【白地】農地を売る全手順!費用・注意点※どこに相談すればいい?

農地(白地)を売る方法について解説 不動産売却の基礎
  1. 市街化調整区域(白地)を売りたいけど、どうすればいい?
  2. 白地(しろじ)農地とは?青地との決定的な違いと売却相場
    1. 青地と白地の比較表
    2. 農地マップと農業委員会で確認
  3. 白地農地の売却手順【スケジュール:約6ヶ月〜】
    1. Step 1: 農地ナビ・農地マップで白地か確認
    2. Step 2: 農業委員会での公式確認・立地分類・見込み聴取
    3. Step 3: 売主から媒介を受け、販売開始・本格役所調査
    4. Step 4: 買主決定・売買契約(停止条件を付ける)
    5. Step 5: 確定測量(土地家屋調査士)
    6. Step 6: 農地転用・開発許可等の申請(行政書士等)
    7. Step 7: 各許可の取得
    8. Step 8: 決済・所有権移転&引渡し
  4. 白地農地の売却にかかる全費用・税金シミュレーション
    1. 売却費用一覧
  5. 知らないと損する!税金の控除・特例制度
    1. ① 800万円の特別控除(農地拡大等のための売却)
    2. ② 500万円の特別控除(収用等に伴う売却)
    3. ③ 3,000万円の特別控除(自宅敷地とセットで売却)
  6. 白地農地売却で失敗しないための5つの注意点
    1. 注意点1:インフラ状況(水道・排水・道路)による評価額の下落
    2. 注意点2:無許可転用(農地法違反)の罰則リスク
    3. 注意点3:相続未登記(名義変更漏れ)の放置
    4. 注意点4:境界未確定によるトラブル
    5. 注意点5:農地転用許可の標準処理期間
  7. よくあるQ&A
  8. まとめ:白地農地の売却は「事前準備」と「専門家選び」がすべて

市街化調整区域(白地)を売りたいけど、どうすればいい?

白地(しろじ)農地は、青地(農用地区域内農地)と比べて農地転用が容易であり、
適切な戦略を立てれば早期かつ高値での売却が可能です。

しかし、農地法第4条・第5条の許可申請税金控除(500万円特別控除等)の適用条件境界確定の手順を誤ると、取引の中断や損害を生じるリスクがあります。

本記事では、白地農地をスムーズかつ最高値で売却するための

手順、発生する費用、失敗を防ぐ注意点を徹底解説します。

宅建士:山口
宅建士:山口

今回は調整区域の農地(白地)に絞り、徹底解説します。
※青地は受け付けておりません。

白地(しろじ)農地とは?青地との決定的な違いと売却相場

農地売却を成功させる第一歩は、所有する農地の「区分(農振区分)」を正確に把握することです。

青地と白地の比較表

項目青地
(農用地区域内農地)
白地
(農業振興地域外・白地地域)
定義今後も農地として保全すべき土地青地以外の農地
(市街化調整区域含む)
農地転用原則不可
(農振除外が必要)
可能(農地法4条・5条の許可申請)
買主の対象原則として
農家・農地所有適格法人
一般個人
②法人
③不動産業者
売却価格低い
(農地価格)
高い
(宅地・資材置場などの見込み価格)
売却難易度極めて高い適切に手続きすれば比較的容易

行政機関への確認方法:

土地が白地かどうかは、市役所・役場の「農林課(農業振興課)」または「農業委員会」の窓口で「地番」を伝えることで、即座に確認できます。

引用元・根拠:農林水産省「農業振興地域制度の概要」

農地マップと農業委員会で確認

eMAFF農地ナビ – 地図画面を開いて、
②所在・地番を入力し
③農振法区分を確認

宅建士:山口
宅建士:山口

農業振興地域内・農用地区域内(青地)と表記されていたら、アウトです。

農振法区分:設定なし/白地など
と表記があれば、白地の可能性が高いです。

④農業委員会へ確認

あなたの土地がある市町村の農業委員会に問い合わせをしましょう。
農業委員会事務局 – 伊勢崎市など

最終的にそこで、種類を教えてもらえます。

区分内容原則売却・建築
青地農業振興地域内の
農用地区域
原則として転用不可売却はできるが、住宅建築は非常に困難
(まず除外申請が必要
白地・第1種農地良好な農地
(集団農地など)
原則転用不可住宅用地としてはかなり難しい
白地・第2種農地第3種に代わる土地がない場合など条件付きで転用可許可されることが多い
白地・第3種農地市街地に近い農地転用しやすい一般住宅なら比較的許可されやすい
宅建士:山口
宅建士:山口

2種、3種であれば、
一般住宅用地として、売却できる確率が高いです。

※1種や青地はほぼ不可能です。

白地農地の売却手順【スケジュール:約6ヶ月〜】

白地農地の売却は、
一般の住宅用地と異なり「行政手続き(農地転用許可)」が契約の成否を握ります。

Step 1: 農地ナビ・農地マップで白地か確認

  • 実施すること: 全国の農地情報を閲覧できるウェブサイト「農地ナビ」を活用し、対象地番の農振区分(農用地区域内=青地、または農業振興地域外=白地など)を一次確認します。
  • ポイント・注意点:
    • 農地ナビの情報はアップデートのタイムラグがあるため、あくまで「事前のアタリをつける」ための一次スクリーニングとして使用します。これだけで白地確定と断定してはいけません。

Step 2: 農業委員会での公式確認・立地分類・見込み聴取

  • 実施すること: 市役所・公認窓口の農業委員会(または農林課)に直接赴き、地番を提示して「白地(農業振興地域外)」で間違いないか公式な確認を行います。
    併せて、農地法上の農地立地分類(第1種・第2種・第3種)の該当区分と、転用許可の公算を聞き取り調査します。
  • ポイント・注意点:
    • 農地立地分類の重要性:
      • 第3種農地: 市街地化が進んでいる区域(駅周辺や幹線道路沿いなど)。原則として転用許可が下りる
      • 第2種農地: 街区化が見込まれる農地。周辺の非農地に代替えできない理由(代替性)が必要。条件を満たせば転用可能。
      • 第1種農地: 良好な営農条件を備えた農地。原則不可だが例外規定あり。
    • 見込み聴取時の聞き出し方:
      「売買・転用の許可は下りますか?」という抽象的な質問ではなく、
      「〇〇(例: 資材置場・戸建住宅)として買主が利用したい場合、許認可の障壁になりそうな条件はありますか?」と具体的用途を挙げて確認します。

Step 3: 売主から媒介を受け、販売開始・本格役所調査

  • 実施すること: 売主と媒介契約を締結し、売り出しを開始します。
    同時に、都市計画課・道路課・上水道課などの関係部署で詳細な役所調査を実施します。
宅建士:山口
宅建士:山口

役所調査、インフラ調査などはリヤマ不動産が行います。

  • ポイント・注意点:
    • 確認すべき法令規制:
      • 市街化調整区域かどうか: 市街化調整区域内の場合、農地転用(第5条許可)に加えて都市計画法第29条に基づく「開発許可」または第43条に基づく「建築許可」が必要になります。
      • 道路種別と排水経路: 前面道路が建築基準法上の道路か、雨水・汚水の放流先(側溝や下水道)が確保できているかを確認します。インフラ整備費が高額になる場合、売買価格の調整が必要になります。

※市街化調整区域は浄化槽になるケースが多いです。

Step 4: 買主決定・売買契約(停止条件を付ける)

  • 実施すること: 買主(個人・法人・事業者)が決定したら、売買契約を締結します。
    この際、「特例・許認可が得られなかった場合に契約を無効(白紙撤回)にする特約」を必ず盛り込みます。
  • ポイント・注意点:
    • 停止条件(または解除条件)の記載例:
      「本契約は、買主において本物件にかかる農地法第5条の許可(および都市計画法に基づく開発許可等)が得られることを停止条件として効力を生じます。

      万一、行政当局の不許可・指示等により期日(20〇〇年〇月〇日)までに許認可が得られなかった場合、本契約は当然に無効となり、売主は受領済みの手付金等を無利息にて速やかに全額返還するものとします。」

    • 手付金の扱い: 許可が下りるまでの期間が長いため、手付金は少額に抑えるか、第三者機関・保全手続を活用することがトラブル回避に繋がります。

Step 5: 確定測量(土地家屋調査士)

  • 実施すること: 隣接地所有者・自治体(道路・水路など)の立ち会いのもと、確定測量を行い境界標を設置します。
  • ポイント・注意点:
    • 費用の負担者: 売主負担が一般的ですが、農地売買では買い手の利用目的に合わせて分画測量・分筆を行うケースもあり、条件交渉で買主負担・折半とする場合もあります。
    • スケジュール連動: 開発許可申請や農地転用申請には「確定測量図(地積測量図)」の添付が求められるケースが多いため、開発許可申請手続きと並行して速やかに進めます。

Step 6: 農地転用・開発許可等の申請(行政書士等)

  • 実施すること: 行政書士等の専門家を窓口として、行政機関へ書類を提出します。
  • ポイント・注意点:
    • 申請手続きの種類:
      • 農地法第5条許可: 売買・賃貸に伴う農地転用(農業委員会および都道府県知事へ申請)。
      • 開発許可(都市計画法第29条): 区画形質の変更(盛土・擁壁・道路建設など)を伴う建築行為を行う場合に必要。
    • 並行処理の重要性: 農地転用と開発許可は「同時申請・並行審査」を行う自治体がほとんどです。
      申請締切日(月1回の農業委員会総会など)から逆算して、すべての書類を揃える必要があります。

Step 7: 各許可の取得

  • 実施すること: 農業委員会および自治体より「農地法第5条許可通知書」および「開発許可通知書」の発行を受けます。
  • ポイント・注意点:
    • この「許可通知書(原本)」は、法務局で農地から宅地・雑種地へ所有権移転登記を行う際、必ず添付しなければならない最重要書類です。

Step 8: 決済・所有権移転&引渡し

  • 実施すること: 司法書士の立ち会いのもと、買主から売主へ売買代金の残金を決済し、所有権移転登記を申請します。引き渡し完了後、買主は建築確認申請を経て指定の建築工事に着工します。
  • ポイント・注意点:
    • 地目変更のタイミング: 売買決済時は地目がまだ「田・畑」のまま所有権移転を行い、買主が造成・建築完了した後に地目を「宅地」や「雑種地」へ変更登記する流れが一般的です。

白地農地の売却にかかる全費用・税金シミュレーション

売却によって得られる手元残金を計算するには、発生するコストを事前に把握することが重要です。

売却費用一覧

費用項目目安金額備考
仲介手数料成約価格×3%+6万円+消費税
※800万円以下は33万円(税込)
宅地建物取引業法による上限金額
確定測量費用30万円〜70万円面積や隣接地の数により変動
農地転用申請費用10万円〜20万円行政書士への報酬
印紙税5,000円〜1万円程度売買契約書に貼付する印紙代
抵当権抹消登記費用1万〜2万円根抵当権の設定がある場合
譲渡所得税・住民税売却益(譲渡所得)
の15%〜39%
所有期間(5年超か以内か)で
税率が変化
※農地は先祖代々のため、
長期が多いです。

引用元・税率根拠:

知らないと損する!税金の控除・特例制度

農地売却における節税対策は、利用できる特例を知っているかどうかで数百万円単位の差が出ます。

① 800万円の特別控除(農地拡大等のための売却)

農業用として買い手に売却する場合や、農地中間管理機構(農地バンク)へ売却する場合、最大800万円の譲渡所得控除が適用可能です。

② 500万円の特別控除(収用等に伴う売却)

公共事業等のために白地農地を売却・買い取られた場合、
500万円の特別控除が適用されるケースがあります。

③ 3,000万円の特別控除(自宅敷地とセットで売却)

農地に隣接する自宅(被相続人の居住用家屋等)と一緒に売却する場合、
条件を満たせば「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用可能です。

※特例の適用要件は極めて複雑です。
売買契約締結前に必ず所轄の税務署または税理士へご相談ください。

引用元:国税庁「譲渡所得の特別控除の種類」

白地農地売却で失敗しないための5つの注意点

注意点1:インフラ状況(水道・排水・道路)による評価額の下落

宅地転用を見込んで売却する場合、前面道路の幅員(4m以上必要)や、
上下水道・プロパンガスの引き込み状況が価格に直結します。

引き込み工事費用が高額になる場合、売却価格を引き下げざるを得ない場合があります。

注意点2:無許可転用(農地法違反)の罰則リスク

農業委員会の許可を得ずに農地を売買・転用した場合、農地法第92条・第93条に基づき、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人の場合は1億円以下の罰金)が科されます。

契約の無効や原状回復命令のリスクもあるため、必ず適切な法手続きを行ってください。

注意点3:相続未登記(名義変更漏れ)の放置

亡くなった親や祖父の名義のままでは売却契約ができません。

「相続登記の義務化(2024年4月1日施行)」に伴い、
売却前に必ず所有権移転登記を完了させておく必要があります。

引用元:法務省「所有者不明土地の解消に向けた表題部所有者不明土地の解消等に関する法律」

注意点4:境界未確定によるトラブル

農地は目印(畦道・用水路など)があいまいなことが多く、
売却後に買主と隣地所有者との間で境界トラブルが発生するリスクが高いです。

宅建士:山口
宅建士:山口

農地は広く、分筆を想定すると、確定測量はほぼ必須です。

注意点5:農地転用許可の標準処理期間

農業委員会の審議は月1回ペースで開催されるのが一般的です。

書類の提出締め切りを逃すと申請が1ヶ月遅れるため、行政書士との密接なスケジュール調整が必要です。

よくあるQ&A

不動産売却のQ&Aについて
Q
白地ならすぐ家が建てられますか?
A

必ずしも建てられるわけではありません。白地でも農地であれば、農地転用許可が必要です。
また、市街化調整区域では開発許可や建築許可が必要になる場合があります。

Q
白地なら誰でも購入できますか?
A

はい、住宅用地として購入する人や不動産会社でも購入できます。
ただし、農地転用許可など必要な許可が取得できることが前提です。

Q
白地農地は売買契約を先にしても大丈夫ですか?
A

はい。
一般的には「農地転用許可や開発許可が取得できること」を停止条件とした売買契約を締結します。
許可が下りなかった場合は契約を解除できる内容にすることが多いです。

Q
地なら必ず農地転用が許可されますか?
A

いいえ。白地でも第1種・第2種・第3種農地によって許可の難易度が異なります。
また、立地や周辺状況、利用目的によっても判断されます。

Q
確定測量や行政書士への報酬は誰が負担するの?
A

売主側が負担をするケースが多いです。
ただし、条件により買主側のケースもあります。

Q
大きい農地は確定測量しないと売れない?
A

売れません。
購入者が分筆するケースがほとんどのため、確定測量は必須です。

まとめ:白地農地の売却は「事前準備」と「専門家選び」がすべて

不動産情報をまとめる女性

白地農地は、適切な転用手続きと用途提案を行えば、非常に魅力的な不動産資産となります。

  1. まずは農業委員会で「白地(農業振興地域外)」であることを確実に確認する
  2. 境界確定・必要書類の準備を早期に進める
  3. 農地転用に強い不動産会社・行政書士・税理士のチームを組む

正しい手順を踏み、適切なパートナーを選ぶことで、
リスクを最小限に抑えつつ納得のいく高値売却を実現しましょう。

宅建士:山口
宅建士:山口

農地(白地)の売却のご相談は、リヤマ不動産へお問合せください。
青地は受付しておりません。

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この記事を書いた人
riyama

このブログの担当者:山口力男
■伊勢崎市在住
リヤマ不動産株式会社 代表取締役
※宅地建物取引士 / FP2級

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