物件状況報告書って何?

物件状況報告書って何?
何を書けばいいの?
物件状況等報告書は物件の状況を買主さんに報告する書類です。

例えると、健康診断に似ています。
メタボ気味なのか、尿酸値が高いのか?
胃腸にポリープがないのか・・・・
それと家に置き換えると・・・
「シロアリはいないか」
「雨漏れはないか?」
など家の健康状態を買主に伝える書類です。
①マンション用②戸建(土地含む)用の
「2つのフォーマット」があります。
<書き方の参考先>
国土交通省の記入注意点について
区分マンション用の物件状況等報告書
→区分マンション用の物件状況等報告書はこちら
①雨漏れ
②シロアリ
③専有部分の壁や柱の腐食、穴、亀裂、汚損など
④給排水管の故障
⑤改築や用途変更
⑥火災歴(ボヤ含め)
⑦漏水の被害
⑧土壌汚染
⑨電波障害
⑩浸水の被害
⑪近隣の建築計画
⑫騒音・振動・臭気など
⑬周辺環境・施設(ごみ収集所、処理場、暴力団、反社会勢力の事務所、墓地など)
⑭過去の事件事故(心理的瑕疵)
⑮近隣との申し合わせ
⑯その他
【管理組合】
・管理費
・修繕積立金の変更予定、滞納状況
・大規模修繕の実施時期、予定されている修繕工事の状況
・自治会費等
・管理組合での討議事項
・売買物件の資料一覧など(住宅性能評価書など)
戸建・土地用の物件状況等報告書
→戸建・土地用の物件状況等報告書はこちら
①雨漏れ
②シロアリ
③壁、柱の腐食、穴、亀裂、汚損など
④給排水管の故障
建物の傾き
⑤改築や用途変更
⑥火災歴(ボヤ含め)
・境界について
・塀やフェンス擁壁など
・境界について
・地面の沈下、軟弱など
・地中埋設物
・土壌汚染
・アスベスト使用歴
⑨電波障害
⑩浸水の被害
⑪近隣の建築計画
⑫騒音・振動・臭気など
⑬周辺環境・施設
(ごみ収集所、処理場、暴力団、反社会勢力の事務所、墓地など)
物件状況報告書は誰が作成?いつ記入?

物件状況報告書は売主が作成(※フォーマットあり)し、
①媒介契約時に下書き(90%完成度)
②売買契約の1週間前あたりに正書します。
ちなみに、仲介業者は記載せず、
「売主様」が手書きで自書します。
売買契約時に
①重要事項説明書(契約日前の説明は除く)
②売買契約書
③物件状況報告書
④付帯設備表(「なし」の場合もあり)
売買契約時に「買主に説明し、買主は説明をうけました」の
同意の署名&捺印をします。
※原本は買主 コピーは売主へ
物件状況報告書の注意点:質問Q&A

物件状況報告書の注意点について
よくある質問Q&Aを解説します。
Q:物件状況報告書と重要事項説明は何が違う?
■物件状況報告書は
①売主が作成②買主に説明
③内容:物件の現状を伝える
■重要事項説明書
①宅建士が作成②買主に説明
③内容:物件取引の法的情報・物件情報、条件を伝える

重要事項説明書は売主に交付&説明の義務はありませんが、
「条件のすり合わせ」で打ち合わせをし、
交付する業者さんが多いです。
Q:物件状況報告書の書き方の注意点は?
<建物>
・雨漏れ:あった→①場所、修理工事歴の有無
・シロアリ:防蟻処理歴があれば・石綿(アスベスト):可能であれば、ハウスメーカーに聞いてください。 ※80年代~94年ごろのスレート屋根は危険!・給排水管の漏水:水を止めて、メーターが動いていると「漏水」の恐れあり
・増改築、リフォーム履歴:有り、の場合、分かる範囲(時期、箇所、金額)でご回答願います。
<土地>
・境界確定の状況、越境:「ブロック塀の所有者」がわかるとトラブル防止になります。・土壌汚染:工場やクリーニング店の跡地の場合、可能あり
・埋設物(※):井戸、浄化槽、昔の家の基礎など、ご存じの範囲で
※かなり重要です。
<周辺環境>
・振動、臭い:
例:北の道路がトラックの抜け道。夜でも騒音あり。
例:牛舎が南500メートルの位置にあり、臭い。お墓が近く、線香が臭う
・周辺環境に影響及ぼす施設:
例:ガソリンスタンド、工場、高圧電線、墓地、火葬場、
刑務所、宗教施設など
・近隣との申し居合わせ:
例:町内会、回覧板あり(月300円)※当番制です。
・浸水被害:
例:201×年×月に大型台風の影響で浸水被害あり(※床下浸水あり)
・事件、事故、火災:
例:20年前に前オーナー自Sあり、
車が玄関に突撃し運転手死亡歴あり、
隣家の火事で北側の外壁全体が焼けこげた・・・など

弊社、リヤマ不動産の担当者と、
上記を確認しながら、すり合わせをします
Q:引き渡し後のトラブル例は?
区分マンションは少ないですが、
戸建&土地はトラブルが多いです。
以下、トラブル事例です。
①床を剥がしたらシロアリがいた(戸建)
物件状況報告書にシロアリ害「発見していない」チェックし引渡し。
引き渡し後、買主がリフォームで床を剥がしたら、
シロアリがいた。

仮に契約不適合責任免責だとしても、
「免責がなくなる」かもしれません。
※売主が知っていたか/どうか?が論点で、
最終的に司法が判定します。
②水道菅の水漏れ(戸建)
物件状況報告書に水道管の故障「発見していない」とチェックを
して引渡し。
※引き渡し後、水漏れが発覚した。
③落下事故(マンション)
マンションの「専有部分」では死亡事故無のため、
事件事故→無とチェック。
しかし、共有階段から子供が落下した
死亡事故が引渡し後に判明した、など

マンション共有部の落下(事故や飛び降り自〇)は、
心理的瑕疵に該当しません。
しかし、引き渡し後のトラブルになる確率が高いです。
後で判明するため、
事前に買主へ伝えておきましょう
Q:物件状況報告書に申告していれば問題ない?
物件状況報告書に
「シロアリあり」「雨漏れあり」「落下事故あり」と記載していれば、
契約不適合でなくなります。
※契約不適合
◇報告書:シロアリいない
↓
×引き渡し後:シロアリがいた→契約に適合しない
という意味。

例えば中古PCを購入前に
「電源入らず、動作確認できず」
「ジャンク品5000円」
と記載があれば、返品はできませんよね。
逆に「動作します」と記載してあって、
PCが動作しなければ、契約不適合です。
Q:契約不適合免責で「不具合を知らなったら補償?」

シロアリがいるなんて、知らなかった・・・
以下、契約不適合責任免責で契約後、
不具合が見つかった例です。
①シロアリは知らなかった
目と耳が悪いおじいちゃんが「シロアリはわからない」と
物件状況報告書にシロアリ発見していない、とチエックし、
引き渡しをしたと仮定します。
引き渡し後、買主が床を剥がすと

「シロアリがいる!」
「売主さんは知っていたでしょ!」
と、駆除料金20万円を請求してきました。

売主のおじいちゃんが「実は知っていた」ことを
買主様が証明する必要があります。
判断が難しいケースです。
<トラブル防止策はある?>
引き渡し後の防止策は事前に、
仲介業者がシロアリ業者、
インスペクション業者(建物状況調査)に
点検を依頼することしかありません。
※インスペクションでも
全てわからないケースがあります。
②雨漏れを知らなかった
売主が「雨漏れなし」物件状況報告書に記載したのに、
引き渡し後すぐに雨漏れが発覚。
買主が業者に調べてもらうと
「1年以内に修理した跡がある」と判断。
この証拠を突き付ければ、知らなかったは通用しないといえます。
③契約不適合責任なし、でもダメ?

契約不適合責任免責でも結局、
不具合が見つかったら、補償になるの?
売買契約の特約で契約不適合責任なし、
にしても意味がありません。
なぜなら「雨漏れがある」のに
「なし」と虚偽を伝えたため、
契約不適合責任なしの特約は無効です。

ただし、売主が知っていたことを証明する必要あり
【項目】 | 【内容】 |
契約不適合責任の免責 | 引渡し後に発見された物件の不具合などについて、 原則売主が責任を負わないとする契約条項。 |
物件状況報告書(告知書) | シロアリ・雨漏り・越境・近隣トラブルなど、 売主が知っている範囲の事実を報告する書面。 記載義務あり。 |
【売主に責任が残るケース】 | 【説明】 |
❌ 虚偽記載 | 売主が知っていた事実を「ない」として報告した場合は、 信義則違反や詐欺に該当する可能性あり。 |
❌ 告知漏れ(故意・重過失) | 重大なトラブルや瑕疵を「知らなかった」と していても、実際には知っていた場合。 |
✅ 正直に記載・「わからない」と明記 | 売主が知っていることを誠実に記載していれば、 基本的に責任は問われにくい。 |
まとめ

・物件状況等報告書は物件の状況を買主さんに報告する書類
・物件の健康状態の報告
・売主様が自書する(※フォーマットあり)
・媒介契約時に下書き(90%完成度)
・売買契約の1週間前あたりに正書
・虚偽を記載するとトラブルになる
・売買契約時に買主が原本、売主コピー
・物件状況等報告書&付帯設備表はセット
以上、物件状況報告書の記載について参考になれば幸いです。
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