一般媒介VS専任媒介どっちが損しない?
一般媒介 | 専任媒介 | |
定義 | 複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約。 売主が自由に業者を選べる。 | 1社の不動産会社にのみ仲介を依頼する契約。 他社との同時契約は不可。 |
契約の縛り | 縛りなし。 売主が自分で買主を見つけることも可能(自己発見取引可)。 | 1社のみと契約。 自己発見取引は可能だが、専任業者を通す必要がある場合も。 |
契約期間 | 法的な制限なし(通常3~6ヶ月)。自由に設定可能。 | 最長3ヶ月(宅建業法) 更新可能だが、3ヶ月ごとに再契約が必要。 |
報告義務 | 不動産会社に報告義務なし。進捗は売主が自ら確認する必要がある。 | 不動産会社は2週間に1回以上、売却活動の進捗を売主に報告する義務がある。 |
レインズ登録 | 登録義務なし。 業者によってはレインズ(不動産流通機構)に登録しない場合も。 | レインズへの登録が義務 (契約後7日以内) 情報公開が広く行われる。 |
メリット | 複数の業者に依頼でき、競争により売却チャンスが増える可能性。 | 業者が専属で動くため、積極的な販売活動が期待できる。 |
自由度が高い。 | レインズ登録で広く情報公開。 | |
デメリット | 業者のモチベーションが低い場合がある。 | 1社に限定されるため、業者の能力に依存。 |
進捗管理が売主の負担に。 | 契約期間中の変更が難しい。 | |
向いているケース | 売却を急がない場合。 | 早く確実に売りたい場合。 |
自分で買主候補を探したい場合。 | 信頼できる1社に任せたい場合。 | |
人気エリアの物件。 | 販売活動を業者に委託したい。 | |
仲介手数料 | 成功報酬(売買成立時)。複数業者でも各社に支払う必要なし。 | 成功報酬(売買成立時)。1社のみに支払う。 |
今回は、一般媒介と専任媒介どちらがいいのか?
徹底比較します。
一般媒介のメリット&デメリット

一般媒介のメリットを7つ解説します。
メリット

①複数社に同時依頼できる
一般媒介は複数社に依頼ができるため、囲い込み防止になります。
②秘密裏に売却できる
レインズへの登録義務がないため、
他社不動産屋さんに知られません。
高額売却は難しくなりますが
「内緒で売却した人」に向いています。

結果的にばれるため、あまり意味がないですが・・・
③自己発見できる
一般媒介は業者紹介の買主さんでなく、
親戚など知り合いと直接取引ができます。
※専属選任媒介は自己発見ができず、専任は可能です。
④いつでも解約できる
一般媒介は解約が手軽にできます。

ただし、解約時に「宣伝費用など」別途請求されるケースがあります。
デメリット

一般媒介のデメリットを5つ解説します。
①積極的に販売してくれないリスクあり
一般媒介は「複数社と浮気している」ため、他社としては積極的になりづらいです。
「とりあえず一般で受け付けて、売れたらラッキー」
と公式ホームページに掲載し、放置されるケースがあります。

宣伝広告費用をかけて、熱心に活動しても他社にとられるなら・・・
とネガティブになります。
②囲い込みをされる【令和の新タイプ】
専任媒介契約はレインズ登録すると証明証が発行されるため、
囲い込みがやりづらくなりました。
そこで意図的に一般契約を結び、
レインズを無視して、自分たちで買主探しをする「令和の囲い込み」が登場したため、注意が必要です。

悪徳業者は手を変え品を変え・・・すごいですよね
対策は、専任媒介でレインズ登録 or 一般で複数社との契約です。
③業者の管理が難しい
複数社に一般媒介契約を依頼するため、連絡が煩雑になり、わけがわからなくなります。
特に5社以上の依頼は注意が必要です。

特に居住中で5社以上の一般媒介を結ぶ・・・となると奥さんに怒られます。
今日はA社、土日はB社・C社・・・
その都度部屋の片づけが必要です。
また、宣伝広告も無法状態。
いい加減な情報が市場に流れ出て、統制が取れなくなります。
④5社~10社に依頼すると「危ない人認定される」
不動産仲介業社から見て、
一般媒介契約が多すぎると「ヤバイ人認定」されます。
真っ当な業者でしたら、仕事は請け負わないですし、
トラブルの可能性が高いです。

当社は特殊なケースを除き、専任媒介契約以上のみ対応しております。
⑤投資用の収益アパートマンションは効果がイマイチ
居住用マンション/戸建/土地などは、一般媒介の効果をある程度期待できます。
ですが、収益用のアパートなどは投資家さんは「お金儲け」が目的。
「この物件のあちこちに宣伝している。売れ残りか・・・」
と判断されると、市場の評価が下がるリスクがあります。
収益アパート/マンションは水面下、
川上(かわかみ)の物件にうまみがあるため、川下の物件はイマイチといえます。
専任媒介のメリット&デメリット

専任媒介契約のメリット&デメリットを解説します。
メリット

専任媒介契約の3つのメリットを解説します。
①1社に集中できる
一般媒介のように浮気し放題でなく、
一人にアピールするため、業者が必死に売却活動をします。
②管理がしやすい
売却活動の報告が「1社のみ」で、
連絡の管理がしやすくなります。

一般媒介の場合、報告する/しない業者があり、また連絡もバラバラのため、管理が面倒です。
③高額査定につながる
レインズ登録し、広告可(囲い込みを防ぎやすい)にすることで、売主物件が一気に周知されます。
一般媒介よりも効率的かつ管理がしやすいため、おすすめです。
デメリット

専任媒介契約の2つのデメリットを解説します。
①最大3か月の縛りがある
一般媒介は縛りがありませんが、
専任媒介は縛りが最大3か月あります。

契約途中で解約をすると、活動費用など請求されるリスクがあります。
②担当者がイマイチだとダメージが大きい
専任媒介は「営業担当が一人」のため、
相性が悪いと売却活動が上手くいきません。
逆に、一般媒介は「複数社」のため、複数人営業担当がいます。
一般媒介のQ&A

よくある一般媒介契約の疑問をQ&A形式で解説します。
一般媒介契約は広告費をかけてもらえない?
結論、半分本当で、半分ウソです。
業者によっては「一般だけ」を最初から狙っているケースもあり、広告費をかけてくれます。
とはいえ、他社で契約が決まったら
「広告費を請求する」業者もいるため、見極める必要があります。
「専任で広告可」は一般で広告可にすれば変わらない?
そのとおり・・・と言いたいですが、
管理が大変です。
例えば、
①当社が専任で不動産を預かる
②レインズで広告可
③「10社から宣伝したい」と当社に許可申請あり
※10社は当社がコントロールします。
一般媒介は「10社と直接」一般媒介契約をします。

売主様が10社とやり取りをするため、日中お仕事をしている人は大変です。

特に居住中物件の見学は「売却中はパニック状態」となり、
奥様に怒られること間違いなし(汗)
仮に10社に一般媒介で依頼しても
「広告不可で宣伝はしません」「報告は気が向いたらします」
という業者も存在するかもしれません。
加えて
「居住中なら、買主さんにどんどん営業しましょう!」
「いえ、聞かれたことだけ答えましょう」
と会社によって方向性が異なります。
つまり、管理コントロールが難しい、といえます。

田舎なら、不動産会社が少ないし問題ない?!
田舎の山奥の物件で、業者が少なければ一般媒介で問題ありません。
都心である程度の人気物件となれば15社~20社もあり得ため、
専任契約で広告可(開放)がおすすめといえます。
まとめ~結局どっちが高く売れる?

結論から言うと以下の方法がおすすめです。
・専任媒介契約
・広告を可(ポータルサイト含め、フルオープン)
・囲い込みをしない業者に依頼
・契約不適合責任免責の対応も可能
上記のおすすめ方法を試せば、
一般媒介で複数社にお願いするより高く売れる確率があがります。

どうしても「一般媒介」を試したい!人は、
やってみる選択肢もあります。
しかし、時間とお金の無駄になるだけで、後悔します。
以上、一般媒介VS 専任媒介どっちがいいのか?
あなたのお役に立てれば幸いです。
コメント