
戸建てを売りたいけど・・・
何を注意すればいいの?

中古の戸建て住宅を売却する際の
注意点を9つ解説いたします。
戸建て売却のための9つの注意点

①居住中VS空き家どっちで売る?

居住中だけど、引っ越して空き部屋にしたほうがいいかな?

結論、どちらでもかまいません。
ちなみに、買主様が自由に内覧がしやすい、
となると、
空き部屋のほうが気を遣わずに見学できます。
居住中のメリット・デメリット
戸建居住中での販売活動について・・・
<メリット>
①買主様に直接「物件の良さ」を伝えられる
対面でお迎えできるため、周辺環境や日当たりのよさ、
部屋の広さど魅力を伝えられます。
※逆に説明しすぎると、内覧者が怖がりますので、
ほどほどに・・・
<デメリット>
①売主様の準備が大変
「え?今週の土曜日に来るの?!早く掃除しないと」
と売主様や奥様の準備が大変です。
たった、5分だけ見て、
帰ってしまう内覧者もいるため、イライラします。
②生活感があり、部屋が狭く感じる
本箱、白物家電、テーブル、コップなど生活感満載です。
空室に比べて部屋が狭く見られてしまいます。
③内覧時、買主様が気を遣う
(収納の広さどれくらいかな。。。開けていいかな?)
と内覧者が売主様に気をつかいます。
近所にライバル物件があれば、そちらに流れてしまうリスクあり
④リフォーム業者を入れづらい
「クロスを交換したい」「洗面所とトイレはフルリノベしたい」
といったとき、リフォーム業者さんが見積もりに来ます。
売買契約後に引っ越し後ならいいですが、内覧時はかなり気をつかいます。

私はあちこち見られても気にしないから、
居住中で売ろうかな?

よほど状態が良く、
売り出し価格も適正なら問題ありません。
しかし、築が20年以上で、
高値で売りたいのであれば、空室がおすすめです。
中古戸建はリフォーム前提で購入する人が多く、
また、住宅ローンにリフォームをしたい方が多いです。
住宅ローン審査前にリフォーム見積が必要なので、
内覧時、協力できるのであれば、問題ありません。
空き家のメリット・デメリット
次は空き家にするメリット・デメリットを解説します。
<メリット>
①自由に見学
空き家のため、収納や引き出し、お風呂。
トイレを自由に見学できます。
見学が自由になれば、印象がよくなり、
購入しやすくなります。
②リフォーム見積が自由
居住中で、業者見積が入ると、
かなり気を使い、購入意欲がそがれます。
しかし、寸法も図りやすく、水回りもチェックしやすいため、購入意欲が増します。
③部屋が広く感じる
空室で荷物がないため、
部屋が広く感じ、印象が良くなります。
④聞きづらいことも聞きやすい
売主様に遠慮して、聞きづらいことが、
空室の場合は、心理的なハードルが下がり、
積極的になりがちです。
<デメリット>
①キズ・汚れが目立つ
室内ががらんとしており、
居住中の時の家具やカーペットなどがありません。
そのため、床のキズ・壁の汚れ、凹みが目立ちやすい、といえます。

空室は、仲介業者も、
買主様も気をつかわないため、気軽に見学できます。
「適切な金額で、早めに売りたい!」のであれば、
やはり空室がおすすめです。
②リフォームしないで売るVSリフォームして売る


クロスの汚れがひどし、
洗面台も汚れがひどい・・・
高く売るには、リフォームしてから売却がいい?
中古の戸建て住宅でよくある
「リフォームする/しない」で売るか論争です。
リフォームするメリット・デメリット
<メリット>
①印象が良くなる
クロスも老朽化してボロボロな状態よりも、奇麗なほうが印象が良くなり、
購買意欲が増します。
②営業しやすい
「トイレをフルリフォームしました」と資料作成の際、売りにしやすい
<デメリット>
①リフォーム費用分がプラスになるとは限らない
例えば1800万円で売ろうとし、
リフォームで+200万円かけました。
それが2000万円で売れるかどうかは・・・わかりません
②買主は「自分でリフォームをしたい」
売主側のリフォームが、買主によって好みかわかりませんし、
「本体を値下げいただければ、自分でリフォームします」
という買主さんが多いです。
③時間がかかる
リフォーム規模によりますが、
売却スタートまでに時間がかかります。
また、居住中の場合、
リフォームしながらですと、かなり窮屈です。

当社は結論からいうと、リフォーム不要論者です。
時間がかかり、
かけた分売却価格に上乗せできるとは限らないからです。
それなら、
お安くして早めに売却した方がよい、と考えます。
リフォームしないメリット・デメリット
<メリット>
①リフォーム費用がかからない
②本体価格を安く提供しやすい
※現状有姿や契約不適合責任免責など
<デメリット>
①印象が悪くなる
→リフォームすればきれいになる、
というトークがあれば問題ありません
その分価格を値下げすれば、
売りやすくなります。
③高値設定は危険?!
近年、不動産の一括査定の悪影響で
「ありえない価格」で戸建てが売りに出されています。
例えば、相場が2000万円を2400万円で売却できる!
という業者もいます。

でも、高く売りたいし・・・
2400万円で売れるんでしょ?

買取店でしたら、それで問題ありません。
しかし、仲介業者は「買主を探す仕事です」
その人が
相場より高い値段買う理由はなんでしょうか?

うーん、お金持ちとか?
情報弱者の人とか?

スマホがない時代なら理解できます。
ですが、現代はスマホで相場がすぐに判明し、
「2000万円が2400万円?」
「リフォーム済みじゃないのになぜ?」
と買いません。
また、金融機関が担保評価の問題で、
ローン減額の可能性があります。
また、特に地方の中古戸建の市場は冷え切っているため、
お財布のひもが固いです。
ある程度、高値設定は理解できますが、
ほどほどをおすすめします。

逸脱した価格で戸建てを売りに出す場合は、
相当の覚悟をもって、売却に挑みましょう。
④戸建の持ち分など権利

戸建は「夫婦や親子で持ち分比率別」に保有していたり、
土地だ所有者が別人というケースがあります
土地の権利が別人の場合
息子さんが戸建ての売主で、
お父さんが土地の売主の場合。
土地の所有者が別人のため、
自宅だけの売却ができません。

ただし、親子でお互いの同意すれば、売却できます。
買主側の立場だと、
住宅ローンの融資審査が名義が異なるため難しくなるかもしれません。
※土地だけのローンは組めないため
共有持ち分はトラブル多い?
①夫婦で戸建と土地を1/2ずつ所有している
②相続で兄弟二人で1/2ずつ戸建てを所有しているなど
法律上、戸建ての共有持分は単独で売却できますが、
他の共有者が「勝手に売った!」とトラブルになります。

共有持ち分の戸建てを売却するなら、
全員の同意をもらって、
家全体を販売する方法がおすすめです。
ちなみに、
買主Cさんが
A・B共有の戸建てのA持分のみを購入する場合は、
住宅ローンは出ません。
⑤建物状況調査のあっせん


建物の状況調査って必要なの?

マンションはあまり意味がありません。
しかし、
中古の戸建て住宅は建物状況調査をおすすめします。
媒介契約の際、不動産担当に
「建物状況調査を実施する者のあっせん」
について説明があります。
簡単に言うと
「建物の状況調査をするプロを紹介しましょうか?」という意味です。

ふーん。
紹介されたら、絶対に調査依頼しないとダメ?

業者を紹介して、話を聞いたけど、やっぱりやめた・・・
はありです(※申し込みの強制はしません)
ちなみに、
説明の際「建物状況調査のあっせん「無」」を選択した場合は
理由が必要です。
<あっせん無の理由>
①居住中で他人に家をあちこち見られたくない
②問題が見つかって、値段が下がるリスクが怖い
③丁寧に自宅を使ってきた自信があるから不要
④自分で業者を探してくる
⑤即決できない

よくある断り理由は、問題が見つかって値下げ交渉に使われるから、です。
問題が見つかれば、
補修やリフォームが必要になるかもしれません。
修繕しない場合は「値下げ」となると怖くて調査ができない、
という考えの人が多いですね。
建物状況調査報告の費用ですが、
マンションは7万円~戸建ては10万円~です。
時間はマンションは2時間程度、戸建ては3時間~5時間程度です。
3か月の契約不適合なら、調査はおすすめ
契約不適合責任免責が難しく、
通常の3か月保証の場合、
戸建ての調査はおすすめです。
<よくある問題点>
・床下のひび割れ
・シロアリの蟻道や食い散らかした跡
・屋根裏の雨漏れ
・外壁のクラック
・コーキングの硬化
・床の不陸

あまりにも問題個所が多い場合は、
解体更地で引き渡す方法もあります。
どちらにせよ、不動産営業マンと相談の上、売り方を決めましょう。
⑥契約不適合責任「免責」について
売買契約は引き渡し日から3か月間は、
売主が責任をもって修繕してくれます。
※構造耐力上主要な部分や雨漏り、シロアリなど
※設備は1週間が多いです。

なるほど・・・
でも中古戸建って売却した後、
何かあったら怖いな
そこで、売買契約の特約で
「契約不適合責任を免責にする」ことができます。
つまり、契約したあとに欠陥が見つかっても、
売主は保証責任を負わない特約です。

買主さんからすると、(心配だな・・・)と
ネガティブになります。
マンションは問題なく売れますが、
戸建てはやや値下げをするケースもあります(※)
※物件の市場価値による
ちなみに、当社は契約不適合責任免責の対応は可能です。
⑦残置物

戸建てのよくある残置物を以下です。
- 本棚
- タンス
- テーブル
- ソファー
- エアコン
- 照明器具
- カーテン一式
- 家具家電
- 物置・倉庫など
- 松の木など
- 岩

リスト化すると、
残置物ってたくさんあるわね。

洋服まで含めて、
戸建てを処分する場合は、
買取店にまとめて買ってもらう方法もあります。
<人気の残置物は?>
①エアコン
②カーテンレール&カーテン
③テーブル(ダイニングなど)
④TV台
⑤照明器具
⑥物置・倉庫など
上記は、購入すると50万円~100万円かかるケースもあります。
またカーテンは新調しても、時間がかかるため、
古いカーテンをそのまま利用したい買主さんが多いです。
⑧買い替え特約


引っ越し先のマンション契約
をしたいんだけど、
今住んでいる戸建てが売れなかったら、
どうなるの?

戸建が売れないと、ダブルローンになったり、
手付解約や違約解約になる恐れがあります。
そのため、
買い替え特約を引っ越し先の売主様と相談しましょう。
買い替え特約は、新居への買い替えの時、
旧住所の自宅が売却される前に、新居の購入契約で付ける特約です。
例「所有戸建てが、○月○日までに○○万円以上で売却できない場合には、
マンションの購入契約を白紙解除し、
支払った手付金も利息なしで買主へ返却する」
という優れものです。

買主側に都合の良すぎる契約なので、
断られるケースがあります。
そのため、
価格設定と特約の期間を吟味してから、交渉しましょう。
⑨税金関係

税金については、
基本、税理士さんや税務署に問い合わせを
お願いしております。
譲渡所得税を計算
譲渡所得 = 譲渡収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)
課税譲渡所得 = 譲渡所得 − 特別控除

戸建を売却したら、
全部自分のお金にならないの?
譲渡所得って、税金かかるんだ・・・

残念ながら、
税金が発生する場合があります。
簡単に言うと、購入額 < 売却額の場合、
税金が発生する可能性があります。
取得した金額が不明な場合

戸建の契約書は・・・あった!
3000万円で家を購入したよ
でもなかったらどうなるの?

取得した金額が不明な場合は売買価格の5%
例えば、2000万円で売るなら100万円が取得金額です。
③特別控除や税制優遇を調べる
家の住み替えの場合は、特別控除が出る場合があります。
1. 譲渡所得の3,000万円特別控除の条件
(※売却益から最大3,000万円まで控除)
- 居住用財産の売却であること(マイホームを売却)
- 住まなくなってから3年目の12月31日までに売却
- 過去にこの特例を使っていないこと(2年以内)
- 売却相手が親族や特別な関係者でないこと
- 事業用・貸付用に使っていない部分であること
- 建物と土地両方を所有していたこと
- 確定申告が必要
2. 特定居住用財産の買換え特例(譲渡益課税の繰り延べ)
- マイホームの買い替えであること
- 旧住宅の所有期間が10年以上
- 新しい住宅の敷地面積が500㎡以下
- 売却価格が1億円以下であること
- 売却から1年以内に新しい住宅を取得し、住み始めること
- 買い換えた住宅が自己の居住用であること
- 売却相手が親族などでないこと
- 3,000万円控除などの他の特例と併用できない
✅ 注意点
- 「3,000万円特別控除」と「買換え特例」は併用不可です
(どちらか一方を選ぶ)。 - 所得税・住民税の軽減効果が異なるため、
売却益の大きさや買い替え先の有無によって選択を
検討する必要があります。 - 確定申告が必須です
(使う場合は税理士相談がおすすめ)。
まとめ

<居住中と空き家の状態で売却する際のメリット・デメリット比較>
メリット | デメリット | |
居住中 | ・家具があることで生活イメージが伝わりやすい | ・内覧対応が手間(スケジュール調整や片付けが必要) |
・定期的な管理・清掃が可能 | ・生活感が強すぎると印象が悪くなることも | |
・空き巣被害や破損のリスクが少ない | ・プライバシーの確保が難しい | |
空き家 | ・内覧の自由度が高い(時間の融通が利く) | ・空き巣や劣化のリスクが高い |
・いつでも引き渡し可能で買主の印象が良い | ・定期的な換気・掃除など管理コストが発生 | |
・荷物がないため広く見える | ・家具がなくイメージが伝わりづらい |
<リフォームして売るVSしないで売る比較表>
リフォームしないで売る | リフォームして売る | |
初期コスト | ほぼゼロ(クリーニング程度) | 数十万~数百万円の出費が必要 |
売却価格 | 相場よりやや低くなる傾向 | 相場~高めの価格で売れる可能性あり |
売却までのスピード | 価格設定次第で早く売れる可能性も | 高値を目指すと売却に時間がかかることも |
買主の自由度 | 好みに合わせてリノベーションできる | リフォーム済みのため変更がしづらい |
トラブル回避 | 瑕疵などがあればトラブルになる可能性がある | 修繕済みなので買主の満足度が高くトラブルが少ない |
広告の見栄え | 傷や古さが目立つことがある | 写真映えするため反響を得やすい |
需要層 | 自分で手を加えたい層(投資家・若年層) | 入居直後から住みたい層(ファミリー層など) |
売却戦略の柔軟性 | 買取業者やDIY希望者にも対応しやすい | 決まったターゲット層にしか響かないことも |
資金回収の可能性 | 低コストなのでリスクが少ない | リフォーム費用を価格に上乗せできるとは限らない |
時間と手間 | 手間がかからない | 業者選定や工期、監督などの手間が発生 |
中古戸建の売却で失敗したくない!
あなたのお役に立てれば幸いです。
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