手付金の振込タイミングいつなの?
手付金とは売買契約時に、
①債務不履行(やっぱり売らない、買わない)の時に困る
②無料だと解約される恐れがあるため、それらを防止する
つまり、人質的な意味合いで支払われる金銭です。
手付金は原則「売買契約当日」に支払う
基本は、売買契約書に署名捺印後、
「手付金を現金で手渡す」ことが一般的な方法です。
<売買契約の成立条件>
①手付金を支払うこと
②売買契約書を交わすこと
振込・手渡しどっち?
手付金は当日現金で「手渡し」が一般的な方法です。
しかし、トラブル防止のために、振り込みにしている業者さんもいます。

例えば、100万円をもっていって落としたら怖い・・・

おっしゃる通りです。
紛失や盗難、「1枚足りない!」など数えミスがあったら大変です。
業者さんによりますが、
振り込みなのか?手渡しなのか?事前に確認をしましょう。
手付金支払いの流れ
<一般的な手付金の支払い流れ>
①重要事項説明書の交付&読み合わせ
②売買契約書の説明&署名捺印
③手付金の授受
となります。
一方、手付金を振り込む場合は、
①前日までに振り込む ②当日振り込む

売買契約が土日の場合は、金曜日までに振り込む。
平日なら、スマホやATMで当日振り込むことも可能です
売買契約前日や後日の支払はダメ?
売買契約前日は申込金として受け取るため、問題ありません。
しかし、売買契約日の翌日以降の手付支払いはNGです。

申込金は当日「契約内容に納得いかない」場合は返金されます。
そのまま契約をすれば、手付金となります。
①申込金②手付金③内金の違いは?

■申込証拠金:買付証明書の記載後に、支払うことで、購入する権利を優先して確保できる性質のお金
■手付金:契約成立のための費用で、契約を解除することができる性質(手付放棄など)のお金
■内金:代金の一部前払いの費用。売主は受け取ると、手付解約ができなくなる
<申込金・手付金・内金の比較表>
申込金 | 手付金 | 内金 | |
定義 | 購入の意思表明として支払う金銭。 物件の仮押さえを目的とし、契約成立前の初期段階で支払われる。 | 売買契約締結時に支払う金銭。 契約の履行を担保し、購入意思を正式に示す。民法上の「手付」に該当。 | 売買代金の一部として支払う金銭。 契約成立後に支払われ、残代金の一部に充当される。 |
支払時期 | 購入申込時(契約前)。 通常、物件の仮押さえ時や購入申込書提出時。 | 売買契約締結時 (契約書に署名・捺印後) | 契約締結後、決済・引渡し前。売買契約書に定められたタイミング (例:着工時、中間時) |
金額 | 一般的に5万円〜10万円程度。 物件価格により異なる。 | 物件価格の5〜10%が一般的 (例:3,000万円の物件なら150〜300万円) 上限は宅建業法で売買価格の20%と定められている。 | 契約書で定められた金額(例:物件価格の10〜20%) 複数回に分けて支払う場合も。 |
手付金が必要な理由&相場は?

手付金が必要な理由は
①契約に重みをつけること②気軽にキャンセルできなくすることなどです。
また、手付金の相場は物件の5%~10%とされます。
※3000万円の物件なら、150万円~300万円

手付金がない状態で、売買契約書を交わしても、
契約が軽くなり、契約キャンセルにつながりやすいです。
また、手付金の額が少ない(10万円~20万円など)場合も、
同様で、手付解除がしやすくなるリスクが売主&買主両者にあります。
手付金0円じゃダメ?
売主側がOKを出せば、手付金0円でも売買契約書は成立します。
ですが、了解する人はいるのでしょうか・・・
手付金は不要なケースは?
同日に売買契約&決済&引き渡しをする場合は、手付金は不要です。
単価が安めの空き家(100万円~500万円)で、
抵当権がなく、現金払いのケースです。
手付金の種類は3種類

手付金の種類は3つあります。
①証約手付:契約の証拠
売買契約が成立した証拠のために交付される手付のこと
②違約手付:債務不履行への対策を意味する
債務不履行が発生した場合には、
買主側(手付が没収)売主側(手付の2倍を返す)という手付のこと。
「やっぱり、契約を辞めた!」キャンセルの抑止力として利用します。
③解約手付:解約権の保留を意味する
「やっぱりやめた!」と売買契約解除でできる手付金。
買主側(解約手付の放棄)売主側(倍返しで契約解除)ができますが、
履行の着手後は解除できなくなるため、注意が必要
手付金よくある質問Q&A

手付金についてよくある質問をQ&A形式にしました。
- Q手付金はローンに含めていいの?
- A
ローンに含められません。
また、「手持ちが足りない」から消費者金融から借りてはいけません。

手付金がない場合は、
親などから一時的にかりて、決済の時に返すしかありません。
カードローン・消費者金融でお金を借りる行為はご法度!
- Q手付金の値下げ交渉は可能?
- A
売主さん次第です。例えば3000万円物件で300万円でなく
「5%の150万円」にならないですか?
と聞くのはありです。

デメリットは、他の人にとられるかもしれません。
あなたが100万円出した後、
他人が300万円だしたら、浮気されるリスクがあります。
- Q持ち回り契約で買主・売主が同席できない場合は?
- A
①買主に重要事項説明書を交付説明し、売買契約書を記載
②買主から手付金を仲介業者が預かる
③売主に売買契約書を書いてもらい、手付金を渡す振り込みの場合は、
仲介業者が預り金として預かり、後日、売主へ振り込みをします。

売買契約が電子決済なら、
成立後に振り込み、という方法もあります。
まとめ

◎手付金の振込タイミングいつなの?
→手付金は原則「売買契約当日」に支払う
ただし、前日までに支払うケースもある
◎振込・手渡しどっち?
→どちらでもOK
ただし、金額が多い場合など、防犯目的で振り込みに
◎相場は売買金額の5%~10%
→手付金0円でも売主が了承すれば可能
不動産取引における手付金まとめ
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | 売買契約締結時に買主が売主に支払う金銭。 契約の履行を担保し、購入意思を正式に示す。 |
支払時期 | 売買契約締結時(契約書に署名・捺印後)。 |
金額 | 物件価格の5〜10%が一般的(例:3,000万円の物件なら150〜300万円)。 宅建業法では売主が宅建業者の場合、上限は売買価格の20% |
目的 | – 契約の履行担保:買主・売主双方の契約履行を確保。 – 購入意思の表明:正式な契約成立の証。 – 売買代金の一部:最終決済時に残代金に充当される。 |
法的性質 | 民法第557条に基づく「解約手付」 – 買主が解約:手付金を放棄(没収)。 – 売主が解約:手付金の倍額を買主に返還。 – 手付解除期限(通常1〜2週間)後は解約不可。 |
返金の可否 | – 手付解除期限内:上記の条件で返金または倍返し。 – 期限後:原則返金不可(契約履行が前提)。 – 住宅ローン特約がある場合:ローン不承認で契約解除なら全額返金可能(契約書で要確認)。 |
受領者 | 売主(または不動産会社経由で売主) |
支払方法 | 現金、銀行振込、小切手など。 振込手数料は買主負担が一般的(契約書で要確認)。 |
契約への影響 | 手付金の支払いにより売買契約が正式に成立。 他の購入希望者に物件が渡らないよう確定する。 |
税務上の扱い | ・売買代金の一部として扱われ、特別な税務申告は不要。 売主側では受領時に収入計上する場合がある (税理士に確認) |

手付金の支払いで悩むあなたの参考になればい幸いです。
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