
不動産を売ったら、どんな
税金がいくらかかって、どこには払うの?

今回は、不動産売却後の税金について
初心者の方にもわかりやすく解説します。
不動産売却にかかる税金一覧表
税金の種類 | 概要 | 計算方法 | 節税対策 |
---|---|---|---|
譲渡所得税 (所得税・住民税) | 不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課される税金。 | 譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用) 税額 = 譲渡所得 × 税率 ※税率: ・短期譲渡 (5年以下) 39.63% ・長期譲渡 (正月6回経過)20.315% | ・3,000万円特別控除(マイホームの場合) ・買い換え特例 ・譲渡損失の損益通算・繰越控除 |
印紙税 | 不動産売買契約書に貼付する印紙に課される税金。 | 契約金額に応じた印紙税額 (例:1,000万円超~5,000万円以下で1万円) | ・電子契約で印紙税不要 |
登録免許税 | 所有権移転登記や抵当権抹消登記にかかる税金。 | 固定資産税評価額 × 税率 (例:所有権移転登記は2%) | ・軽減税率の適用 (マイホームの場合、2026年3月31日まで) |
消費税 | 不動産仲介手数料や司法書士報酬など、サービスに対して課される税金。 | サービス料金 × 10% | ・個人間売買では消費税不要 |
備考
- 譲渡所得税の税率は、所有期間により異なる。
- マイホーム売却時の3,000万円特別控除は、居住用財産に適用可能。
- 節税対策は状況により適用条件が異なるため、
税理士や税務署へのご相談を
不動産売却でかかる税金の種類

不動産売却には以下の4つの税金が主に関係します。
譲渡所得税(所得税・住民税)

譲渡所得税って?

不動産を売って利益がでたら、
支払い所得税です。
🧸【たとえ話:ゆうたくんとロボットのおもちゃ】
以下、たとえ話です。
■ 1年前のこと
ゆうたくんは、おこづかいで 1万円のロボットのおもちゃを買いました。
■ そして今日
そのロボットが人気になって、なんと3万円で売れました!
■ ゆうたくんのもうけ
ゆうたくんはこう思いました:
「1万円で買ったのに、3万円で売れた!2万円もうかったぞ~!」
■ そこにやってきたお父さん
お父さんが言いました。
「よかったね。でもね、“もうけ”には“税金”を払わないといけないんだよ。」
■ これが「譲渡所得税」
「買ったものを高く売ってもうけが出たときに、その“もうけ”にかかる税金」のことです。
■ ゆうたくんの場合
- 買った値段:1万円
- 売った値段:3万円
- もうけ:2万円 ←「譲渡所得」
この2万円に対して、税金が発生します。
✅ポイントまとめ
ことば | わかりやすく言うと |
---|---|
譲渡(じょうと) | 物を売却すること |
所得(しょとく) | もうけたお金 |
譲渡所得税 | 売ってもうけたお金にかかる税金 |
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所得税と住民税が課されます。
売却価格から取得費(購入時の価格や諸費用)や譲渡費用(仲介手数料など)を
差し引いた金額が課税対象となることを強調します。
例:マンションを売った場合
・譲渡所得 = 売った金額 -(買った金額 + 費用)
・譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率
項目 | 説明 |
---|---|
売った金額 | マンションを売ったときの価格(=譲渡価格) |
買った金額 | 昔そのマンションを買った価格(=取得費) ※建物は減価償却が必要 |
費用 | 仲介手数料、登記費用、リフォーム費用の一部など |
税率 | 所有期間により変わる(下記参照) |
所有期間 | 税率の目安(合計) |
---|---|
5年以下(短期) | 約39% |
お正月を6回経過(長期) | 約20% |
【簡単な事例】
- 売った金額:3,000万円
- 買った金額:2,000万円
- 譲渡費用:100万円
- 所有期間:7年(長期)
□3,000万円 -(2,000万円 + 100万円)= 900万円
→900万円 × 20.315% ≒ 約183万円

わかりやすく説明するため、
3000万円控除や減価償却は使いませんでした。
<具体的な計算方法>
→中古戸建(※土地付き)の売却計算はこちら
→マンション売却計算はこちら

もし、損をしたら?

譲渡税はかかりません。
ただし、念のため、確定申告はおすすめします。
「居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除」という制度
が適用できる場合は、申告しましょう。
※詳細は税務署、税理士さんに
印紙税
契約金額1,000万円超~5,000万円以下なら
1万円、5,000万円超~1億円以下なら3万円です。

売買契約書に貼り付けます。
売買契約書は2枚同じものを記載し、収入印紙を貼り付けます。
ちなみに、売主側が「契約書はコピーでいい」のであれば、不要です。
また、電子契約であれば、印紙代はかかりません。
登録免許税
売主側で負担する登録免許税は「抵当権抹消登記」が多いです。

銀行に人質を取られています。
抵当権抹消をすることで、買主に所有権を移転できます。
売却物件 | 不動産の数 | 登録免許税 | 合計費用の目安 (税+報酬) |
---|---|---|---|
戸建て | 土地+建物=2件 | 2,000円 | 約7,000~17,000円 |
分譲マンション | 通常1件 | 1,000円 | 約6,000~16,000円 |

抵当権の設定がない場合は?

抹消済みだったり、最初から現金買いで未設定の場合は、
費用はかかりません。
消費税
個人間売買では不動産本体に消費税はかかりません。
事業者が売主の場合(例:不動産会社が売却する新築物件)は課税対象となります。
税金の支払時期

譲渡所得税
譲渡所得税はいつ払う?
譲渡所得が発生した場合、
翌年の2月16日~3月15日の確定申告期間に申告・納付します。
※2025年に売却した場合、2026年の確定申告で納税

「3000万円控除」があるから、納めなくてもいい。
と勘違いする人がいます。
控除は申告することで、有効になるため、
必ず確定申告をしてください。
印紙税
いつ払う?
→売買契約書作成時に印紙を貼付し、契約締結時です。

気の利く業者さんなら、
収入印紙を用意してくれます。
※その場で現金と交換してください。
登録免許税
登録免許税はいつ払う?
売主側は抵当権抹消のケースが多いため、決済日です。
税金の金額(計算方法と具体例)

譲渡所得税
計算方法
譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)
税額 = 譲渡所得 × 税率(短期:39.63%、長期:20.315%)
具体例
マイホームを5,000万円で売却、取得費3,000万円、
譲渡費用(仲介手数料等)200万円、所有期間10年(長期譲渡)の場合:
- 譲渡所得 = 5,000万円 – (3,000万円 + 200万円) = 1,800万円
- 3,000万円特別控除適用後:1,800万円 – 3,000万円 = 0円(課税対象なし)
- 控除適用がない場合:1,800万円 × 20.315% = 約365.7万円
印紙税
契約金額に応じた税額(例:5,000万円の売買契約なら1万円)。
※電子契約なら0円
計算方法
固定資産税評価額 × 税率(例:所有権移転登記2%、軽減税率0.3%)。
具体例:評価額3,000万円のマイホームで軽減税率適用なら、3,000万円 × 0.3% = 9万円。
税理士の視点:軽減税率の適用条件(居住用、床面積50㎡以上など)を確認します。
税金の納付先

譲渡所得税
譲渡所得税はどこに払う?
税務署(所得税)と市区町村(住民税)。
確定申告後に納付書が送付され、銀行やコンビニ、または税務署で支払います。
※e-Taxでの申告・納付も可能
印紙税
印紙税はどこに払う?
契約書に印紙を貼付し、税務署に間接的に納付。
※印紙は郵便局やコンビニで購入可能です。

高額な収入印紙は郵便局がおすすめ
登録免許税
登録免許税はどこに払う?
→法務局(登記手続き時に司法書士が代行)。
まとめ

税金の種類 | 概要 | 計算方法 | 節税対策 |
---|---|---|---|
譲渡所得税 (所得税・住民税) | 不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課される税金。 | 譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用) 税額 = 譲渡所得 × 税率 ※税率: ・短期譲渡(5年以下) 39.63% ・長期譲渡(正月6回経過)20.315% | ・3,000万円特別控除(マイホームの場合) ・買い換え特例 ・譲渡損失の損益通算・繰越控除 |
印紙税 | 不動産売買契約書に貼付する印紙に課される税金。 | 契約金額に応じた印紙税額(例:1,000万円超~5,000万円以下で1万円) | ・電子契約で印紙税不要 |
登録免許税 | 所有権移転登記や抵当権抹消登記にかかる税金。 | 固定資産税評価額 × 税率(例:所有権移転登記は2%) | ・軽減税率の適用 (マイホームの場合、2026年3月31日まで) |
消費税 | 不動産仲介手数料や司法書士報酬など、サービスに対して課される税金。 | サービス料金 × 10% | ・個人間売買では消費税不要 |
支払いのタイミングと注意点
- 譲渡所得税:確定申告が必要。
特別控除も申告しないと適用されない - 印紙税:紙の契約書に貼付が必要。
電子契約なら貼らなくてOK - 登録免許税:抵当権抹消で費用発生。
抹消済なら不要
✅ まとめ
- 売却後に支払う税金は主に4つ。
- 譲渡所得税は利益に、所有期間や控除制度で大きく左右される。
- 印紙税と登録免許税は書類・登記手続きに紐づく税で、タイミングが決まっている。
- 消費税はサービスにかかるもので、不動産本体には課税されない
(個人売買の場合)。

不動産の売却で税金がどれくらいかかるのか?
疑問のあなたのお役に立てれば幸いです。
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