付帯設備表で嘘を書くと訴訟リスクあり?書き方&注意点を解説

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付帯設備表の基礎を学ぶ

お客様
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家を売却する時の
付帯設備表ってなに?!

付帯設備とは、
建物に「付属する」水回りの設備・冷暖房・照明などの建築設備のことです。

ちなみに、告知書(物件状況確認書)と一緒に記入します。

宅建士:山口
宅建士:山口

一般的には「引き渡し日から7日間(※)」で
不具合が起きた場合
売主が修理しなければなりません。
※契約内容による

【主要設備】

・給湯関係:
ガス給湯器、エコキュート、電気温水器など
・水回り関係:
お風呂・キッチン・トイレなど
・空調関係:
エアコン、全館空調など

【その他の設備】

・照明関係:
部屋のシーリングやダウンライトなど

・収納関係:
シューズクローク、クローゼットなど

・建具関係:ドアなど
・テレビ視聴:TVアンテナ(地上デジタル、BS/CSデジタル)

・ネット回線:フレッツ光、CATVなど

付帯設備表のサンプル

以下、付帯設備表のサンプルです、

→戸建(土地付き)付帯設備表はこちら
→区分マンションの付帯設備表はこちら

※PDFにて。記入サンプルもあります

付帯設備表はいつ記入する?

付帯設備表は
①媒介契約時に記入(90%ほど)
②買付証明書を受け取ったら(正書)
③売買契約時に買主に交付


売主様が、自筆し、
媒介契約時に90%ほど下書きで記入願います。

「全部書いちゃダメ?!」

可能ですが、媒介契約~売買契約まで
3か月以上かかるケースもあります。

宅建士:山口
宅建士:山口

その間に、例えば給湯機が故障するリスクがあるため、契約間近がベストといえます。

媒介契約時に下書き→売買契約日が決定したら正書する方法がおすすめです。

仲介業者は記入NG

お客様
お客様

「書くのが面倒だから、営業さんが書いて」

売主様が面倒で依頼するケースがありますが、ご本人が必ず記入しましょう。

付帯設備表はいつ渡す?

売買契約日に
①売主の氏名&捺印
②買主の氏名&捺印

原本は買主さんに渡します
(※売主は念のためコピー)

付帯設備表で虚偽はダメ!注意点は?

宅建士:山口
宅建士:山口

例えば、換気扇のボタンが作動しないことを、記載しない場合、虚偽とみなされます。

記載時の注意点を解説します。

適当に書かない

「なんとなく・・・こうだったけな?」的な軽いノリで記載はやめましょう。

良く調べず、また、業者に相談せずに付帯設備表を書くことで、実際に不具合があったら、後々面倒です。

営業担当と一緒に確認

相続案件など、遠方の場合は難しいですが、営業担当と一緒に確認をしましょう。

宅建士:山口
宅建士:山口

売主「これはたいしたことないでしょ」と思っていても
「これは記入したほうがよいです」となります。

時間を開けて思い出す

付帯設備表を下書きを1回書いて、
2週間ほど放置。
再度、思い出して書く・・・

・・・など、時間を開けることで思い出すこともあります。

宅建士:山口
宅建士:山口

後になって「そういえば、2Fトイレの換気扇から異音がする」
といった事例があります。

正直に書く

良いことも悪いことも、付帯設備表に正直に書きましょう。
「印象が悪くなって安くなるかも」と怖いかもしれません。

ですが、ウソを書いて、後で「修理して」と余計な費用がかかることを考えれば、正直がベストです。

付帯設備の残置物は①撤去②残置

<よくある残置物>
・カーテン一式(※レール含む)
・ブラインド
・エアコン
・照明器具

・庭の石・樹木
・物置

不動産売却において、付帯設備は撤去が基本ですが、
上記は残置物として残すケースが多いです。
※担当と相談して何を残すか、撤去するか決めましょう。

買主様
買主様

「あれ?
子供部屋のエアコンって残すはずじゃ、
なかったんですか?」

後になって、買主とトラブルがないようにしましょう。

宅建士:山口
宅建士:山口

それと、庭木と庭石は残置のケースが多いです。

「撤去してほしい」
と買主さんが、住み始めてから言ってくるケースが

あるため、記載に注意が必要です。

付帯設備表の記載の仕方

①設備の有/無
 撤去の場合は「売主様」が撤去をします。

②故障の場合:備考に「使用不可」
例:給湯器:使用不可(1か月前に故障)

③残置物を決定

例:エアコン4台すべて、カーテン&レール一式、照明すべて、他

※内覧会で説明するため、残置物の決定は「内覧前まで」にお願いします。

④備考の記入の一例 (※台数&状況)

【設備名】【状態・内容】
エアコン3台。タイマー故障、水が垂れてくる、異音がする、臭い、冷えづらい
床暖房1台。少しあたたまりにくい
換気扇3台。トイレ換気扇のみ、うるさい
照明器具4台。子供部屋のみ、未設置
吊戸棚扉が開けづらい、ギーギー音がする、建付けが悪い
24時間換気システム3種換気(排気口5台)
給湯器親機のリモコン画面が割れている、給湯温度が不安定
コンロ(ガス)焦げつきあり、汚れあり
キッチン焦げ跡、ひび割れ一部あり
シャワーホース水漏れあり
浴室乾燥機使用不可(※2年前に故障)
お風呂鏡ヒビ割れあり
網戸1Fリビングのみ、穴が3か所ある
インターフォンTVモニター機能つき、音が小さい、ボタンが押しづらい
TVアンテナBSアンテナあり、アンテナなし(J・COMなどケーブルテレビ)
物置鍵がない
庭木・庭石庭石のみ撤去予定
カーポートひょう害で一部、穴あり
ネット回線光コラボ、NURO、auひかり、ケーブルテレビなど(別途契約必要)

※あくまでも記入の一例です。

付帯設備表Q&A

よくある付帯設備表についての質問をQ&A形式でまとめました。

Q
付帯設備表は交付しなくていい?
A

付帯設備表の交付を法律上義務はありません。

とはいえ、「交付する」との約束を破って交付しないと、売主の義務違反となります。

また、「言った言わない」の水掛け論を防止するために作成したり、修理費用を請求する時の証拠にもなり得ます。

Q
付帯設備表を交付しない特約はあり?
A

付帯設備表を交付しないことを「特約」に盛り込むことができます。

<事例>
・相続で空室戸建て(※遠方に住んでいる)
・売主が病気で部屋を見に行けない
・契約不適合責任免責のケース
・現状有姿&契約不適合責任免責は、
「現状のままで引渡し、
契約に不適合な箇所があっても責任は追わない」という特約
です。

<売買契約の特約の文章>
売主および買主は、
本物件が現況有姿での引渡しとなり、
付帯設備表の作成は行わないことを確認しました。

なお、引渡し後に残存する付帯設備等は、
売主がその所有権を放棄したものとみなし、
紛失および破損した動産(第三者所有物・動産譲渡登記されたものを含む)等が
あった場合においても、買主に一切の責任および負担は帰さないものとします。

宅建士:山口
宅建士:山口

それと、契約不適合責任免責の場合は、
付帯設備の責任をとらない
可能性が高いです。

【状況】【売主の責任】
付帯設備表などで現況渡しと明示している基本的に責任なし
(現況で納得して購入する前提)
設備表に故障なしと記載があるのに、故障していた責任が問われる可能性あり
(事実と異なる記載は契約不適合に該当)
重大な隠れた欠陥がある(詐欺的な隠蔽など)免責条項があっても損害賠償責任が生じる可能性あり
引渡し後すぐに使用不能が判明
(例:風呂や給湯器が使えない)
「契約の目的を達成できない」と判断される可能性あり、責任を問われることがある

まとめ

【付帯設備表のまとめ】
・媒介契約時に、90%記載、売買前に正書がおすすめ
・売主様が自書で記載(※フォーマットあり)
・付帯設備表は売買契約時に渡す(署名、捺印あり)
・虚偽はNG!トラブルの元
・営業担当に相談して記載
・正直に記載
・告知書(物件状況確認書)とセットで記入

以上、付帯設備表の書き方&注意点の解説でした。

続いては、告知書(物件状況確認書)についての解説です。

この記事を書いた人
riyama

宅地士&FP2級の山口です(リヤマ不動産株式会社の代表)
不動産の売買や相続、住み替えなどで「どうしたらいいの?」と不安になる方の力になりたくて、この仕事をしています。
専門的な内容も、できるだけわかりやすく、丁寧にご説明することを心がけています。不動産に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。地域に根ざし、一人ひとりの気持ちに寄り添うご提案をいたします。

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