【結論】空き家を売却する方法は買取VS仲介どっち?!

実家が空き家なんだけど・・・
仲介と買取どっちがいいの?!
空き家など実家を売却する際、

①仲介業者で仲介で売るのか?
②買取店に買取してもらうのがいいのか?
まずは、特徴を解説します。
<仲介業者(買主:個人)>
・値段を重視する人向け
・時間がかかる、引き渡し後トラブルが多い
・契約不適合責任免責にできる可能性あり
<買取業者>
・安くなりがち
・契約不適合責任免責でトラブルなし
・現金化のスピードが速い
・相手がプロのため、文句がない

高く売るなら不動産仲介がベスト!
後々面倒なことに巻き込まれたくないなら、買取がベストです。
※解体後の埋設物などのトラブルが多いです。
【基礎】空き家を売却する4つの方法

空き家を売却するときの
4つの方法のそれぞれメリット・デメリットを解説します。
空き家を現状有姿で売却する

<メリット>
・残置物も含め、そのままの姿で販売するため、
手離れがいい
・掃除など不要
・設備の不具合もそのまま
(契約不適合責任免責あり)
<デメリット>
・価格が安くなる
・仲介の場合、買主によってはクレームに
現状有姿とは、「現在の状況のまま」という意味。
売買契約後に状況が変化しても、そのままで・・・
という意味合いが強いです。

古家のため、
契約不適合責任免責にするケースが多いです。
とはいえ、買主さんによっては後でクレーム・・・
仲介業者の対応能力・説明能力が問われます。
空き家を解体更地で売却する

旧耐震の戸建て空き家は
①解体更地で売る
②引き渡し後に解体してもらう
2つの方法があります。
<メリット>
・解体前提のため、建物の不具合は無関係
・更地になるため、買主は新築のイメージがしやすい
<デメリット>
・解体費用がかかるため、値下げになりやすい
・解体→更地にすると固定資産税がアップ

①解体更地後に、引き渡すか?
②引き渡してから更地にするのか?
個人的には、
引き渡してから買主様で更地にしてもらったほうがいいです。
<買主様で解体してもらう理由>
①解体費用の追加工事がかかるケースがある
②埋設物が出てきたら面倒
③ハウスメーカー提携の解体業者に依頼したほうがいい
④固定資産税がアップする
⑤更地渡しの定義があいまい(隣地ブロックは不要?!)
⑥売主様で解体費用を支出したくない人が多い
買主様に値下げ交渉されますが、
後々のトラブルを考えると、そのまま引き渡しがおすすめです。

契約不適合責任免責は建物、
土地両方とも適用させましょう
また隣地との境界トラブルも多いため、信頼できる不動産屋さんに調査をお願いしましょう。
個人間(知り合い・友達)で売買する
<メリット>
・知り合いなので、即売れる
・仲介手数料がかからない
<デメリット>
・相場から逸脱して安く売ると、贈与に
・契約書・重要事項説明書がないとローンが組めない

友達や親せきで利用する人がいたら、
直接売却する方法もあります。
ただし、住宅ローンを組む際、
契約書・重要事項説明書が必要なため、注意が必要です。
不動産投資家に空き家を売却する
<メリット>
・契約不適合責任免責を受け入れてくれるケースが多い
・細かいことは言われない
・家の解体は寂しい場合、大切に活用してくれる
<デメリット>
・値下げ交渉がキツイ

不動産投資家で、築古の空き家を狙っている人が多くいます。
ある程度ベテランさんに売却すれば、
クレームはほぼありません。
築年数によってベストな売却方法は?

築年数によってベストな売却方法を3パターンで分けました。
①新耐震(築40年以内)なら中古住宅
新耐震(1981年6月1日から建築確認)の空き家は、
居住用での売却がおすすめです。
※リフォームすることで、再利用できる可能性が高い
②旧耐震(1981年5月31日まで)なら更地土地
旧耐震の空き家は危険です。
(震度5程度の地震しか想定していない)
空き家の解体を前提に売却するか、投資家に売却しましょう。
③判断できない場合
不動産屋さんに問い合わせをしてましょう。
アドバイスを聞くことで、新しい方法が見つかるかも?しれません。
空き家の売却にかかる費用と税金


空き家を売ると、
諸経費や税金はいくらかかる?
空き家の売却にかかる費用と税金について解説します。
仲介手数料
物件価格×3%+6万円に別途消費税がかかります。
例:1000万円なら39.6万円(税込み)

800万円以下の場合は、共通して30万円+消費税です。
2024(令和6)年7月1日より仲介手数料の料率が改正され、
「物件売買価格が800万円以下の場合、最大30万円受け取ることができる」ことに変更
例えば、150万円の空き家でも、仲介手数料は33万円(税込み)です。
税金
空き家売却にかかる税金の一般的な解説です。
※詳細は税務署・税理士さんに相談願います。
①譲渡所得税
例えば物件を500万円で仕入れて、700万円で売却すると200万円の利益がうまれます。
その利益に対して、譲渡所得税を課税します。

相続の場合、売買契約書など証拠がないと、
取得費がわかりません。
5%ルールといって、
購入額(取得費)が不明の場合、売却額の5%を、
取得費とみなして譲渡所得の計算するルール
例えば、700万円で売却すると、
取得費は5%で35万円です。

契約書以外で証拠になりそうなものがあれば、
直接税務署に足を運んで、聞いてみましょう。
②印紙税
収入印紙は売買契約書に貼付する切手のような紙ぺらです。
売主・買主ともに「契約書の原本」が欲しい場合は、
売主様もご負担となります。
※電子契約なら、売主&買主とも不要です。
③相続登記
親から相続した場合、登記が被相続人(親名義)のままのケースが多いです。
遺産分割協議書を作成し、
問題なければ、相続登記を済ませましょう。

相続登記をしないと、引き渡しできません。
手続きは10日~2週間ほどかかります。
<相続登記はいくら?期間は?>
建坪28坪の古家+土地55坪の相続登記にかかる費用と期間
※ざっくりな計算です。
【概要】 | 【金額の目安】 | |
登録免許税 | 固定資産評価額 × 0.4%(不動産ごと) | 3万~8万円前後 |
司法書士報酬 | 書類作成・登記手続き代行 | 5万~10万円前後 |
戸籍・住民票・除籍謄本等 | 被相続人や相続人の調査・証明書類の取得費(1通~750円程度) | 5,000円〜1万円程度 |
郵送・交通・印紙等の実費 | 書類送付、印紙代など | 3,000〜5,000円程度 |
合計の目安 | – | 約10万〜20万円程度 |
【所要期間の目安】 | |
相続人調査(戸籍収集など) | 約1〜2週間 |
登記申請書作成・必要書類準備 | 約1週間〜10日程度 |
法務局への登記申請〜完了 | 約1週間〜2週間程度 |
合計期間の目安 | 約3〜5週間程度(1か月前後) |
解体費用(更地にする場合)

空き家を解体して更地にする場合、解体費用がかかります。
木造住宅は坪5万円ほどで、例えば建坪30坪なら150万円ほどです。

解体業者や埋設物の処理、地域など金額差があります。
空き家売却の特例・控除や補助金の利用

空き家売却の特例・控除や補助金の利用について解説します。
①空き家解体の補助金
市町村長によります。
「〇〇市 解体補助金」で検索してみてください。
②居住用財産の3,000万円特別控除
マイホーム(居住用財産)を売ったときは、
所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。
これを、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。
居住していたが、
空き家になってしまった場合に適用されるケースがあります。

細かい条件は国税局のHPを必ず参照してください。
③相続空き家の3,000万円特別控除
空き家の譲渡所得について
条件を満たせば「3,000万円特別控除」に該当する可能性があります。
・昭和56年5月31日以前に建築された居住用家屋であること
・新耐震基準に適合する建物として売却するか、家屋を取り壊して土地だけを売却している※
・相続発生から売却までに居住、貸付、事業等に使われていないこと。
・相続発生から3年後の12月31までに売却している。
・売却価格が1億円以下である。
→国税局のチェックシートを活用してください

国税局のチェックシートを確認してください。
空き家を売却する際の注意点

空き家を売却する際の注意点をまとめました。
①売主が登記名義人か確認
空き家の売主名義が被相続人のままだと、引き渡しができません。
また、遺産分割協議が未完の場合、税理士や弁護士に相談、
完成してから売買契約を締結しましょう。
②土地の境界に注意
相続の空き家の場合、
「お隣さんとの境界はどこか?」「ブロック塀はウチの所有物なのか?」
亡くなった親に聞くわけにいきません。
境界が不明瞭の場合、最悪「売買契約の特約」で売却することも可能です。

本来、境界の明示が必要ですが、
最悪の場合、売買契約の特約に以下を記載します。
<境界の非明示の特約>
買主は本物件土地に関し、売主が境界の明示を省略することを承諾の上、買い受けるものとし、将来本物件土地の面積、形状等に変化、差異が生じても、買主は売主に対して何らの異議を申し立てない。
田舎が遠方で境界立ち合いが面倒だったり、
安くてもいいから空き家を売りたいのであれば、買取店がベストといえます。
③土地の利用履歴に注意
空き家を解体後に「埋設物の責任問題など」が発生します。
※解体屋さんに質問をしたら3回に1回埋設物が見つかるようです。

私の自宅も解体したら、大量のビニール・土留めが発掘されました(汗)
別途5万円近くの出費は少し痛かったです・・・
私の自宅は昔「小さな池?」だったようで、
農家の人が大量にビニールハウスのビニール部分を勝手に捨てたようです。
空き家を売却する際、昔その土地に何が建てられていたのか?
ご近所さんに聞くとわかるかもしれません。
地図、空中写真閲覧サービスを利用してみてください。
空き家売却におけるよくある質問Q&A

空き家売却で
よくある質問をQ&A形式で解説します。
Q:どの不動産屋にお願いすればいい?
空き家の売買は大手仲介店はやりたがりません。
そのため、当社を含めた、
中小地場系の不動産屋さんがおすすめです。

仲介手数料の問題で、大手は手を出しづらいようです。
また、旧耐震の空き家は「契約不適合適任免責OKの業者さん」
にお願いしましょう
Q:空き家が売れる期間は?
値段や状態によります。
1か月で売れてしまうこともあれば、
1年以上空き家のまま放置・・・
ということもあります。
Q:売れ残りやすい空き家は?
相場より「高めの空き家」は売れ残ります。
また、土地の小さすぎたり、歪な場合も解体後を考えると、売れ残りやすいです。
Q:残置物は処分したほうがいい?
現状有姿で買取、仲介で買います!であれば、
残置物OKのケースはよくあります。

仲介の場合、買主さんによって細かい人がいます。
そのため、面倒な場合、買取店がベスト、といえます。
Q:再建築不可でも売れる?
空き家の値段によりますが、売れます。
特に、不動産投資家さんは再建築不可でも積極的に買ってくれます。
Q:市街化調整区域でも売れる?
市街化調整区域でも売却は可能です。
しかし、使用用途(※賃貸NG)や再建築可/不可について、
不動産屋さんとよく相談してから売りましょう。
まとめ

〇買取VS仲介どっち?
・高く売るなら仲介がベスト!
・後々面倒なことに巻き込まれたくないなら、買取がベストです。
〇空き家を売却する4つの方法
①空き家を現状有姿で売却する
②空き家を解体更地で売却する
③個人間(知り合い・友達)で売却する
④投資家に売却する
解体して更地で引き渡す | 建物付きでそのまま引き渡す | |
✅ メリット | 買主の自由な建築計画が立てやすい | 解体費用が不要 (売主負担減) |
老朽化建物による印象悪化を回避できる | 建物利用を希望する買主には好印象 | |
瑕疵リスクを排除できる | 固定資産税が軽減されやすい (住宅用地特例) | |
⚠️ デメリット | 解体費用がかかる (100万~200万円前後) | 古家に瑕疵があるとトラブルの可能性 |
固定資産税が更地になると上がる | 買主が自分で解体する必要がありコスト負担増 | |
買主が建築時期を急がないと雑種地扱いの恐れあり | 売却に時間がかかる場合がある | |
売却のしやすさ | 建築希望者には有利 (早期売却が期待) | 住宅として使う人には有利 (リフォーム向け) |
瑕疵担保責任 (契約不適合責任) | 免責としやすい (建物がないため) | 建物に不具合があると責任を問われることも |
資産価値への影響 | 更地評価のみ (建物価値なし) | 建物に価値があれば上乗せ可能 |
解体タイミング | 売主が事前に対応 | 買主が購入後に対応 |
買主の負担感 | 減少 (解体済みで手間が省ける) | 増加 (解体費用・手配が必要) |
古家付き土地(空き家)を高く売るための
あなたのお役に立てれば幸いです。
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