
不動産の決済日って、どこで何をするの?

不動産決済日は、買主が残金を振り込み塗り主が不動産を引き渡します
今回は、不動産決済日でトラブルを防ぐために、
当日の流れや持ち物、注意点などを解説します。
不動産売買の決済日当日

不動産売買の決済日当日について解説します。
決済の場所
不動産の残金決済は
「買主が住宅ローンを実行する金融機関」が一般的です。
※金融機関→買主口座→売主口座の流れ

ネットバンクの場合、
直接、売主様の口座へ直接振り込まれます。
そのため、
不動産会社や司法書士事務所などで手続きをこともあります。
※ネットバンクはネットバンク指定の司法書士が確認します。
ちなみに、フラット35の融資先銀行はネットバンク(※)ではなく、
対面可能な地銀、信金さんなどにしましょう。
※振込の上限設定忘れなどトラブルが多いため

銀行のローンセンターだと、広くて便利そうね

ちなみに、ネットバンクから融資を受けると
①残代金
②固定資産税などの清算金
③仲介手数料
④司法書士への報酬
など事前に決定しておくことで、
現金に手をつけずすべて処理が完了します。
集合日時について
・平日(月曜・火曜・木曜・金曜)
・午前中(はやめ)
・仏滅以外(人による)
時間は1時間~1時間30分ほどですが、
月末、大安、給料日などは混雑します。
【仏滅に決済日を設定するメリット・デメリット比較表】
メリット | デメリット | |
混雑状況 | 人気の日取りでないため、不動産や金融機関での手続きがスムーズに進む可能性が高い。 | 特にデメリットなし。 |
心理的影響 | 縁起を気にしない場合、スケジュールを柔軟に組める。 | 縁起を気にする場合、後から「縁起が悪いことをした」と後悔するリスク。 |
関係者への影響 | 特に影響なし (縁起を気にしない関係者であれば)。 | 家族や取引相手が縁起を気にする場合、不快感や反対を招く可能性。 |
将来への影響 | 特に影響なし (縁起を気にしない買い手や市場であれば)。 | 不動産の場合、仏滅に決済した物件が縁起を気にする買い手に敬遠される可能性。 |

仏滅とかあまり気にしないかな・・・
大安で結婚しても、離婚する人もいるし、
仏滅で結婚して、仲がいい家庭もあるし
参加者は誰?
不動産売買の決済日当日の参加者は以下です。
①売主
②買主
③仲介会社(買主側)
④仲介会社(売主側)
⑤司法書士
⑥金融機関の担当者(買主側)
⑦金融機関の担当者(売主側)※ケースによる
ご夫婦で参加すると、
8人以上とかなりの大人数です。

両手取引の場合は、仲介業者は一人(売主側)だけです。

融資先の金融機関じゃないと
冷遇されそう・・・
持参する書類などは?

売主が持参する書類と費用
【書類】 | |
本人確認書類 | 運転免許証など写真付きの身分証明書。 |
実印 | 登記書類や委任状への押印に必要。 |
印鑑証明書 | 3ヶ月以内に発行されたもの。登記手続きに必要。 共有名義の場合、共有者全員分が必要。 |
権利証 (登記済権利証または登記識別情報) | 不動産の所有権を証明する書類。 登記所から発行されたもの。 |
抵当権抹消書類 | 売主が住宅ローンを返済中の場合、完済後に金融機関から受け取る書類。 準備に3~4週間程度かかる場合があるため、事前連絡が必要。 |
固定資産税評価証明書 | 登録免許税の算出に必要。司法書士に提出。 |
物件関連書類 | ・管理規約(マンションの場合) ・建築確認通知書 ・パンフレット ・設備の取扱説明書・保証書 ・境界確認書、測量図など。 買主に引き渡す。 |
委任状 | 売主本人が出席できない場合、代理人が持参。実印と印鑑証明書が必要。 |
【費用】 | |
仲介手数料 | ①売買契約時に50%、 ②決済時に残り50%を 不動産会社に支払うのが一般的。 |
抵当権抹消登記費用 | 司法書士報酬(1万円〜3万円程度)+登録免許税(不動産1件につき1,000円)。 売主負担が一般的。 |
名義人変更登記費用 | 登記簿上の住所と現住所が異なる場合、 住所変更登記が必要。 司法書士報酬(1万円〜3万円程度)+登録免許税(不動産1件につき1,000円)。 |
住宅ローン残債返済 | 残代金から一括返済。 オーバーローン(売却価格<残債)の場合、別途資金準備が必要。 |
買主が持参する書類と費用
【書類】 | |
本人確認書類 | 運転免許証など写真付きの身分証明書。 |
実印 | 登記書類や委任状への押印に必要。 |
印鑑証明書 | 3ヶ月以内に発行されたもの。 登記手続きに必要。 |
住民票 | 登記に必要。 金融機関に事前提出済みの場合は不要な場合も。 |
委任状 | 買主本人が出席できない場合、代理人が持参。 実印と印鑑証明書が必要。 |
住宅ローン関連書類 | 金融機関が用意する金銭消費貸借契約書や伝票。 融資実行時に署名・捺印。 |
【費用】 | |
残代金 | 売買代金から手付金(および着工金・中間金等)を差し引いた金額。 現金または銀行振込で支払う。 |
固定資産税・都市計画税分担金 | 引渡し日から年末(または起算日)までの日割り・月割り分を売主に支払う。 |
管理費・修繕積立金分担金 | マンションの場合、引渡し日から月末までの日割り・月割り分を売主に支払う。 |
仲介手数料 | ①売買契約時に50% ②決済時に残り50%を不動産会社に支払うのが一般的。 住宅ローンから支払えるかは金融機関に確認。 |
所有権移転登記費用 | ①司法書士報酬(5万円〜10万円程度)+ ②登録免許税(課税標準価格×税率)。 ※買主負担が一般的。 |
抵当権設定登記費用 | 住宅ローン利用時 ①司法書士報酬(2万円〜5万円程度) ②登録免許税。買主負担。 |
振込手数料 | 銀行振込を選択した場合、数百円〜数千円。 |
不動産売買の決済日当日の流れ

不動産売買の決済日当日の流れを簡単に解説します。
①指定の金融機関に集合
時間と場所を間違えないようにしましょう。
②あいさつ
登場人物同士で名刺交換など挨拶をしましょう。
③書類確認
司法書士が中心となり、
①本人確認 ②売主&買主の登記原因証明などの確認。
加えて、抹消登記や移転などの委任状等に署名と押印をします。
④金銭の振り込み
・固定資産税&都市計画税(日割り)
・修繕積立金&管理費(マンション・日割り)
・不動産の残代金
など最終チェックをします。

不動産残代金よりも、ローン融資金額が多いため、
固定資産税等などの準備が不要なケースもあります。
振込処理を
至急扱い(センター経由無し)
にしましょう。
※「直接打電」「センター経由なし」

どうして?

翌日の扱いになったら大事故です。
振込伝票を渡すとき、
銀行員に「至急扱いでお願いします」と声掛けましょう。
それと、送金依頼書で
①売主指定口座②仲介手数料の口座③司法書士口座
に分けて振り込むと効率がいいです。
※②③は売主の着金確認後の処理で問題ありません。
<売主の着金確認方法>
①スマホでネットバンク確認
②銀行支店へ電話をする
③ATMで記帳する
④コンビニで残高確認をする
⑤電話の自動案内サービスで残高確認
ちなみに、
現金(札束を紙袋で)で支払う人もいるようですが、振り込みが最も安全といえます。
⑤領収書の授受
売主側が着金確認(30分以内)後に、
受取書&領収書を発行して、渡します。
①固定資産税&都市計画税の領収書
②修繕積立金&管理費(マンション)の領収書

売主銀行へ着金の確認連絡をします。
この時点で着金OKならいいですが、
例えば売主銀行から
「100万円足りません」
といった場合、抹消書類がもらえません。
その場合、売主様が追加で100万円入金する必要があります。
⑥書類や鍵など引き渡し
物件のありとあらゆる書類、鍵をすべて引き渡しましょう。

鍵は合鍵も、カードキーもすべて。
それと物置のカギ、ポストの暗証番号、宅配ボックス番号のメモなど
⑦報酬の支払い
司法書士に登記(移転登記、抹消登記など)の費用を支払います。
加えて、不動産仲介業者に仲介手数料を支払います。

当社は仲介手数料は振り込みでご案内しております。
司法書士さんは
①手渡し②振り込みを事前に質問しておきましょう。
⑧引き渡し証明書
売主・買主最後に問題がなかったら、
引き渡し証明書を記載して、完了です。
最後は司法処理が抵当権抹消の抹消・移転登記などの手続きで法務局などに足を運びます。
※売主銀行に抹消書類を取りに行くケースもあります。
⑨権利証いつ届く?(おまけ)

権利書を今日中にもらえると思ったら、
司法書士さんが持ってかえっちゃった!

司法書士は、決済完了し、
当日中に登記手続きをします。
ちなみに、10日~14日後に、
買主さんの指定住所に新しい権利書が届きますよ。
買主様で「いつ届くのか心配」な場合、
司法書士さんに問い合わせください。
決済日のトラブル防止注意点

「決済日だったのに、決済できなかった」
無用なトラブルに巻き込まれないために、注意点を解説します。
売主側トラブル
まずは、売主側の引渡しができなかったトラブルです。
①印鑑証明書が有効期限切れ(3か月超)

印鑑証明って有効期限あるの?

3か月以内です。
ちなみに住民票なども同様です。
対策は、急いで役所やコンビニで取得しましょう。
証明書の種類 | 手数料 |
---|---|
住民票の写し(謄本・抄本) | 200円 |
印鑑登録証明書 | 200円 |
戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)・戸籍個人事項証明書(戸籍抄本) | 350円 |
戸籍の附票の写し(謄本・抄本) | 200円 |
所得証明書 | 200円 |
課税証明書 | 200円 |
コンビニはマイナンバーカードがあれば、証明書の発行が可能です。
②印鑑間違い
「銀行印と間違えた」
「認印と実印を間違えて持ってきた」
などの、印鑑間違いのケースです。

自宅へ戻るか、もしくは、
最初から全部の印鑑を持ってきましょう。
③権利証(登記済証・登記識別情報)間違い
「違う土地の権利書をもってきた」
「違う部屋番号のマンションの部屋の権利書をもってきた」
地主さんや投資家など、
複数の権利書を所有している場合があります。

間違いがないか、仲介業者か、前日に司法書士に
画像をメールで送り、確認してもらいましょう
司法書士によっては、前日受取に来る人もいるようです。
④登記簿の住所・氏名と印鑑証明書の住所・氏名が異なる
「引っ越しを繰り返した」
「結婚、離婚して名字が異なる」
といった場合、
登記簿の住所氏名と、実際の印鑑証明書の住所氏名が異なります。
登記簿上の住所から1回引越しなら、住民票で確認OK
しかし、2回以上あちこち引っ越しをしていると、戸籍の附票が必要です。

戸籍の附票の保存期間は150年間です。
しかし令和元年前は5年のみでした。
また、地名や地番が異なっている場合
住居表示実施証明書や地番変更証明書が必要です。
実施前:〇市○区○○町187番地6
実施後:〇市○区○○町一丁目187番地6
買主側トラブル
買主側のトラブルはほとんどないですが・・・よくトラブルが1つあります。
お金が足りない
「2500万円実行されて、500万円親から借りる予定だった」
「前日になって、親が貸せない!と言い始めた・・・」
買主側の資金計画の甘さで、支払ができなくなった・・・
などです。

お金が用意できないと、違約解約になる可能性があります。
事前に不動産会社へ資金計画について相談しておきましょう
共通のトラブル
住民票を発行するとき
・マイナンバーの記載あり
・マイナンバーの記載なし(←こちら)
記載なしを選びましょう。

マジックで黒塗りにすれば問題ないんじゃないの?

黒塗りにすると、正式な原本として認められなくなります。
個人番号(マイナンバー)について
平成28年1月から個人番号(マイナンバー)の利用が開始されていますが、
不動産登記の手続においては個人番号を利用することはできません
(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27条)第19条「特定個人情報の提供の制限」参照)。
そのため、不動産登記の申請には、個人番号の記載がない住民票の写し等を添付してください
(個人番号の記載がある住民票の写し等は添付しないでください。)
※法務局公式サイトより
まとめ

【決済の場所】
買主側の金融機関が一般的
【集合日時について】
平日の午前中
【参加者は誰?】
登場人物全員+司法書士
【不動産売買の決済日当日の流れ】
①指定の金融機関に集合
②あいさつ
③書類確認
④金銭の振り込み
⑤領収書の授受
⑥書類や鍵など引き渡し
⑦報酬の支払い
⑧引き渡し証明書
⑨権利証いつ届く?(おまけ)
【決済日のトラブル防止注意点】
・売主側トラブル
①印鑑証明書が有効期限切れ(3か月超)
②印鑑間違い
③権利証(登記済証・登記識別情報)間違い
④登記簿の住所・氏名と印鑑証明書の住所・氏名が異なる
・買主側トラブル
お金が足りない

不動産売買の決済・引き渡し日の流れ&持ち物について
お悩みのあなたへお役に立てれば幸いです。
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