中古戸建が売れない13の理由&対策

「ぜんぜん戸建てが売れない!」
家を売り出したのに、内覧者が来ても、反応がイマイチだった・・
1か月は問合せが多かったのに、3か月目の今はほぼ反応なし
その理由を7つに分けて解説し、対策もご紹介いたします。
理由①市場相場より高い
例えば、査定額が2500万円の戸建てを2800万円で出せば、
売れません。
理由は「高すぎる」からです。

売主さんは思い入れがある家なので、高く売りたい。
買主さんは少しでも安く買いたい。
※スーモを調べた買主さんは、
簡単に相場がわかります。
加えて、買主さんは人生をかけて真剣に相場把握しようとします。
「この物件、立地はいいけど、値段がね・・・」
勉強のために内覧に来ますが、購入はしません。
<対策>適正価格に是正しましょう。
仲介業者と値下げを含めた売買戦略相談をおすすめします。
理由②エリアの居住ニーズが少ない
人気がないエリアはあまり需要ないです。
・高齢者ばかりで、将来インフラ維持が厳しい
・治安が悪い
・交通の便が悪い
・川沿いでハザードマップが真っ赤
・イエローゾーン・レッドゾーンで危険
※イエローゾーン・レッドゾーンは
イエローゾーン (警戒区域) | レッドゾーン (特別警戒区域) | |
正式名称 | 土砂災害警戒区域 | 土砂災害特別警戒区域 |
法的根拠 | 土砂災害防止法(2001年) | 同上 |
指定の目的 | 命を守るための警戒(避難の周知など) | 命と建物を守るための厳しい規制 |
リスクの程度 | 土砂災害のおそれあり(人的被害の可能性) | 人的+建物被害が想定される高リスク地域 |
建築制限 | 基本的に制限なし(要件に応じて助言や指導あり) | 原則として建築制限あり(構造基準の適合が必要) |
建築時の対応 | 行政の助言レベル | 構造の安全性確認・補強義務など |
住宅ローン審査 | 一部の金融機関で慎重になる場合がある | 審査が厳しくなる傾向/融資不可の可能性もあり |
表示義務 | 重要事項説明での説明義務あり | 同左(より強調される) |
ハザードマップ | 黄色で表示される | 赤色で表示される |
元々居住ニーズがあまりないエリアの場合です。
<対策>
不動産は動かないため、エリア変更は不可能です。
適正価格に是正するしかありません。
※今後将来性がない土地は早めに手放すことをおすすめます。
理由③市街化調整区域・用途地域に問題があるから
・商業エリアが近く騒がしい
・工業エリアでトラックの出入りが激しくうるさい
・市街化調整区域で将来性がなく、担保価値が低い
・市街化調整区域の青地で農振の縛りがキツい
など土地が調整区域内だったり、
用途地域の問題から、売れないケースがあります。
<対策>適正価格に是正するしかありません。
特に田舎の市街化調整区域は、
将来性がない早めに手放しましょう。
理由④戸建の状態に問題があるから
- シロアリ・雨漏れ、傾きなどがあり、居住に問題がある。
- 屋根・外壁がボロボロでリフォームに300万円かかる
- 水回りが古すぎて、フルリフォームに400万円かかる
など
<対策>
適正価格に是正する方法がベスト
リフォームすれば高く売れる、
と考えがちですが、そうなりません。
例えば300万円リフォーム代を負担すれば、
300万円高く売れるとは限りません。
また、瑕疵担保保険(※)をつけることで、買主さんの安心感が増します。
※インスペクションに合格が必要

解体前提で、
現状有姿&契約不適合責任で安価で売却する方法もあります
築古の戸建ては、トラブルが多いため、
解体前提での売却がおすすめです。
理由⑤旧耐震物件だから
1981年5月31日までに確認申請を受けた建物は「旧耐震」
1981年6月1日以降の確認申請を受けた建物は「新耐震」と呼ばれます。
※旧耐震では「震度5程度の地震」まで耐えられますが、
それ以上だと、倒壊リスクが大きくなります。

旧耐震の建物は、
ちょっと強い地震で倒壊のリスクがあります。
<対策>
①耐震補強工事を提案し、値下げ
②解体更地を提案
③価格を大幅に下げ、不動産投資家に販売
理由⑥長期間空き家だったから
売却中の一戸建てを長期間空き家のまま販売。
人が住まなくなると、劣化が早まり、
空気の入れ替えや上下水道の通水など管理をしないと
売りづらくなります。
ガビの発生・排水管が臭くなる、
害虫が侵入、雨漏れ、不思議な匂いがする・・・など
<対策>定期的に部屋を換気したり、水道を使うようにしましょう。
また、解体を前提に売却する方法もありです。
理由⑦土地の形や境界に問題があるから
①土地の問題:旗竿地・囲繞地・台形や三角形など形が歪だったり・・・
また、戸建は1メートル以上高い場所にあったり(階段あり)と、
問題があると売りづらいです。
②土地が広すぎる、逆に狭する
土地が広いと固定資産税が高く、草むしり面倒です。
逆に狭すぎると、隣地と近く圧迫感があり、また、日当たりがイマイチだったりします。
③境界不明瞭だったり、ブロックが越境していたり、お隣の雨どいが越境してきているなど
<対策>適正価格に是正する方法がベスト
ブロックの越境や雨どいの越境は隣人と合意書を交わす
(※解体時に是正すること)ことで、
将来的に解決できます。
理由⑧駐車場の台数が少ないから
東京など都心は問題ありません。
ですが、田舎で駐車場がない、
1台しか置き場がない、とかなり不便です。
<対策>月決め駐車場を案内し、その分の価格を是正しましょう
理由⑨駅からの距離が遠いから
徒歩通勤の場合、駅からの距離が気になります。
徒歩で20分以上となると、
負担が重くなるため、買主さんの購入意欲が下がりやすいです。
<対策>
①自転車での駅時間を調べる
②自転車置き場の月額料金を調べる
③駅までのバス時間を調べる

交通の便の悪さをカバーする
ポジティブな情報を仲介業者と相談して
広告に載せましょう。
理由⑩生活に必要な施設が少ないから
スーパー・コンビニ・ショッピングモール・病院などが少ないため、
中古戸建が売れないことがあります。
<対策>
スーパーで宅配サービスがあったり、
駅前に行けば大きなスーパーがある、病院までバスがある
など長所をまとめてアピールしましょう。
理由⑪周辺環境に問題があるから
・お隣さんが奇声を出す
・目の前がお墓や葬儀場
・小学校や公園が隣で、子供の声が気になる
・国道沿いでトラックの振動が気になる
・ゴミ置き場が散乱している
・高圧電線の鉄塔がある
など周辺環境が気になることで、中古戸建が売れないことがあります。
<対策>
騒音については、お隣さんと話し合うしかありません。
また、子供の声があまり気にならない「小さい子持ちの買主さん」を探す。
他:鉄塔で地役権が設定されていたら、健康被害がないことを伝え、値段を下げるなど
理由⑫不動産会社の動きが悪い
- 営業マンが積極的に売り出してくれない
- 売り出す戦略を提案してくれない
- 一般媒介で契約しているため、やる気がない
- 広告不可のため、広く周知されていない
など不動産会社の動きに問題があることで、中古戸建が売れないことがあります。
<対策>
広告不可→可にしても、数か月後だと、あまり意味がないです。
※スタートダッシュが大切です。

媒介契約を切って、しばらく活動をストップ。
新規で他社と専任契約を結び、広告可でフルオープンにして活動を再開、がおすすめです。
理由⑬タイミングが悪い
2月から3月は戸建が売れやすい時期です。(転校や新入学など)
逆に1月&8月は閑散期で、
年末年始や暑さ・お盆の影響で動きが鈍いです。
<対策>
時期が悪いため、閑散期が過ぎるまで待機するしかありません。
また、運よく繁忙期に突入したら少し値下げをして、
目玉商品的な販売促進をしてもらえば、
戸建が売れる確率が上がります。
まとめ

理由①市場相場より高い
理由②エリアの居住ニーズが少ない
理由③市街化調整区域・用途地域に問題があるから
理由⑦土地の形や境界に問題があるから
→適正価格に是正しましょう。
理由④戸建の状態に問題があるから
理由⑤旧耐震物件だから
理由⑥長期間空き家だったから
→解体前提で交渉しましょう
理由⑧駐車場の台数が少ないから
→近くの月決め駐車場を探す
理由⑨駅からの距離が遠いから
→ポジティブな材料を打ち出す
値段を下げる
理由⑩生活に必要な施設が少ないから
→宅配やバス停、タクシーなど利用すること
便利なことをアピール
理由⑪周辺環境に問題があるから
→値段を下げる
理由⑫不動産会社の動きが悪い
→媒介契約を切る、更新しない
理由⑬タイミングが悪い
→時間をかけて、じっと待機
中古戸建が売れない!と悩むあなたの
お役に立てれば幸いです。
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