【動画あり】土地を売るときの注意点!失敗しない11項目チェック

不動産売却の基礎

土地を売る前に読んで損なし!

お客様
お客様

土地を売りたいけれど・・
なにを注意すればいいの?

「空地を売りたい」
「畑だけど売れるの?」
「駐車場を廃業して、土地を売却したい」

宅建士:山口
宅建士:山口

土地を売りたい売主様のために、注意点を解説します。

※リヤマ不動産公式チャンネルより引用

土地を売るための11つの注意点

土地を売るための11つの注意点を解説します。

①家屋「あり」の注意点

土地の上に「戸建て」があり、

そのまま居住用として売却する場合は問題ありません。

ですが、解体全体の場合は注意が必要です。

宅建士:山口
宅建士:山口

旧耐震で空き家でボロボロ・・・となると

①解体更地で売る
②そのまま引き渡し

のどちらかになります

<解体し更地で売却>
①解体費用は売主負担
②更地のため、見学しやすく、売りやすい
③固定資産が上がる(家屋が消滅するため)
④解体業者によって取り残しリスクあり

⑤値下げせずに済む

<古家付きで売却し、買主側で解体>
①そのまま引き渡しで手間いらず
②古家があるため、イメージが付きづらく、売りにくい
③固定資産税は変わらない
④ハウスメーカーの解体業者は信頼でき、取り残しがない

更地の方が、買主さんは見学しやすいため、印象がよいです。

しかし、固定資産税が上がったり、解体費用を売主が負担します。

逆にそのまま引き渡すと、値下げ交渉はされますが、手間いらず。

また、解体はハウスメーカー指定業者が担当するため、取り残しが少なく、クレームになりづらいです。

宅建士:山口
宅建士:山口

戸建解体の業者は買主指定であれば、

売主側で解体してもいいかもしれません。

【解体更地渡しVS古家付き土地】売却のメリット・デメリット比較
①解体して更地で売る②家付きの土地で売るどっちがいいの?メリット&デメリットを徹底解説します。

②地中埋設物が出てきたら?!

地中埋設物とは、地中に埋まっている、

基礎、井戸・浄化槽・旧宅の瓦やブロック塀のガラ、大きな岩などさまざまな物があります。

珍しいものとしては、

地下室・地中梁、タイヤ、自動車、医療廃棄物不発弾、死体などといった例もあります。

ハマーズ澤チャンネルより

※おそらく、二次基礎?かと思われる埋設物ですね・・・

宅建士:山口
宅建士:山口

筆者も自宅を解体更地にしたとき、

大量のビニールと土留めがでてきました。

5万円ほど余計にかかりましたが、少額でラッキーでした。

お客様
お客様

私の土地は畑だったから、無関係!
大丈夫!

宅建士:山口
宅建士:山口

筆者の自宅は小さい沼?でしたが、産業廃棄物がありました。

また、畑でも昭和の荒くれ業者が、忍び込んで勝手に埋めるケースもあるようですね。

解体屋さんに話を聞きましたが、

3~5件に1件は何かしら地中埋設物があるとのこと。

<チェックポイント>
・50年~100年前、土地に何があったか?
・家があったなら、柱状改良など地盤改良をしたか?
・知り合いに産業廃棄物業者がいて、土地を貸したことがあるか?
・井戸や浄化槽は昔あったか?

お客様
お客様

もし、埋設物がでてきたら・・・

契約不適合責任は引き渡し日から3か月以内(売主が個人の場合)です。

その間に埋設物が発見されたら、撤去費用などの損害賠償請求をされる可能性が高いです。

他の方法としては、価格を下げる代わりに契約不適合責任免責にする方法もあります。

宅建士:山口
宅建士:山口

ただし、契約不適合責任を負わない特約を設けていても、

免責されないケースがあるため、注意が必要です。

地中埋設物とは、土地の地下に残っている古い建物の基礎、浄化槽、井戸、コンクリートガラ、杭、廃材などをいいます。

売却時に重要なのは、「地中埋設物があるかどうか」だけではありません。過去の建物、解体履歴、土地の利用履歴などから埋設物が存在する可能性を把握し、判明している事項は買主へ適切に説明することが重要です。

特に買主が住宅を建築する土地では、地中埋設物の撤去費用が発生する可能性があるため、売買契約前に確認しておくとトラブル防止につながります。

■土地の契約不適合責任でよくあるもの

① 境界・面積の問題
  • 境界が未確定(隣地と揉める)
  • 越境(ブロック・樹木・建物の一部)
  • 実測面積と登記面積が大きくズレている

土地の登記簿に記載された面積(地積)と、実際に測量した面積が一致するとは限りません。

特に古い土地では、過去の測量精度や境界の状況などによって、登記面積と実測面積に差が生じている場合があります。

そのため、売却前には「公簿面積で売るのか」「実測面積を基準に売るのか」「確定測量を行うのか」を確認し、売買契約の条件を明確にしておくことが重要です。

② 地中埋設物
  • 古い基礎・浄化槽・井戸・廃材
  • コンクリートガラ
  • 地中に残った杭

👉 解体後の土地でよく出る
👉 数十万〜数百万円の撤去費になることも

③ 土壌汚染
  • 工場跡・ガソリンスタンド跡など
  • 油・有害物質の残留

👉 発覚すると一気に高額リスク
👉 調査・改良で数百万〜数千万

④ 地盤の問題
  • 軟弱地盤
  • 不同沈下の恐れ
  • 盛土・切土の不具合

👉 建築できない or 追加改良費が必要になる

⑤ 法令上の制限
  • 再建築不可
  • 接道義務を満たしていない
  • 市街化調整区域の制限
  • 農地転用不可

👉 「思った用途で使えない」は典型的な不適合

③前面道路の種類・幅員

道路

土地に接道している道路の種類と幅員によって、土地の価格が異なりします。

<道路の種類>
①公道
②私道
③協定通路(道路ではない)


<接道&幅員>
①接道義務を満たしているか
(前面幅員4m以上 接道2m以上)

②セットバック未/済なのか?
※43条但し書き道路(43条2項2号許可)
国土交通省:建築基準法制度概要(接道)

③旗竿地で距離に対する幅員が市町村の規定内か?

私道の場合、位置指定道路であれば、再建築できます。

しかし、持ち分の問題で、再建築不可の場合もあり、

土地の価値が大暴落します。

宅建士:山口
宅建士:山口

前面道路の幅員が4m以上で

接道が2m以上なら建物を建築できます。

しかし、基準線から2m以上ないと、

セットバックで土地が削られるため、
土地の価値が下がりやすいです。

確認したいのは、

  • 建築基準法上の道路に該当するか
  • 道路の種類は何か
  • 道路幅員は何mか
  • 敷地が道路に2m以上接しているか
  • セットバックが必要か
  • 私道の場合、所有権や持分、通行・掘削承諾などに問題がないか
  • 建築基準法43条2項の認定・許可が関係する土地ではないか

④境界の確定

境界標(斜め矢印)

土地の境界は
①官民境界(かんみんきょうかい)
②民民境界(みんみんきょうかい) があります。

官民境界:土地と道路や水路や公園などとの境界(役所が立ち合い)
民民境界:民間人同士の境界線

両者を確定させることが「境界確定」となります。

官民境界民民境界
定義公共用地(道路・水路など)と民有地との境界民有地同士の境界
関係者国・地方公共団体(市区町村)と土地所有者隣接する民間地権者同士
調査・確定方法官民査定・立会・境界確認書(役所主導)当事者間協議、筆界確認、民間測量など
法的根拠公法的要素あり(道路法、河川法など)民法に基づく私人間の境界決定(民法第242条ほか)
境界標の設置公共側の境界標(境界杭、プレートなど)を設置双方合意による境界杭など
紛争対応行政と協議、必要に応じて行政代執行または訴訟調停・裁判(境界確定訴訟など)
登記への影響確定後、登記簿や地図に反映(法務局と連携)民民間で確定すれば必要に応じて地積更正など可能
具体例・市道と宅地の境界・河川敷と住宅地・隣接する住宅と住宅の敷地境界・アパートと隣地の境界

参考元『筆界特定書』とは?

宅建士:山口
宅建士:山口

官民境界は、道路台帳などで確認しましょう。

なければ未確定です。
また、民民協会は地積測量図で確認しましょう。

境界確定は2~3か月ほどかかり、40万円~ほどかかります。

お客様
お客様

面倒だな・・・

そのまま売れないの?

宅建士:山口
宅建士:山口

公募売買、という方法があります。

土地の登記簿面積のまま確定する売買方式です。

【土地売買】公簿・実測精算・確定測量の違いメリット・デメリット
土地・戸建てを購入する際、①公簿売買②実測売買③確定測量して売買のどれがよくあるケースなのか?土地購入前のメリット&デメリットを解説します。

⑤土地の面積の注意点

土地の面積を測量する人

先ほどの公募売買は、

土地の登記簿面積のまま売買金額確定します。

お客様
お客様

もし、登記簿よりも小さかったら、割引するの?

宅建士:山口
宅建士:山口

①実測面積清算金を支払う

②公募売買のまま、そのまま支払う

以上2つの方法があります。

内容清算の有無
公簿売買登記簿に記載の面積(例:100㎡)を基準に売買する。

実測面積が多少違っても価格は変えない。
原則として清算なし
実測売買測量後の実面積(例:102㎡)で売買価格を決める。

1㎡単価 × 実測面積で最終価格が決定。
原則として清算あり

仮に1㎡で5万円だとします。

①登記上の面積よりも実測面積が小さい場合
  登記簿100㎡ > 実測98㎡

※清算金10万円を買主に支払う

②登記上の面積よりも実測面積が大きい場合
  登記簿100㎡ < 実測102㎡

※清算金10万円を売りに支払う

売主側・買主側どちらかが実測し、

公募との面積に差異があった場合に、清算金を支払う方法です。

宅建士:山口
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地方は単価が低いせいか、
公募売買の金額のまま取引をするケースがあります。

逆に都心は確定測量をしてから、売買のケースが多いでそうですね。

⑥越境

土地の越境とは、お隣さんの境界を越えてしまうことです。

<よくある越境物(上空&地中)>
・木の枝
・物置の一部
・横樋
・軒
・ブロック塀(経年で傾く)
・上水道管
・ガス管
・浄化槽

越境物が目に見える(枝や樋など)場合は、お隣さんとの話し合いで解説するケースがあります。

しかし、地下埋設の上水道・ガス管・浄化槽は気づかず売却してしまうケースがあり、注意が必要です。

宅建士:山口
宅建士:山口

お隣さんの水道管が勝手に越境していた、ケースもあります。

お隣に独自の水道管を引き込む工事をお願いするか、
建て替えの際に越境物の解消する同意書を書いてもらいましょう。

越境とは、建物・ブロック塀・樹木・屋根・雨樋・配管などが、境界線を越えて隣地側に入り込んでいる状態です。

土地を売却する際に越境が判明した場合は、
「誰の所有物なのか」「越境を解消するのか」「将来建て替える際に撤去するのか」などを隣地所有者と確認しておくことが重要です。

越境の有無だけでなく、将来の対応まで書面で整理しておくと、買主への説明がしやすくなります。

⑦インフラ(水道/ガス)

土地売却では、上下水道・ガスなどのライフラインについても確認しておきましょう。

特に確認したいのは、

  • 上水道の引込管があるか
  • 下水道が整備されているか
  • 浄化槽を利用しているか
  • ガス管の種類や引込状況
  • 私設管か公設管か
  • 他人の土地を通る配管がないか
  • 引込管の口径や位置

などです。

「道路に水道管がある=敷地内まで水道が引き込まれている」とは限りません。

買主が住宅を建築する場合、給排水管の新設・交換などに費用がかかる可能性があるため、売却前に確認しておくと安心です。

⑧区域区分

区域区分

※国土交通省より参照

土地の区域区分についてです。

■市街化区域

市街化区域については、価値が高いため、さほど心配する必要がありません。

■市街化調整区域

・青地か白地か
・線引き前宅地なのか?
・山林なのか?

など確認しましょう。

項目第3条
(権利移動)
第4条
(自己転用)
第5条
(権利移動+転用)
主な適用場面農地を農地のまま他人に売ったり貸したりする (耕作目的の権利移動)所有者自身が自分の農地を農地以外
(宅地・駐車場など)に転用する
農地を売ったり貸したりして、買主・借主が転用する
(転用を前提とした権利移動)
対象となる行為・所有権の移転
・賃借権
・使用貸借などの設定
・移転
(採草放牧地を含む)
農地 → 農地以外への変更
(採草放牧地の転用は対象外の場合が多い)
農地 → 農地以外への転用を目的とした権利移動 (採草放牧地 → 農地以外も含む)
許可権者農業委員会都道府県知事
(または指定市町村長)
都道府県知事(または指定市町村長)
市街化区域内の特例許可が必要
(特例なし)
届出でOK
(許可不要)
届出でOK(許可不要)
無許可の場合の効力契約自体が無効原状回復命令・工事停止命令契約無効+原状回復命令
主な許可基準・すべて効率的に耕作できるか
・常時農作業に従事できるか
・地域の農業に支障がないか
・立地基準
(農地の優良度)
・一般基準
(確実な転用、周辺への影響なし)
・立地基準(農地の優良度)
・一般基準(確実な転用、周辺への影響なし)
簡単なイメージ例農家Aが農家Bに田んぼを売る
(売った後も田んぼのまま)
自分の田んぼを自分で駐車場に変えたい農地を売って、買った人が住宅を建てる

引用:改正農地法について

宅建士:山口
宅建士:山口

戸建が建築済みの場合は、いいですが、土地だけの場合は注意が必要

特に青地は「農業振興地域内農用地区域内農地」、
略して「農振」・「青地と呼ばれています。

青地の場合は、価値が低く、

建築のための申請手続きに1年以上かかります。

また、市町村長によっては、

農振除外が難しいため、注意しましょう。

白地は農業振興地域内農用地区域外農地のことです。

青地より規制が緩く、農振除外の申出は不要です。

宅建士:山口
宅建士:山口

白地はある程度高く売れるケースがあります。

土地が青地か白地か不明な場合、

市役所の農林課、農政課、農林業振興課等に足を運ぶか、

ファックスで質問してください。

市街化調整区域の農地転用の条件は難しい?34条?青地・白地って?
市街化調整区域の土地を購入して、農地転用する場合、どんな制限や条件があるのか?34条ってなに?青地だと厳しい?など、市街化調整区域に家を建てる際の疑問について解説します。

■非線引き区域

非線引き区域は

「①市街化区域」「②市街化調整区域」に区分されていない都市計画区域です。

市街化区域、市街化調整区域に比べて自宅の建築の制限は緩いといえます。

宅建士:山口
宅建士:山口

デメリットは将来、調整区域になるリスクも!

電気・水道・道路のようなインフラが未整備で調整区域になったら、
土地が暴落する可能性があります。

⑨権利関係

土地の権利関係は「誰が所有者か?」ということ。

勝手に他人の土地を売ることができないため、注意が必要です。

■名義変更はできているか

売主と登記名義人が異なっているか?確認しましょう。

宅建士:山口
宅建士:山口

登記の住所が前の住所のままだったり、
結婚&離婚で氏名が変更のままだったり。

その場合は、不動産会社に相談しましょう。

■相続登記

相続した土地の名義人が自分でない場合、相続登記が必要です。
相続登記が済んでいない場合、相続人が複数いると売却条件の合意や所有権移転の準備に時間がかかることがあります。

特に相続人が多い、過去の相続が未登記になっている、相続人の所在が分からないといったケースでは、売却開始前に司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。

なお、相続登記は2024年4月1日から義務化されています。

宅建士:山口
宅建士:山口

遺産相続協議書で相続が確定している場合は、

引き渡し日までに相続登記をしましょう。

■持ち分比率

相続で長女と長男が1/2ずつ土地を相続することになった。
※1/2は所有権のため、許可なく売却できます。

宅建士:山口
宅建士:山口

1/2ずつ他の持ち主に勝手に売られると後で面倒です。
共有者全員の同意を経て、土地を売却しましょう。

■抵当権・根抵当権

住宅ローンの残債があったり、根抵当権(※商売専用)が残っている場合
売却金額 > ローン残債で抵当権を抹消できるか確認しましょう。

宅建士:山口
宅建士:山口

ローン残債が多い場合は、手持ちの費用をプラスする
必要があります。

⑩賃貸中の土地(駐車場)

駐車場のイラスト

土地を誰かに賃貸している(駐車場や資材置き場)場合、
利用者の立ち退きが必要です。

宅建士:山口
宅建士:山口

原則1ヶ月前に「駐車場賃貸契約解除告知」

申し出る必要があります。

また、駐車場に機械式駐車システムなど構造物がある場合は、

解体が必要です。

⑪税金関係

土地を売却した場合の税金関係について解説します。

※手続きは税務署、税理士さんにお問い合わせ願います。

<土地の売買基本をまとめ>
・土地は消費税がかからない
・土地は減価償却しない
・譲渡所得税を計算(長期/短期)
・取得金が不明なら売買金額の5%
・特別控除や税制優遇を調べる
・申告と納税期限を守る

宅建士:山口
宅建士:山口

空地や駐車場など、建物がない土地を売却した場合は、
特別控除を受けられるケースがすくないです。

ただし、公共事業者・土地区画整理で売却した場合、
一部特別控除を受けられるケースがあるようです。

先祖代々の土地の場合、取得費が不明のため、売却価格の5%を取得費とするケースが多いです。

土地を売ったら「売却価格=利益」ではない

土地を1,000万円で売却したからといって、1,000万円すべてが利益になるわけではありません。

土地の譲渡所得は、原則として、

譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除=課税譲渡所得金額

という考え方で計算します。

取得費には購入代金などが含まれ、譲渡費用には仲介手数料や、売却のために直接必要となった測量費などが含まれる場合があります。

取得費が分からない場合には、一定の要件のもとで譲渡価額の5%を概算取得費として計算できる制度もあります。

実際の税額は所有期間や取得方法、特例の適用などによって変わるため、売却前に税理士や税務署への確認をおすすめします。

売却で手残り計算【土地・戸建・マンション】いくら残る?
不動産売却(戸建て、土地、マンション)をした後、売却額=すべて利益、というわけではありません。今回は、実際どれくらい手元に残る金額はいくらなのか?ざっくりですが計算をしてみました。

よくある土地売却トラブル5選

不動産売却のデメリットで悩む女性

実在人物ではないものの、行政資料・法務省・国交省などが示す“土地売却で実際に起きやすいケースを
参照してご紹介します。

1. 境界未確定「この塀、うちのじゃないの?」

父が残した土地を売ろうと決めたのは、固定資産税の通知が届いた春だった。
「更地だし、すぐ売れるだろう」

私はそう思っていた。古い木の塀があり、その内側がうちの土地。子どもの頃からずっとそう聞いてきたから、疑う理由なんてなかった。

ところが、買主候補が現れて測量の話になった途端、隣家のご主人が顔を曇らせた。
「その塀、昔から少しこっちに寄ってるって話でしたよね」

一気に空気が変わった。

不動産会社からは「境界確認が取れないと、買主さんがローン審査や建築計画を進めづらい」と言われ、
売買は保留。結局、土地家屋調査士に依頼して、隣地立会い、古い図面の確認、役所調査……

気がつけば数か月。
最初に出ていた買付は流れ、価格も下げることになった。

あのとき痛感したのは、“昔からそうだった”は、売買では何の証拠にもならないということだった。

境界が曖昧な土地は、面積違い、隣地との認識差、塀や杭の位置をめぐる争いにつながりやすく、売買の停滞要因になります。

国の地籍調査の案内でも、
「登記簿の面積と違っていた」「塀を作り替えようとしたら境界が違うと言われた」
といった典型例が示されています。国土交通省

もし話し合いでまとまらない場合でも、裁判以外に筆界特定制度という公的な手続があります。
これは、登記官と専門家が資料・測量・現地調査を踏まえて、本来の筆界を明らかにしていく制度で、境界問題の早期整理に役立ちます。政府広報オンライン

教訓
売り出す前に、境界標の有無、測量図の有無、隣地との認識差を確認する。
「買手がついてから測ればいい」は、かなり危険です。

2.相続未登記「名義がお父さまのままでは売れません」

母の介護費用の足しにしたくて、実家の隣の空き地を売ることにした。
仲介会社に資料を渡したら、担当者が静かに言った。
「すみません、登記名義がお父さんのままです」

胸がざわついた。

父が亡くなってから何年もたっていたし、兄とは疎遠、妹は県外。
「でも、相続人は私たち3人って分かってるから、売れますよね?」
そう聞くと、担当者は困ったように首を振った。
「まず相続登記が必要です。遺産分割の整理も要ります」

そこからが長かった。

戸籍を集め、兄妹に連絡し、ようやく話し合いの場を作ったと思ったら、今度は持分や代償金の話で止まる。

売却どころか、スタートラインにすら立てていなかったのだ。

今は、相続登記は「やったほうがいい」ではなく、義務になっています。

法務省によると、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます。
しかも、制度開始前の相続で未登記のままのものも対象です。法務省

教訓
土地を売るつもりが少しでもあるなら、まず確認すべきは価格ではなく権利関係の整理。
「そのうちやる」は高くつきます。

3. 接道トラブル「家が建てられない土地?!」

相続した古家付き土地を売るとき、私はずっと「住宅用地だから需要はある」と思っていた。

前面に細い通路があるし、車は入れないけれど、人は通れる。現に昔から家も建っていた。

だから、買主候補が「建て替え前提で検討したい」と言ってくれたときも、何の不安もなかった。

ところが、役所調査のあと、担当者から連絡が来た。

「この土地、接道要件が厳しいです。再建築の可否を慎重に見ないといけません」

頭が真っ白になった。

通路に見えていた部分が、建築基準法上の道路として扱えない可能性があるという。

結果、買主は融資が通しづらくなり、提示価格は一気に下がった。

土地売却では、“道に見える”ことと、“法的に建築できる”ことは別問題です。

国交省資料でも、建築物の敷地は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないとされており、接道義務を満たさない土地は建築・建替えに大きな制約が出ます。

さらに、2項道路ならセットバックが必要となり、思っていたより使える面積が減ることもあります。
国土交通省

売主側がこの点を曖昧にしたまま売却を進めると、価格交渉、融資否決、契約直前の白紙化につながります。土地の価値は面積だけでなく、“その土地で何ができるか”で決まるからです。
国土交通省

教訓
「前に家が建っていたから、今も建てられるはず」は危険。
売却前に、道路種別・接道長さ・セットバックの有無を役所で確認するだけで、かなりの事故を防げます。

4. 埋設物と土壌汚染トラブル

古家を解体して、きれいな更地にしてから売ろう。

それが、私の“誠実な売り方”だと思っていた。見た目が良ければ印象もいいし、解体しておけば買主も建築計画を立てやすい。そう考えて、解体工事を始めた。

数日後、業者から電話が入った。
「地中にコンクリートガラみたいなものがあります。古い基礎の残りかもしれません」

さらに後日、昔この近くに工場があった履歴が話題になり、

買主から「土壌調査は入っていますか」と聞かれた。

私は答えに詰まった。知らなかったのだ。本当に、何も。

売買で厄介なのは、“目に見えないものほど、発覚したときのダメージが大きい”ことです。

国交省の報告書でも、土地取引における土壌汚染問題では、

土地の履歴情報の告知、調査の有無、汚染の定義、損害賠償範囲、条件付契約、所有権移転時期などが争点になりやすいと整理されています。国土交通省

実務では、地中埋設物や土壌リスクがあると、撤去費用・調査費用・減額交渉・決済延期が連鎖しやすいです。

しかも、「知らなかった」で済まない場面もあります。

過去の利用履歴や、調査未実施である事実をどう説明したかで、売主の責任の見え方は大きく変わります。
国土交通省

教訓
昔の利用履歴に工場、事業所、資材置場、解体歴があるなら、“何も出ない前提”で売らない
必要なら、先に履歴確認や調査方針を固めたほうが、あとで揉めません。

5. 契約不適合責任でトラブル

決済の日、私はようやく肩の荷が下りた気がしていた。
長く持て余していた土地が売れた。仲介会社にもお礼を言って、帰り道には少しだけ高いコーヒーを買った。

でも、本当の意味で終わっていなかった。
1か月後、買主側から連絡が来た。
「掘削したら、古い井戸跡のようなものが見つかりました。聞いてません!

続いて、隣地との越境の話、排水管の位置の話、古い覚書の存在――。
私は焦って「現状有姿で売ったはずです」と言ったが、相手は静かに返した。
「契約書と告知内容を確認しましょう」

ここで初めて、私は“現状有姿”を都合よく誤解していたと知った。

民法上、引き渡した目的物が種類・品質・数量について契約内容に適合しない場合、売主は契約不適合責任を問われる可能性があります。

買主は追完請求、代金減額、損害賠償、契約解除などを主張し得ます。
つまり、「そのまま渡した」だけでは守りきれないのです。e-Gov法令検索(民法

不動産では特に、知っていた事実を告げなかった、契約書の記載が曖昧だった、告知書が雑だったというケースが火種になります。

境界、埋設物、越境、配管、古井戸、私道負担、利用制限などは、売主が知っている範囲を整理して残すことが重要です。e-Gov法令検索(民法)

教訓
売却は「引き渡して終わり」ではありません。
終わらせるためには、知っていることを曖昧にしないことです。
※現状有姿と契約不適合責任免責は別物です。

【FAQ】土地を売るときの注意点!

不動産売却のQ&Aについて
Q
土地を売るときに一番注意することは?
A

境界・接道・地中埋設物・法令上の制限・権利関係など、買主が購入後に問題となる事項を事前に確認しましょう

Q
土地は更地にしてから売った方がいい?
A

必ずしもそうではないです。解体費と売却価格の上昇額を比較して判断。

Q
境界が確定していなくても土地は売れる?
A

売買自体は可能な場合があるが、契約条件や買主の融資などに影響する場合があるため、事前確認が重要です。

まとめ

①家屋「あり」の注意点
②地中埋設物が出てきたら?!
③前面道路の種類・幅員
④境界の確定
⑤土地の面積の注意点
⑥越境
⑦インフラ


⑧区域区分

・市街化区域
・市街化調整区域
・非線引き区域

⑨権利関係
・名義変更はできているか
・相続登記
・持ち分比率
・抵当権・根抵当権

⑩賃貸中の土地(駐車場)
⑪税金関係

土地売却では、「高く売れるか」だけでなく、売却後に買主とのトラブルが起きない状態にしておくことが重要です。

特に、境界・接道・地中埋設物・越境・法令上の制限は、売却価格や契約条件に影響する可能性があります。

そのため、土地を売る前に不動産会社へ査定を依頼し、価格だけでなく「この土地を売る場合に何を確認・整理する必要があるか」まで確認することをおすすめします。

宅建士:山口
宅建士:山口

土地の売却をご検討中の方は、リヤマ不動産へご連絡ください。

【引用元一覧】

  1. 境界トラブル関連: 法務省:筆界特定制度
  2. 税金(特別控除)関連: 国税庁:土地・建物を売ったとき
  3. 地価・相場関連: 国土交通省:土地総合情報システム
  4. 群馬県独自の情報: 群馬県:農地転用の手続きについて

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この記事を書いた人
山口 力男

この記事の監修者:山口 力男(リヤマ不動産株式会社 代表取締役)
【所有資格】宅地建物取引士 / 2級FP技能士
【地域】群馬県伊勢崎市在住
※群馬県、埼玉県エリア対応致します。
【免許番号】 群馬県知事免許(1)第8077号

★当社が選ばれる3つの理由★
① 対応が早く、スピーディー
② 囲い込みをせず、正直な提案
③ ITを活用した幅広い販売活動

■ 専門領域・実績
群馬県内の「不動産売却・空き家対策・相続不動産」に特化した専門家。
これまで累計300件以上の売却・相続相談に対応してまいりました。

「実家の空き家をどうするか迷っている」
「相続した土地を売るべきか悩んでいる」
「今売ったらいくらくらいになるのか知りたい」

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を整理しながら、一緒に解決しませんか。
売却するかどうかは、
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無料相談受付中♪まずはお気軽にご連絡ください。
【Eメール】info@riyama-fudousan.co.jp
【電話】0270-61-6037

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