不動産売却の7つのステップ
不動産売却は一般的に
①査定→②媒介契約→③販売活動→④売買契約→⑤引き渡し準備→
⑥残代金決済・引き渡し→⑦確定申告の順番
ただし、実際の売却では、物件の種類や権利関係、住宅ローンの有無、相続の状況などによって必要な手続きが変わります。
特に重要なのは、査定額だけで不動産会社を決めるのではなく、「どのような根拠で価格を算出したのか」「売却に必要な調査をどこまで行うのか」「販売活動をどのように報告するのか」を確認することです。
この記事では、群馬県で不動産売却・空き家・相続不動産の相談を受けてきた宅地建物取引士が、実際の売却現場で確認するポイントも含めて、不動産売却の流れを分かりやすく解説します。
①価格査定
不動産会社に依頼し、売却できる価格の目安を把握します。
不動産の査定には、主に次の2つがあります。
- 机上査定(簡易査定)
- 訪問査定(現地査定)
| 項目 | 机上査定 | 訪問査定 |
|---|---|---|
| 内容 | データだけで価格を算出 | 実際に現地を見て査定 |
| 精度 | おおよその価格 | より正確な価格 |
| スピード | 早い(即日〜翌日) | 数日かかる |
| 手間 | かからない | 立ち会いが必要 |
| おすすめの方 | まず相場を知りたい方 | 本気で売却を考えている方 |

机上査定は現地を見ないでざっくり判定。
訪問査定は実際に足を運んで、精度の高い査定が可能です。
ちなみに、訪問査定は、より正確な調査を致します。
| 【調査項目】 | 【確認先】 | 【内容】 |
| 登記情報 | 法務局 | 所有者・面積・権利関係の確認 |
| 用途地域 | 市役所 | 建築できる建物の種類・制限 |
| 道路状況 | 市役所 | 接道義務・幅員・公道/私道 |
| 上下水道 | 水道局 | 引込状況・負担金の有無 |
| 都市計画 | 市役所 | 市街化区域・調整区域の確認 |
| ハザード | 市役所 | 洪水・土砂災害リスク |
| 固定資産税 | 市役所 | 評価額・税額の確認 |

当社では、このような調査を行い、適正価格を算出しています。
査定評価の算出方法は以下のリンクにて↓

ちなみに、売却費用はいくらかかるのか?
| 項目 | 内容 | 計算 | 金額目安 |
|---|---|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社への成功報酬 | (980万×3%+6万)+消費税 | 約38.9万円 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼付 | 1,000万円以下 | 5,000円 |
| 登記費用 | 抵当権抹消など | 司法書士報酬含む | 約1〜3万円 |
| 測量費(任意) | 境界確定など | 土地の場合 | 約30〜80万円 |
| 解体費(任意) | 建物解体 | 木造30坪目安 | 約100〜150万円 |
| 残置物撤去 | 家財処分 | 空き家の場合 | 約5〜20万円 |
| 譲渡所得税 | 利益が出た場合 | 所得次第 | 0円〜数十万円 |
②媒介契約
依頼する不動産会社を決め、正式に売却の契約を結びます。
※費用はかかりません。
不動産を売るときは、次のいずれかを選びます。
- 専属専任媒介
- 専任媒介
- 一般媒介
| 項目 | 専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 |
|---|---|---|---|
| 依頼できる会社 | 1社のみ | 1社のみ | 複数社OK |
| 自分で買主を見つける | ❌できない | ⭕できる | ⭕できる |
| レインズ登録 | 5日以内 | 7日以内 | 任意 |
| 報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | なし |
| 売却のスピード | 早い | やや早い | 遅くなりやすい |
| おすすめの方 | しっかり任せたい方 | バランス重視 | 自分でも動きたい方 |
レインズは、不動産業者同士の「出会い系」のようなサイトです。
①東日本レインズ公式サイト
②近畿レインズ公式サイト
③中部レインズ公式サイト
④西日本レインズ公式サイト

どれを選べばいい?

迷った場合は「専任媒介がおすすめ」です
<専任媒介のメリット>
・しっかり販売してもらえる
・自分で見つけた買主とも契約できる

「専任媒介が必ず正解」というわけではありません。
専任媒介は、1社の不動産会社に販売活動を任せながら、売主自身が買主を見つけることもできるため、「窓口を一本化して、販売状況をしっかり管理してもらいたい」という方には向いています。
一方、複数の不動産会社に同時に依頼したい場合は一般媒介、自分で買主を見つけることがなく、販売活動を1社に任せたい場合は専属専任媒介が選択肢になります。
大切なのは、媒介契約の種類だけで判断するのではなく、「どのような販売活動をしてくれるのか」「レインズへの登録や活動報告はどう行われるのか」まで確認することです。
③販売活動
広告・ネット掲載・内覧対応などを行い、購入希望者を探します。
【広告掲載】
不動産サイト(SUUMO・アットホームなど)に掲載します。
【写真撮影・資料作成】
見やすい写真や資料を作り、魅力を伝えます。
【購入希望者の対応】
お問い合わせ対応や、内覧(見学)のご案内を行います。
【条件交渉】
価格や引き渡し時期などを調整します。

活動報告は例えば、専任媒介の場合は、2週間に最低1回以上報告を致します。
①メール②ライン③電話④手紙などです。
④売買契約
1:買付証明書の提出
購入者が不動産を内覧し、「この不動産を購入したい」となったら、
買付証明書に条件を記載します。

例えば口頭で
「980万円で土地を買いたいです」
じゃダメ?!

ダメです。
口頭だと「言った言わない」の水掛け論になります。
①金額②ローンを使うか③売買契約はいつか
など買付証明書に記載をし、提出します。
売主様が買付証明書を受け取り、「納得したら」売買契約を締結します。
買付証明書は、購入希望者が「この条件で購入したい」という意思を示すための書面です。
価格、住宅ローンの利用、契約希望日、引き渡し希望日などの条件を確認し、売主と買主が条件について合意したうえで、正式な売買契約へ進みます。
そのため、買付証明書を受け取った段階では、まだ売買契約が成立していない点に注意が必要です。
売主としては「金額が高い買付だから即決する」のではなく、住宅ローンの有無、契約条件、引き渡し時期、契約解除に関する条件なども確認してから判断することが大切です。
2:書類の準備
| 【内容】 | 【備考】 | |
| 本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなど | 有効期限内のもの |
| 印鑑 | 実印または認印 | 契約内容による |
| 登記識別情報 | 権利証または登記識別情報通知 | 所有者確認 |
| 銀行口座情報 | 振込先口座 | 売却代金の受取用 |
| 収入印紙 | 契約書に貼付 | 売買価格により金額変動 |
3:重要事項説明書(買主のみ)
重要事項説明書(略:重説)は買主に説明&交付します。
不動産購入する時の「説明書」のようなもので、
宅地建物取引士が法律で義務付けられた事項等について書面を交付し、説明します。
※約1.5~2時間ほどかかります。
4:売買契約
売主&買主が双方、不動産売買契約書に、署名&押印をします。
<方法>
①持ち回り契約(事前に署名捺印してもらう)
②電子契約(ネットですべて済ませる)印紙代なし
③対面契約(指定の場所で契約をする

最近は対面で契約するケースが減少し、
持ち回り契約が多いです。
※売主様は署名&捺印だけなので、負担が軽いため
ちなみに、手付金は一般的に売買金額の5%~10%で事前に振り込みされるか、手渡しで受け取ります。

①物件状況等報告書②設備表の記載も売買契約時に行います。



⑤引き渡し準備
住宅ローンの完済や書類準備など、引き渡しの準備を行います。
売主様の不動産に抵当権が設定されている場合は、
事前に銀行様へ「売却するため、決済日に抵当権を消したい」連絡をしましょう。

⑥残代金決済・引き渡し
残代金を受け取り、物件を正式に引き渡します。
決済当日の流れ
①金融機関に集合
→ 売主・買主・司法書士・不動産会社が集まります
↓
②本人確認・書類確認
→ 登記書類や契約内容の最終確認を行います
↓
③買主から代金の支払い
→ 売買代金が売主の口座へ振り込まれます
↓
④固定資産税などの清算
→ 日割りで精算します
↓
⑤司法書士が登記手続き
→ 所有権移転の申請を行います
↓
⑥鍵の引き渡し
→ 買主へ物件を引き渡します

抵当権がなかったり、現金や振り込みで支払う場合は
場所はどこでも大丈夫です。
・本人確認書類(運転免許証など)
・実印・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
・登記識別情報(権利証)
・固定資産税納税通知書・銀行口座情報(売却代金の振込先)
・鍵一式(スペアキーも含む)
・管理規約・書類一式(マンションの場合)
・その他あれば
⑦確定申告

不動産を売却した後は、譲渡所得が発生するかを確認し、確定申告が必要か判断します。
「購入した価格より高く売れたか」だけでは単純に判断できません。
譲渡所得は、売却価格から取得費や譲渡費用などを差し引いて計算し、さらに利用できる特例があるかを確認する必要があります。
申告が必要なケース
・売却して利益(譲渡所得)が出たとき
👉 例:購入時(1500万円)より高く売れた場合(1800万円)
※減価償却があるため、建物は注意が必要です。
申告が不要なケース
・売却して損が出たとき
※ただし、損失を他の所得と相殺できる特例もあります。
申告の時期
・売却した年の翌年
👉 2月〜3月頃に申告
・相続した家でも申告が必要な場合あり
・3,000万円控除などの特例あり(税金が0になることも)
「売ったら終わり」ではなく、その後の確定申告までが一連の流れです。

当社では、税理士とも連携してサポートいたしますのでご安心ください


リヤマ不動産だから不動産売却の現場で、特に注意しているポイント
不動産売却では、「査定額がいくらか」だけではなく、売却後にトラブルにならないよう事前に物件を調査することが重要です。
当社がこれまで群馬県内で不動産売却・空き家・相続不動産の相談を受ける中でも、
特に注意しているのが「境界」

※写真は筆者が売主様に許可を得て、撮影した境界標識です。
また、「道路」「相続人・所有者」「抵当権」「建物の状態」「残置物」「契約後の引き渡し条件」なども大切です。

例えば、古い家や相続した空き家では、所有者本人が把握していなかった問題が後から判明することがあります。
そのため、査定時点から登記情報や現地状況などを確認し、売却前に分かる問題はできるだけ整理しておくことを大切にしています。
不動産売却は「高く売ること」だけが成功ではありません。
売主様が納得できる価格で、必要な手続きを整理し、契約後のトラブルをできるだけ避けながら、無事に引き渡しまで完了させることが重要だと考えています。


不動産売却の流れはいかがだったでしょうか
ご不明な点がございましたら、
リヤマ不動産へお問合せください。
