空き家は「仲介」と「買取」のどちらが高く売れる?
空き家や古家付き土地を売却する場合、一般的には「仲介」のほうが高値を狙いやすく、「買取」のほうが売却までの期間を短縮しやすい傾向があります。
ただし、すべての空き家で「仲介=高く売れる」「買取=安くなる」と決まっているわけではありません。
再建築の可否、接道状況、土地の形状、建物の状態、残置物、境界、相続登記の状況、埋設物などによって、仲介と買取のどちらが売主にとって有利になるかは変わります。
仲介が向いているケース
・できるだけ高い価格を狙いたい
・売却を急いでいない
・一般の住宅購入者にも売却できる物件
・建物を中古住宅として利用できる可能性がある
・販売活動に時間をかけられる
買取が向いているケース
・できるだけ早く現金化したい
・仲介で買主を探す期間を短くしたい
・古家や残置物をそのまま処分したい
・再建築不可、市街化調整区域など販売が難しい条件がある
・境界や建物の状態など、売却前の負担をできるだけ減らしたい
ただし、買取の場合でも、契約不適合責任が必ず免責されるとは限りません。
責任の有無や範囲は、売買契約書や特約の内容を確認する必要があります。
そのため、空き家売却では「仲介か買取か」を最初から決めるのではなく、同じ物件について仲介査定と買取査定の両方を比較することが重要です。
買取VS仲介
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 高値を狙いやすい | 仲介より低くなる場合がある |
| 売却期間 | 買主探しが必要 | 比較的短くしやすい |
| 内覧 | 原則必要 | 不要または少ない場合あり |
| 販売活動 | 必要 | 原則不要 |
| 仲介手数料 | 成約すれば発生 | 直接買取なら通常不要 |
| 残置物 | 処分が必要になる場合あり | そのまま相談できる場合あり |
| 古家 | 中古住宅・土地として販売 | 業者判断で活用・解体等 |
| 境界問題 | 条件によって調査が必要 | 買取業者との交渉次第 |
| 契約不適合責任 | 契約内容による | 契約内容による |
| 向いている人 | 高値重視 | スピード・手間軽減重視 |

実家が空き家なんだけど・・・
仲介と買取どっちがいいの?!
やり方は?
空き家など実家を売却する際、
あなたは「仲介 or 買取」か迷っているかもしれません。

①仲介業者で仲介で売るのか?
②買取店に買取してもらうのがいいのか?
まずは、結論を解説します。
<仲介>
→相場通りで売りたい&急いでいない人
・値段を重視する人
・売れるまで3か月以上かかっても問題ない人
<買取業者>
→安くなるが、1か月弱で急いで売りたい人
・安い
・契約不適合責任免責でトラブルなし
※買主がプロのため、アフタートラブルがない
・現金化のスピードが速い

高く売るなら原則として不動産仲介(※)がおすすめ!
後々面倒なことに巻き込まれたくないなら、買取がおすすめです。
※解体後の埋設物などのトラブルが多いです。
空き家を売却するならそのまま or 更地

空き家売却の際、一番の悩みが
①古家をそのまま売却するか
②解体更地で売るか
どちらかになります
空き家を現状有姿で売却する

<メリット>
・残置物も含め、そのままの姿で販売するため、手離れがいい
・庭、室内など掃除不要
・残置物(家具家電など)そのまま
・解体費用がかからない
<デメリット>
・価格が安くなります
現状有姿とは、「現在の状況のまま」という意味。
売買契約後に状況が変化しても、そのままという意味合いが強いです。
空き家売却でよく使われる「現状有姿」という言葉には注意が必要です。
現状有姿とは、基本的に物件を現在の状態で引き渡すという考え方ですが、現状有姿と契約不適合責任の免責は同じ意味ではありません。
例えば、「古家を現状有姿で売却する」と契約書に記載しただけで、売主の責任がすべてなくなるとは限りません。
契約不適合責任を免責する場合は、売買契約書の特約などで、どの責任をどこまで免責するのかを具体的に確認する必要があります。
特に、売主が把握している雨漏り、シロアリ被害、越境、埋設物などについては、告知や契約内容との整合性が重要です。
そのため、空き家を「そのまま売る」場合は、
①現状有姿なのか
②契約不適合責任を免責するのか
③売主が知っている不具合を何として告知するのか
を分けて確認することが重要です。

古家のため、
契約不適合責任免責にするケースが多いです。
面倒で空き家をそのまま売却するなら、買取がおすすめです。

空き家を解体更地で売却する

空き家を①解体→②更地→③引き渡して売却する方法です。
<メリット>
・解体前提のため、建物の不具合は無関係
・更地になるため、買主は新築のイメージがしやすい
<デメリット>
・解体費用がかかる
・解体→更地にすると固定資産税が最大6倍アップ
※売れないとダメージになる
1月1日以降に年内に引き渡しできれば問題なし

①解体更地後に、引き渡すか?
②引き渡してから更地にするのか?
当社の感覚ですが、
60:40でそのまま引き渡す人がやや多いです。
<買主様で解体してもらう理由>
①売主側で費用負担したくない
→100万円以上のお金がない
②ハウスメーカー提携の解体業者に依頼したほうが安心
③固定資産税がアップを防ぐため
買主様に値下げ交渉されますが、
解体費用の負担を考えると、そのまま引き渡しもありです。
また隣地との境界トラブルも多いため、
信頼できる不動産屋さんに調査をお願いしましょう。
不動産投資家に空き家を売却する

空き家を投資家が何に使うの?

家を貸して家賃収入を得る大家業です。
不動産投資家で、築古の空き家を狙っている人が多くいます。
ある程度ベテランさんに売却すれば、クレームはほぼありません。
<メリット>
・契約不適合責任免責を受け入れてくれるケースが多い
・細かいことは言われない
・家の解体は寂しい場合、大切に活用してくれる
<デメリット>
・値下げ交渉がキツイ
築年数によってベストな売却方法は?

築年数によってベストな売却方法を3パターンで分けました。
①新耐震(築40年以内)なら中古住宅
新耐震(1981年6月1日から建築確認)の空き家は、居住用での売却がおすすめです。
※リフォームすることで、再利用できる可能性が高い
→買取/仲介どちらの売却も可能
②旧耐震(1981年5月31日まで)なら更地土地
旧耐震の空き家は耐震性に問題がありますです。
(震度5程度の地震しか想定していない)
空き家の解体を前提に売却するか、投資家に売却しましょう。
→買取の方がややおすすめです。
③判断できない場合
リヤマ不動産に問い合わせを下さい、
アドバイスを聞くことで、新しい方法が見つかるかも?しれません。
空き家の売却にかかる費用と税金


空き家を売ると、
諸経費や税金はいくらかかる?
空き家の売却にかかる費用と税金について解説します。
仲介手数料
物件価格×3%+6万円に別途消費税がかかります。
例:1000万円なら39.6万円(税込み)

800万円以下の場合は、一定の要件を満たす場合
30万円+消費税です。
2024(令和6)年7月1日より仲介手数料の料率が改正され、
「物件売買価格が800万円以下の場合、最大30万円受け取ることができる」ことに変更
例えば、150万円の空き家でも、仲介手数料は最大33万円(税込)です。

税金
空き家売却にかかる税金の一般的な解説です。
※詳細は税務署・税理士さんに相談願います。
①譲渡所得税
例えば物件を500万円で仕入れて、700万円で売却すると200万円の利益がうまれます。
その利益に対して、譲渡所得税を課税します。

相続の場合、売買契約書など証拠がないと、取得費がわかりません。
5%ルールといって、
購入額(取得費)が不明の場合、売却額の5%を、取得費とみなして譲渡所得の計算するルール
例えば、700万円で売却すると、
取得費は5%で35万円です。

契約書以外で証拠になりそうなものがあれば、売却前に税務署に足を運んで、聞いてみましょう。
②印紙税
収入印紙は売買契約書に貼付する切手のような紙ぺらです。
売主・買主ともに「契約書の原本」が欲しい場合は、売主様もご負担となります。
※電子契約なら、売主&買主とも不要です。

③相続登記
親から相続した場合、登記が被相続人(親名義)のままのケースが多いです。
遺産分割協議書を作成し、
問題なければ、相続登記を済ませましょう。

原則として、売却・所有権移転に向けて相続登記を済ませる必要があります。
手続きは2週間~ほどかかります。
<相続登記はいくら?期間は?>
建坪28坪の古家+土地55坪の相続登記にかかる費用と期間
※ざっくりな計算です。
| 【概要】 | 【金額の目安】 | |
| 登録免許税 | 固定資産評価額 × 0.4%(不動産ごと) | 3万~8万円前後 |
| 司法書士報酬 | 書類作成・登記手続き代行 | 5万~10万円前後 |
| 戸籍・住民票・除籍謄本等 | 被相続人や相続人の調査・証明書類の取得費(1通~750円程度) | 5,000円〜1万円程度 |
| 郵送・交通・印紙等の実費 | 書類送付、印紙代など | 3,000〜5,000円程度 |
| 合計の目安 | – | 約10万〜20万円程度 |
| 【所要期間の目安】 | |
| 相続人調査(戸籍収集など) | 約1〜2週間 |
| 登記申請書作成・必要書類準備 | 約1週間〜10日程度 |
| 法務局への登記申請〜完了 | 約1週間〜2週間程度 |
| 合計期間の目安 | 約3〜5週間程度(1か月前後) |

解体費用(更地にする場合)

空き家を解体して更地にする場合、解体費用がかかります。
木造住宅は坪5万円ほどで、例えば建坪30坪なら150万円ほどです。

工事のやりやすさ、埋設物の処理、残置物の量など、金額差があります。

空き家売却の特例・控除や補助金の利用

空き家売却の特例・控除や補助金の利用について解説します。
①空き家解体の補助金
市町村長によります。
「〇〇市 解体補助金」で検索してみてください。
②居住用財産の3,000万円特別控除
マイホーム(居住用財産)を売ったときは、
所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。
これを、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。
居住していたが、
空き家になってしまった場合に適用されるケースがあります。

細かい条件は国税局のHPを必ず参照してください。
③相続空き家の3,000万円特別控除
空き家の譲渡所得について
条件を満たせば「3,000万円特別控除」に該当する可能性があります。
・昭和56年5月31日以前に建築された居住用家屋であること
・新耐震基準に適合する建物として売却するか、家屋を取り壊して土地だけを売却している※
・相続発生から売却までに居住、貸付、事業等に使われていないこと。
・相続発生から3年後の12月31までに売却している。
・売却価格が1億円以下である。
→国税局のチェックシートを活用してください

国税局のチェックシートを確認してください。
空き家を売却する際の注意点

空き家を売却する際の注意点をまとめました。
①売主が登記名義人か確認
空き家の売主名義が被相続人のままだと、引き渡しができません。
また、遺産分割協議が未完の場合、司法書士さんに相談し、
完成してから売買契約を締結しましょう。
②土地の境界に注意
相続の空き家の場合、
「お隣さんとの境界はどこか?」「ブロック塀はウチの所有物なのか?」
亡くなった親に聞くわけにいきません。
境界が不明瞭の場合、最悪「売買契約の特約」で売却することも可能です。

本来、境界の明示が必要ですが、
最悪の場合、売買契約の特約に以下を記載します。
<境界の非明示の特約>
買主は本物件土地に関し、売主が境界の明示を省略することを承諾の上、買い受けるものとし、将来本物件土地の面積、形状等に変化、差異が生じても、買主は売主に対して何らの異議を申し立てない。
田舎が遠方で境界立ち合いが面倒だったり、
安くてもいいから空き家を売りたいのであれば、買取店がベストといえます。

③土地の利用履歴に注意
空き家を解体後に「埋設物の責任問題など」が発生します。
※解体屋さんに質問をしたら3回に1回埋設物が見つかるようです。

私の自宅も解体したら、大量のビニール・土留めが発掘されました(汗)
別途5万円近くの出費は少し痛かったです・・・
私の自宅は昔「小さな池?」だったようで、
農家の人が大量にビニールハウスのビニール部分を勝手に捨てたようです。
空き家を売却する際、昔その土地に何が建てられていたのか?
ご近所さんに聞くとわかるかもしれません。
地図、空中写真閲覧サービスを利用してみてください。
宅建士が見る「仲介と買取」の判断ポイント

空き家の売却方法を決める際、私は「築年数」だけで判断しません。
実際には、次の項目を順番に確認します。
① 土地として需要があるか
駅距離、周辺環境、土地面積、形状、前面道路などを確認します。
② 再建築できるか
接道状況や都市計画法・建築基準法上の制限を確認します。
再建築できない、または建築に大きな制限がある土地は、一般の住宅購入者よりも投資家や不動産業者への売却が適している場合があります。
③ 建物を利用できるか
築年数だけでなく、雨漏り、シロアリ、傾き、設備、屋根・外壁などを確認します。
④ 解体した場合の費用はいくらか
建物を解体する場合は、解体費用だけでなく、残置物処分、ブロック塀、庭木、浄化槽、井戸、地中埋設物などの費用も考慮します。
⑤ 仲介と買取の「手取り額」を比較する
最後に、
「仲介で売れた場合の価格-売却費用」
と
「買取価格-買取時に売主が負担する費用」
を比較します。
この比較を行うことで、単純な査定価格だけでは分からない「本当に手元に残る金額」を判断できます。
空き家売却では、一番高い査定額を提示した会社を選ぶのではなく、「最終的にいくら手元に残るのか」で比較することが重要です。
空き家売却におけるよくある質問Q&A

空き家売却で
よくある質問をQ&A形式で解説します。
Q:どの不動産屋にお願いすればいい?
低価格の空き家は、調査・現地対応・販売活動などの業務負担に対して仲介手数料が小さくなりやすいです。
そのため、規模が大きめの会社などは取り扱わない場合があります。」
そのため、当社を含めた、
中小地場系の不動産屋さんがおすすめです。

仲介手数料の問題で、大手は手を出しづらいようです。
また、旧耐震の空き家は「契約不適合適任免責OKの業者さん」
にお願いしましょう
Q:空き家が売れる期間は?
値段や状態によります。
1か月で売れてしまうこともあれば、
1年以上空き家のまま放置・・・
ということもあります。
Q:売れ残りやすい空き家は?
相場より「高めの空き家」は売れ残ります。
また、土地の小さすぎたり、歪な場合も解体後を考えると、売れ残りやすいです。
空き家を買取してもらうとき、残置物は処分する必要がありますか?
買取業者との契約条件によっては、残置物をそのまま引き渡せる場合があります。
Q:相続未登記でも売れる?
売れます。
ご両親の名義のまま、何十年も空き家を放置して、ご売却のケースは当社も何度も担当しております。

決済&引き渡しまでに相続登記が必要です。
相続人が2人くらいで、遺産分割協議書に問題がなければ
3週間もあれば相続登記が完了します。
ケースによっては1/2ずつなど持ち分比率が変更になるケースがあり、
その場合は、売買契約前に相続登記が必要です。
※ケースにより、柔軟に対応致します。
Q:建物が未登記でも売れる?
売れますが、注意が必要です。
①解体前提で売る→問題なし
②引き渡し→リフォームして居住する人に売る
→表題登記、保存登記が必要
ケースによるため、ご相談いただけると幸いです。
Q:再建築不可でも売れる?
空き家の値段によりますが、売れます。
特に、不動産投資家さんは再建築不可でも積極的に買ってくれます。
Q:市街化調整区域でも売れる?
市街化調整区域でも売却は可能です。
しかし、使用用途(※賃貸NG)や再建築可/不可について、不動産屋さんとよく相談してから売りましょう。

まとめ

〇買取VS仲介どっち?
・高く売るなら「仲介」
・面倒なことに巻き込まれたくないなら「買取」
〇空き家を売却する3つの方法
①空き家を現状有姿で売却する
②空き家を解体更地で売却する
③投資家に売却する
| 解体更地で引き渡す | 建物付きで引き渡す | |
| ✅ メリット | 買主の自由な建築計画が立てやすい | 解体費用が不要 (売主負担減) |
| 空き家の印象悪化を回避できる | 面倒な手間をカットできる | |
| 瑕疵リスクを排除できる | 固定資産税が軽減されたまま (住宅用地特例) | |
| ⚠️ デメリット | 解体費用がかかる (100万~200万円前後) | 買主が嫌がるケースもあり |
| 固定資産税が 更地になると上がる | 買主が自分で解体する必要がありコスト負担増 | |
| 引き渡しまでに時間がかかる | 家があると、成約になりづらい | |
| 売却のしやすさ | 有利 (早期売却が期待) | 住宅として使う人には有利 |
| 資産価値への影響 | 更地評価のみ (建物価値なし) | 建物に価値があれば 上乗せ可能 |
| 解体タイミング | 売主が引き渡し前に解体 | 買主が購入後に解体 |
| 買主の負担感 | 減少 (解体済みで手間が省ける) | 増加 (解体費用・手配が必要) |

古家付き土地(空き家)を高く売るための
あなたのお役に立てれば幸いです。



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