
収入印紙代ってどうして必要なの?
収入印紙代は不動産の購入&売却の売買契約書を記載する時に、貼付します。

なぜ?収入印紙が必要なのか。
また、いつ、だれが、どういう風に貼付するのか?
解説します。
収入印紙代・印紙税はいくらかかる?

収入印紙代・印紙税はいくらかかる?のか?
その前に
①どうして支払う必要があるのか?
②どういったケースで印紙税が発生するのか?
解説します。
印紙税はなぜかかる?

印紙税は、特定の文書(契約書や領収書など)を作成・使用することで課される日本の税金です。
主な理由は以下の通り:
- 国家の財源確保
印紙税は、経済取引に伴う文書の作成を通じて国が税収を得る手段です。
取引の証拠となる文書に課税することで、安定した税収を確保します。 - 文書の法的効力の裏付け
印紙税を納付することで、文書が正式なものとして扱われ、
裁判などで証拠として認められやすくなります。
税の納付は、文書の信頼性を高める役割も果たします。 - 取引の透明性促進
課税対象となる文書(例:不動産売買契約書、金銭消費貸借契約書など)は、重要な経済取引に関連します。
印紙税を課すことで、取引の記録を明確にし、脱税や不正を抑制する効果があります。 - 歴史的背景
印紙税は、明治時代に導入された古い税制で、当時は文書作成が経済活動の中心だったため、課税対象として合理的でした。
現在もその枠組みが引き継がれています。
文書は経済取引の証拠であり、取引額や内容に応じて税額が決まるため、公平性が保たれやすいからです。
また、印紙を貼る形式は簡便で、徴税コストが低い点も理由の一つです。

ざっくりまとめると、
①国が税金を取りやすい
②法的に強い文書になる
③取引で脱税や不正を防ぐ
④昔からの慣習
上記の目的のため、
印紙税がかかります。
どんな文章で印紙税がかかる?

【文書の種類】 | 【主な該当例】 | 【印紙税額】 | 【備考】 |
不動産の売買契約書 | 土地・建物の売買契約 | 10,000円〜 | 売買代金により変動(下表参照) |
請負契約書(建設・工事など) | 工事請負契約、リフォーム契約書 | 200円〜60,000円 | 契約金額により変動 |
金銭消費貸借契約書 | 住宅ローン契約書、借用書など | 200円〜 | 貸付金額により変動。個人間の無利息貸付などは非課税になることも。 |
領収書(受取書) | 商品・サービス代金の領収書 | 200円 | 受取金額5万円以上。電子領収書は非課税(2022年改正) |
賃貸借契約書(不動産の賃貸) | アパート契約、駐車場契約など | 200円 | 貸借期間にかかわらず一律 |
定款 (紙で作成した場合) | 株式会社設立時の定款 | 40,000円 | 電子定款の場合は印紙税非課税 |
約束手形 | 約束手形(支払い手段として利用) | 200円〜600円 | 額面により異なる |
為替手形 | 支払委託などに使う手形 | 200円〜600円 | 額面により異なる |

不動産の取引以外にも、
領収書とか、定款とか
色々な場面で必要なのね・・・
収入印紙の計算ツール

続いては、実際に不動産取引でいくらの印紙税を購入すればいいのか?
印紙税計算シュミレーターを作りました。
印紙税計算シミュレーター
不動産の売買・譲渡契約書の契約金額を万円単位で入力して、印紙税額を計算します。令和9年(2027年)3月31日までの軽減税率を適用!
計算結果
項目 | 金額 |
---|---|
契約金額 | |
通常税率 | |
軽減税率 |
※軽減税率について: 令和9年(2027年)3月31日までに作成される不動産の譲渡に関する契約書は、記載された契約金額に応じて印紙税が軽減されます。詳細は税額表をご確認ください。
【契約金額】 | 【印紙税額】 |
1万円以上10万円以下のもの | 200円 |
10万円を超え、50万円以下 | 400円 → 200円 |
50万円を超え、100万円以下 | 1,000円 → 500円 |
100万円を超え、500万円以下 | 2,000円 → 1,000円 |
500万円を超え、1千万円以下 | 1万円 → 5,000円 |
1千万円を超え、5千万円以下 | 2万円 → 1万円 |
5千万円を超え、1億円以下 | 6万円 → 3万円 |
1億円を超え、5億円以下 | 10万円 → 6万円 |
5億円を超え、10億円以下 | 20万円 → 16万円 |
10億円を超え、50億円以下 | 40万円 → 32万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 → 48万円 |
※安くなっている理由は軽減税率が適用されるため。

不動産取引でよく利用される金額が「1万円」の収入印紙です。
※1000万円~5000万円の物件が多いため

なるほど!
他は何にかかるの?
住宅ローンの金消契約時に「収入印紙」が必要です。
金消契約は軽減税率は適用されない?!

金融機関との「金銭消費貸借契約書」(いわゆる住宅ローン契約など)に関しては、
印紙税そのものは発生しますが、軽減税率(印紙税の割引)は適用されません。
📌 なぜ軽減税率が適用されないのか?
国税庁の制度では、軽減対象となっているのは以下の契約書です:
- 不動産売買契約書(第1号文書)
- 建設工事請負契約書(第2号文書)
これらの契約書は、令和9年3月31日まで「軽減税率」が認められています。
一方、金銭消費貸借契約書(ローン契約書)は該当せず、
従来の「本則税率」がそのまま適用されます。

え?!
例えば、新築の戸建て住宅を2800万円で買うと
1万円と2万円ってこと!?

おっしゃる通りです。
①売買契約で1万円
②金消契約で2万円(※)
※住宅ローン借入額による
電子契約にすれば印紙税は0円に?!

印紙税法では、課税対象となるのは「紙の文書」に限定されています。
つまり、以下の条件が揃っていないと課税対象になりません:
- 紙で作成された契約書であること
- 印紙税法に定める課税文書であること
→ PDFなどの電子データで作成・保存された契約書は「課税文書」ではないとされており、
印紙税の課税対象外です。
公式の根拠(国税庁)
「契約書を電子メールで送受信するなど、紙として作成されない契約書には印紙税は課税されません。」
— 国税庁「印紙税の課税文書の範囲」
実務上の注意点
項目 | 内容 |
---|---|
✅ 印紙税は不要 | 電子契約書には印紙税は課税されません。 |
✅ 法的効力も問題なし | 電子署名付きなら、紙の契約書と同等の効力があります。 |
⚠️ メールやPDFだけでは不十分 | 電子署名付きの電子契約である必要があります。 |
⚠️ 一部相手が紙で欲しがる場合 | その場合は紙で作成=印紙税が必要です。 |

・・・と言いたいですが、
不動産の売買時、「紙」を希望する方が多いです。
電子化への道のりは険しいといえます。
収入印紙は誰が用意?どれで買う?

収入印紙は誰が用意するか?
いくつかのパターンをご紹介します。
①売買契約の当事者が自前で用意
②不動産仲介業者が用意
③銀行が用意(金消)
①のパターンが多いですが、当社は念のため、自社で数枚用意し、
お金を持ってきていただければ、領収書と交換します。
ちなみに、売主が業者の場合は、買主のみ、契約書に収入印紙を貼付し、
契約書はコピーするだけです。

え?!
契約書は2枚あって、
両方に貼るんじゃないの?

売主が業者の場合、
例えば、年に1000棟販売すれば、
収入印紙代で1000万円発生します。
そのため、コストカットで
コピーにしているわけです。
個人間の売買については、
売主&買主双方が1万円~を用意する必要があります。
※売主が「自分はコピーでいい」といった場合を除く
収入印紙の売り場はどこ?!
□郵便局(ゆうびんきょく):
- 詳細:日本全国の郵便局(Japan Post)は、収入印紙の主要な販売場所です。
ほぼ全ての郵便局で各種額面(例: 200円、400円、1,000円、5,000円、10,000円など)を購入可能。 - 特徴:高額な収入印紙(例: 10,000円以上)あり。現金払いが一般的。
- 例:東京中央郵便局や地方の小さな郵便局でも購入可。窓口で「収入印紙 ○円分」と指定。
- 注意:営業時間(通常平日9:00~17:00、土日祝は一部のみ)内に訪問が必要。
□コンビニエンスストア:
- 詳細:セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートなどの主要コンビニで、
収入印紙を販売している店舗がある。特に、200円や4,000円などの一般的な額面が購入可能。 - 特徴:コンビニは24時間営業で便利だが、取り扱い額面は限定的(主に200円、4,000円など)。高額印紙(例: 10,000円以上)は郵便局の方が確実。
法務局(ほうむきょく):
- 詳細:登記手続きなどで収入印紙が必要な場合、法務局の窓口や売店で購入可能。
- 特徴:不動産関連や法人登記でよく使われる高額印紙(例: 20,000円、60,000円)を扱う。
- 例:東京法務局や大阪法務局など。
- 注意:法務局の営業時間(平日9:00~17:00程度)に限られる。
金券ショップ:
- 詳細:一部の金券ショップで収入印紙を割引価格(約9%安)で販売。節約したい場合に有効。
- 特徴:高額な取引(例: 不動産契約)の場合、節約効果が大きい。
- 例:大都市(東京、横浜、大阪など)の金券ショップで購入可能。
- 注意:在庫は店舗により異なり、額面が限られる場合がある。信頼できる店舗を選ぶこと。

一般的には、郵便局での購入がおすすめ。
とはいえ、お仕事で行けない人がいるため、
営業担当者にお願いする方法がベストです。
まとめ

□印紙税はなぜかかる?
①国が税金を取りやすい
②法的に強い文書になる
③取引で脱税や不正を防ぐ
④昔からの慣習
□不動産の売買契約書は軽減税率適用!
→住宅ローンの金消契約書は適用外で高額
□電子契約にすれば印紙税は0円
→ただし、紙契約が好きな人が多く、
IT化はまだまだです。
□収入印紙は誰が用意
→ご自身 or 営業マンか

収入印紙代はいくらかかるのか?
気になるあなたのお役に立てれば幸いです。
計算ツールリンク集

→固定資産&都市計画税の日割りツール
→マンション管理費・修繕積立金ツール
→収入印紙の計算ツール
→住宅ローン合否判断ツール
→マンション売却後の手残り計算ツール
→土地の売却で手残り計算ツール
→中古戸建(※土地付き)の売却計算ツール
→相続税の計算ツール
→不動産の売買仲介手数料は計算ツール
→住宅ローン控除の計算ツール
→収益用アパート/マンションツール
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