
注文住宅を建てたいんだけど
更地渡し、古家付きどっちがいい?

買主様・ハウスメーカーにとっては
古家付きのほうがメリットが多いです。
売主様にとっても
古屋付きがおすすめといえます。
その理由を、メリット&デメリット形式で解説します。
解体更地渡しのメリット・デメリット

解体更地渡しは古家をそのまま売り出し、
売買契約後に建物を解体、更地の状態で引き渡すことです。
メリット

解体更地渡しのメリットを解説します。
①更地で状況が把握しやすい
買主様は一般人で、建物の知識はありません。
そのため、古家があると
(この土地に自分の家が本当に建てられるの?)と不安を感じます。

確かに!
私の実家近くに2年売れない家があって
最近解体更地にしていた・・・

おっしゃるとおりです。
イメージがわくメリットがあります。
②買主の解体費用がかからない
売主様の責任と負担の元、解体するため
買主様の負担がかかりません。
③売主側で埋設物チェックできる
売主側で解体更地にすることで、
地中埋設物のチエックを事前に確認、撤去できます。

更地にし、埋設物調査をすれば、
「地歴調査済み」と告知できます。
また、埋設物を撤去することで
土地が売りやすくなります。
デメリット

解体更地渡しのデメリットを解説します。
①売主様に負担あり
売主様が解体の費用負担をするため、
150万円以上のお金が出せない場合は
難しい点がデメリットです。
②固定資産税が高額に
建物を解体更地にし、滅失登記をすると
「土地(宅地)」のみとなります。

土地に建物があると「住宅用地の軽減措置特例」が適用されます。
簡単に言うと、
土地の固定資産税が1/3or1/6に軽減されます。
その建物が滅失すると
固定資産税額が大幅にアップ(最大6倍)します。

12月末までに滅失登記をすれば、
翌年度からの
家屋分の固定資産税は発生しません。
逆に1月1日~に滅失登記をすると、
建物固定資産税は発生しますが、
土地の固定資産税は軽減税率適用のまま請求されます。
③決済前に抵当権抹消できるか
売買契約後に、正式に解体がスタートします。
それを引き渡し日までに行います。

売主側に抵当権がついていたら?

解体し、抵当権が残ったままでも
滅失登記が手続きは可能。
ですが、一般的には抵当権抹消が
「先」に行われます。
売主様の残債が完済済みでしたら、問題ありません。
しかし、残債があり、買主様の代金で
完済予定の場合は、注意しましょう
④再建築に問題(市街化調整区域)
市街化区域は接道義務など条件を満たしていれば
再建築できます。
しかし、市街化調整区域内の戸建ての場合は、
解体更地・滅失後に、所有権が買主に移転します。

古家を買主様に所有権移転にすれば、
「建て替え」を理由に
再建築ができる可能性が高まります。
解体更地渡しでOKか、
古家付きがいいのか?
不動産仲介会社・役所に確認してから
売却、購入を決めましょう。
⑤塀・植栽の解体でトラブル
「北側の塀は解体してほしかった」
「松の木は伐根してほしかった」
解体更地渡しで引き取った後に
「いった言わない」トラブルが発生しやすいです。

解体更地の場合は、
どの部分を解体するのか?
など細かい取り決めが必要です。
古家付き土地のメリット・デメリット

古家付き土地のメリット・デメリットを解説します。
メリット

古家付き土地のメリットを解説します。
①売主の負担がない
解体更地渡しの場合は、
売主様は最低150万円以上の費用が発生します。

古家付き土地で
現状渡しなら、
お財布が痛みません。
②固定資産税がそのまま
建物を解体すると、軽減税率が適用されません。
そのまま渡してしまえば、
買主様の負担になるため、費用負担が厳しい売主様にとって、メリットといえます。
③適当な工事になりづらい
売主様の解体業者が適当だと、
①工事前挨拶がない
②適当に解体作業をする
ケースがあります。

適当な解体って?

①基礎の根入れが残っている
②伐根をしていない
③地中配管を撤去しない
④挨拶をしない(騒音)
⑤埋設物を隅っこに
埋めなおす
売主様で解体更地にする場合、
業者が丁寧に解体をすれば問題ありません。
しかし、いい加減な工事の場合、
買主側で再度、除去作業が必要になり、
トラブルになります。

え~
買主は悪くないのに!
撤去工事の請求はできない?

売主様もおそらく
「更地にしたから問題ない!」
と、請求を突っぱねる
恐れがあります。

面倒ね。
それなら買主側の工務店
ハウスメーカーの解体業者に
依頼した方が安心よね

そうです。
ハウスメーカー提携の解体業者なので少し高額ですが、
問題があった場合、お施主である
買主様が責任追及できる
メリットがあります。
デメリット

古家付き土地のデメリットを解説します。
①買主様がネガティブに
古家のままだと、理想のおうちのイメージが
しづらいです。

土地の売買は可能ですが、
やや「売れにくい」といえます。
②解体費用が発生する
買主側で解体費用が発生します。
ですが、ハウスメーカーの提携解体業者が
解体することで、トラブル時の責任追及が
しやすくなります。
③解体までの管理が面倒
古屋付き土地のまま、引き渡すため、
管理が面倒です。
例えば、台風で屋根瓦が飛んで
通学中の子供に当たってケガをさせた、など
よくある質問Q&A

解体更地渡し・古家付き土地の売買に関する
質問をQ&A形式にして解説します。
Q:解体&更地渡しの流れは?
<①売買契約>
・売主の責任と費用で解体する
・建物の抹消登記をしてもらう
・契約不適合責任の期間調整
・売主建物に抵当権を抹消してもらう
<②解体スタート>
大きさや接道要件、隣地によりますが、
3週間~1か月あれば解体完了します。
<③決済&引き渡し>
Q:解体更地がおすすめな人は?
<解体更地がおすすめの人>
・建物がかなり老朽化している
・雨漏れ、傾き、シロアリがいる
・事故物件(火災など)
・自分で家を解体したい

①自分で建てた家
②相続でもらった実家
を自分の手で解体したい人
にはおすすめです。
Q:値引き交渉は可能?
古家付き土地の場合は、解体費用も加味した値段です。
※最初から値引いてある
また、更地の場合は、売主様が
解体費用負担する金額も加味されています。

値引き交渉は難しい?

値引き交渉は可能です。
例えば、契約不適合責任責任免責を
受ける代わりに、値下げしたもらう
方法もあります。
まとめ

<解体更地渡しで売却のメリット&デメリット>
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
売却のしやすさ | 古家付きよりも広い層の買主にアピールでき、売却がスムーズになる可能性が高い | 解体費用が売主負担になる (100万〜200万円程度が目安) |
資産の見せ方 | 土地の広さ・形状・立地を買主にイメージさせやすく、価値を伝えやすい | 更地にすることで固定資産税が上がる (住宅用地特例が外れる) |
価格交渉対策 | 「解体費用分を値引きして」 といった交渉を避けられる | 更地にしても希望価格で売れるとは限らない |
取引の明快さ | 建物の状態に関するトラブル・瑕疵責任リスクが少ない | 解体後に地中埋設物などが見つかった場合の対応リスクが売主に残る |
法的・登記の整理 | 建物滅失登記が済んでいれば、買主の手間も減り印象が良い | 解体中の騒音・近隣トラブルが発生する可能性がある |
<古家付きの土地売却のメリット&デメリット>
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
解体費用の負担 | 売主が解体費用を負担しなくて済む | 買主が解体費用を考慮して価格交渉をする可能性が高い |
売却までの手間 | 建物の滅失登記や解体工事が不要で、手間と時間がかからない | 建物の老朽化や破損によるトラブル・クレームリスクがある |
税金の優遇 | 固定資産税の住宅用地特例が継続し、更地よりも税額が抑えられる | 売却後に特例が解除されると、買主にとっては固定資産税が高くなる可能性がある |
利用希望の買主 | 投資家の買主にとっては活用の可能性がある | 多くの一般買主は建て替え前提のため敬遠する傾向にあり、成約まで時間がかかることも |
販売価格の柔軟性 | 解体費用を反映させた価格設定で、価格調整の幅がもてる | 建物評価がゼロに近いため、土地の価値のみで価格査定されがち |

①解体して更地で売る
②家付きの土地で売る
迷っているあなたのお役に立てれば幸いです。
コメント