税明細は「雑種地」 | 固定資産税がやや安く評価されているかも。 課税漏れや地目調整が必要になる場合あり。 |
地目が一致しない | 税務署や役所にて「地目認定の誤り」や「現況との不一致」の確認が必要。 実務では現況優先になることも。 |
Q:駐車場(雑種地)を売却して、家は建てられる?
結論、雑種地(市街化区域)である駐車場の跡地を売却後、
買主さんは家を建てられます。
地目 | 農地法の対象? | 備考 |
---|---|---|
田・畑(農地) | ✅ 対象 | 農地法3・4・5条の許可や届出が必要 |
雑種地 | ❌ 対象外 | 農地でなくなった土地(例:資材置場、駐車場など) |
宅地 | ❌ 対象外 | 用途によるが農地でないなら農地法は無関係 |

雑種地は農地じゃないのね。安心♪

農地法から対象です。
ただし、雑種地は住宅ローンが組みにくいです。
【雑種地の場合、ローンが通りづらい理由】
観点 | 説明内容 |
---|---|
① 担保評価が低い | 銀行は土地を「担保」として評価しますが、雑種地は用途があいまいなため、**評価が下がる(=貸せる額が減る)**ことが多い。 |
② 市場性が低いと判断される | 雑種地は一般的な宅地と違い、「流通性」が低く、将来売れにくい=担保価値が下がるとみなされる。 |
③ 建築の可否が確定していない | 建物が建てられない可能性がある(接道義務や用途地域の制限)場合、住宅ローンとして融資できない。 |
④ インフラ整備費が不透明 | 上下水道や電気の引き込みが必要でも、整備費用が高額かつ予測不能なことがあり、資金計画が不安定と判断される。 |
⑤ 農地違反のリスク | 表面上は雑種地でも、実際は元農地で違法転用の疑いがある場合、金融機関はリスクを避けるため融資を拒否することがある。 |
⑥ 地目変更がされていない | 住宅を建てるなら「宅地」に地目変更すべきだが、変更されていないと登記や評価が不安定になるため、銀行が嫌がる。 |
⑦フラット35の対象外になることも | 「宅地であること」が条件となっているため、雑種地ではフラット35を使えないケースがある。 |
⑧ 金融機関ごとに扱いが異なる | 柔軟な地方銀行もあれば、厳格なメガバンクでは完全にNGなことも。 結果として「通る銀行が限られる」。 |

なるほど。
雑種地は担保評価が低いね。
でも、審査前に宅地に地目変更しちゃえば?

できる場合、できない場合があります
雑種地のままだと
「建物用途が不明」「建築確認が下りるか不透明」なため、
→ 事前に「宅地」に変更しておくとローン審査に有利
ただし、地目変更は「建物を建てた後」が原則
→ 事前に地目変更はできないのが一般的

建築後に、地目変更をすれば、
金融機関は応じてくれるケースが多いです。
ちなみに、地目:雑種地でも、現況が農地の場合、農業委員会に届出や許可が必要です。
Q:建築後に地目変更すれば、住宅ローンを貸してくれる?
結論、「住宅ローン」として扱う金融機関は多いです。

なるほど。
買主さんが住宅ローンを組む時、
「建築後に宅地へ地目変更の確認が、問題ない」
ってことね。

引き渡し前の地目変更がベストですが、
できないケースが多いです。
建築後に地目変更を約束すれば、
金融機関の評価は下がりづらいといえます。
地目変更(雑種地 → 宅地)をすると・・・
- 担保評価が改善される → 融資条件がよくなる可能性。
- 借り換えやつなぎ融資の本融資切替がスムーズになる。
- 将来の売却・相続時にもスムーズ。
📌 多くの住宅ローンでは、「地目変更は建築後に行えばOK」というスタンスです。
金融機関 | 雑種地への融資対応 | 地目変更の条件 |
---|---|---|
メガバンク (例:三菱UFJ、三井住友) | 審査厳しめ | 原則、宅地を要求されることが多い |
地方銀行・信用金庫 | 比較的柔軟 | 建築予定が明確ならOK。 建築後に地目変更を条件にすることも |
フラット35(住宅金融支援機構) | 利用可能 | 建物完成後に宅地に変更すればOK。 事前説明が必要 |

注文住宅の場合、
建物の表題登記と合わせて、地目変更登記をするケースが多いようです。
Q:雑種地は宅地・畑より安い?
■市街化区域の雑種地の評価:
- 宅地比: 0~15%低い。舗装済み駐車場など造成不要ならほぼ同等。
- 畑比: 同等またはやや高い。
畑は宅地転用時に造成費がかかるが、雑種地は現況により造成費が不要な場合がある。
■売却価格の目安:
- 宅地: 評価額の100~120%(需要次第)。
- 畑: 宅地転用後で宅地の90~95%
- 雑種地: 宅地の90~100%(造成不要なら同等、未整備ならやや低い)。
Q:雑種地を売却するとき、地目変更は売主・買主どっち負担?
契約内容や当事者間の合意によります。

土地を引き渡し後に、地目変更をするから、
買主さんが負担するの?

契約内容によりますすが、
一般的に、買主負担です。
※契約後に地目変更できる場合は、応相談
ちなみに、雑種地→宅地へ地目変更の費用は、
土地家屋調査士への報酬を含め3万円~5万円ほど

仮測量&地目変更も一緒に同じ家屋士さん(※)にお願いするケースが多いです。
※ハウスメーカーと提携
Q:市街化調整区域の雑種地は売れる?
市街化調整区域の雑種地は「売れます」
しかし、買い手は非常に限定され、売却は難しいです。

どうして?

調整区域は「建築が制限されている地域」だからです。
とはいえ、絶対に建築できないわけではありません。
①開発許可または用途変更の許可:
宅地として使用するには、開発許可や用途変更の許可が必要。
※許可が得られない場合、地目変更自体が難しい。
②現況の確認:
地目変更は、土地の現況が宅地として利用可能な状態であることが求められます。
雑種地が未整備の場合、整地や造成が必要になることがあります。
③農地転用許可(場合による)※面倒
雑種地が過去に農地だった、隣接する農地に関連した場合、
農地法に基づく転用許可が必要になることがあります。

市街化調整区域の雑種地は農地法が適用される?

されません。
と言いたいですが、
実際には農地法が適用されるケースがあり、
市役所や農業委員会に確認しましょう。
地目が正式に「雑種地」で、現況が非農地であれば、農地法の許可は不要
→ただし、履歴(農地として)を見られるため、役所に確認を
市街化調整区域の雑種地を売る手順
①現況と法的制限の確認
確認項目 | チェック内容 |
---|---|
地目 | 「雑種地」であること (登記簿で確認) |
現況 | 資材置場・駐車場・空き地など農地ではないか |
都市計画 | 「市街化調整区域」であること |
接道 | 建築基準法上の道路に接しているか |
建築可否 | 原則建築不可(例外的に許可が下りるケースあり) |
境界 | 境界確定済みか(測量図の有無) |
※調整区域の確認方法
https://toshikeikaku-info.jp/
で用途区分の欄を選択すると、市街化/調整区域かわかります。

市街化調整区域のため、
積極的に預かってくれる不動産屋さんは少ないです。
②売却活動スタート
③売れない場合の利用方法は?
<市街化調整区域の雑種地の利用法>
・駐車場としての貸し出し
・資材置き場や倉庫用地
・家庭菜園
・農地としての賃貸
・太陽光発電用地
まとめ

■雑種地とは?
宅地や農地など特定用途に分類されない、または複数用途が混在する土地。
■確認方法は?
固定資産税通知書、登記事項証明書、役場への問い合わせで可能。
■地目と現況
登記上の地目と現況が異なる場合、現況が優先。
■駐車場(雑種地)の売却
家を建てることは可能だが、住宅ローンは担保評価がやや低い。
ただし、家の建築目的ならば、融資可能なケースが多い
■査定価格:
市街化区域の雑種地は宅地より0~15%安い。
畑より同等かやや高い。造成不要なら宅地とほぼ同等。
■地目変更費用:
3~5万円程度、通常は買主負担(契約内容による)
■市街化調整区域の雑種地:
売却可能だが建築制限で買い手が限定。
→農地法適用や転用許可が必要な場合あり。

以上、雑種地の売却を考えているあなたのお役に立てれば幸いです。
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