空き家は空き巣に狙われやすい!なぜ?!
全国の空き家は総務省「令和5年住宅・土地統計調査」で約900万戸に達し、うち居住・賃貸目的のない「その他空き家(放置空き家)」は約386万戸です。
警察庁の統計では、令和7年に空き家を対象とした窃盗事件が過去最多の約1万3971件を記録しました。
統計開始の令和2年から5年連続で増加しています。
遠方に住む所有者や相続で管理が難しい方にとって、空き家の防犯は喫緊の課題です。

本記事では、狙われる理由、放置リスク、実践的対策、根本解決までを警察庁・総務省・空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)の公式情報を基に解説します。
なぜ狙われる?空き巣の標的になりやすい空き家の4大特徴
空き巣犯は下見で「侵入しやすく、発見されにくい物件」を選びます。
警察庁「住まいる防犯110番」の侵入者プロファイリングでは、空き家特有の外観・環境が明確なターゲットになります。
「居住者不在」が外観からひと目で分かる
郵便受けにチラシや郵便物が溜まり、庭の草が伸び放題、夜間も明かりが消えたままの状態は、居住者不在を即座に示します。

警視庁の事例では、犯人グループが「木が生い茂る家を空き家と判断した」と供述したケースが確認されています。
人の気配がない物件は、犯人が時間をかけて物色できるため、優先的に狙われます。
死角が多く人通りが少ない
郊外や住宅地の奥まった場所、高い塀や生い茂った庭木で囲まれた物件は、近隣からの視線が届きません。
警察庁のデータでは、一戸建て住宅の侵入窃盗で窓からの侵入が過半数を占め、死角となる掃き出し窓や浴室窓が特に狙われます。
人目が少ない環境は、下見から逃走までを容易にします。

北道路の家で、玄関が南側だったり、
ブロック塀が高かったりすると、
空き巣にとっては、都合がいいのね・・・
侵入しやすく逃走しやすい構造
窓ガラスが割れやすい、補助錠がない、門扉やフェンスが低い物件は、侵入に要する時間が短くなります。

警察庁の分析では、侵入に5分以上かかると約7割の犯人が犯行を諦めます。
無締まりやガラス破りが侵入手段の大半を占めるため、構造的に脆弱な空き家は好都合です。
近隣の目が届かない環境
地域の連帯が薄い、または近隣住民が高齢化して見守りが難しいエリアでは、不審者の発見が遅れます。
警察庁が公表する「侵入犯が犯行をあきらめた理由」では、近隣住民の声かけや通報が大きな抑止力となっています。
遠方所有の空き家は、この「地域の目」が機能しにくい傾向があります。
これらの特徴が重なると、空き巣被害のリスクが急上昇します。
※参照:犯行をあきらめた理由
不法侵入だけじゃない!空き家放置が招く5つの重大リスク
空き家放置は窃盗以外にも多角的な被害を招きます。
総務省・警察庁の統計と空家特措法に基づき、具体的な影響を整理します。
金品盗難および家具・資材の被害
令和7年の空き家窃盗約1万3971件のうち、侵入窃盗が約85%を占めます。
※参照:侵入窃盗の発生場所別認知件数
貴金属・宝石だけでなく、エアコン室外機や銅線などの金属資材も狙われます。
金属価格高騰を背景に非侵入窃盗も増加中です。
被害額は全国で数億円規模に達し、復旧費用も所有者負担となります。
不法占拠と犯罪の拠点化(アジト・取引場所)
空き家は特殊詐欺の被害金や密輸薬物の送付先、違法薬物栽培の拠点として悪用される事例が警察庁から報告されています。
警察庁は令和7年に不動産業者へ対応強化を要請しました。不法占拠されると退去に時間と費用がかかり、近隣住民への被害も拡大します。
放火による火災事故と近隣被害
消防庁の火災統計で「放火」および「放火の疑い」は出火原因の上位です。
ゴミや枯草が放置された空き家は可燃物が多く、放火の標的になりやすいです。
大分市佐賀関地区の大規模火災では、被害196棟のうち空き家が75棟を占めました。延焼した場合、所有者は民法717条の工作物責任で賠償責任を負う可能性があります。
ゴミの不法投棄と衛生環境の悪化
管理されていない敷地は、粗大ゴミや産業廃棄物の不法投棄場所になります。
撤去費用は所有者負担で、数十万円に及ぶケースもあります。害虫・害獣の発生源となり、近隣の生活環境を悪化させます。
「特定空家・管理不全空家」指定によるペナルティ
空家特措法(2015年施行、2023年改正)では、放置により倒壊危険・衛生害・景観悪化がある場合に「特定空家等」、その前段階で「管理不全空家等」に指定されます。
- 管理不全空家等:指導→勧告。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例(最大1/6)が解除され、税額が最大約6倍になります。
- 特定空家等:助言・指導→勧告→命令(違反で50万円以下の過料)→行政代執行(解体費用は全額所有者負担)。
これらのリスクは単独で発生せず、連鎖的に悪化します。早期対応が不可欠です。
今すぐできる!空き家の空き巣被害を防ぐ効果的な対策
警察庁が推奨する「音・光・時間・人目」の原則に沿い、自主対策・物理強化・外部連携の3段階で対策をまとめます。
侵入に5分以上かけることを目標にします。
【自主対策】費用をかけずに「人がいる気配」を作る
最もコストが低く、即効性のある方法です。
郵便物・新聞の配達停止とポストの定期整理
日本郵便に配達停止を依頼し、チラシが溜まらない状態を維持します。
遠方所有者は、月1回の巡回時に整理するか、近隣住民に依頼します。
居住感の維持は下見段階での抑止に直結します。
庭木の剪定・草刈りで死角をなくす
生い茂った庭木は死角を生みます。
定期的な剪定で外部からの視線を確保します。草刈りは放火リスクも低減します。
自治体の空き家管理補助を活用できる場合があります。
タイマーライトやダミーカメラの設置
夜間にタイマーで点灯する照明や、目立つダミーカメラを設置します。
「防犯カメラ作動中」ステッカーも有効です。費用は数千円からで、光による抑止効果が期待できます。

【物理強化】侵入に「5分以上」かからせる防犯グッズ
窓と玄関の強化が核心です。
防犯フィルム・補助錠で窓ガラスを強化
一戸建て侵入の過半数が窓からです。
防犯フィルム(厚さ0.35mm以上推奨)を貼り、クレセント錠に補助錠を追加します。
警察庁が認定するCP部品(防犯性能の高い建物部品)を選ぶと、5分間の破壊行為に耐える性能が確認されています。
センサーライト・防犯砂利の敷き詰め
人感センサーライトは接近時に点灯し、周囲に存在を知らせます。
防犯砂利(踏みしめると大きな音が出るタイプ)を敷地に敷くと、音による抑止になります。
【外部連携】プロのサービスや地域コミュニティを頼る
遠方所有者に特に有効です。
空き家管理サービス(定期巡回)の活用
民間事業者や郵便局の「空き家みまもり」サービスが、月1〜2回の巡回・郵便物整理・通風・簡易清掃を代行します。
人が定期的に訪れる事実自体が抑止力になります。費用は月数千円〜1万円程度が相場です。

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ホームセキュリティ・防犯カメラの導入
ALSOKやセコムなどの機械警備、またはネットワークカメラを設置します。
異常時の駆けつけや遠隔監視が可能です。
警察庁の統計では、防犯カメラ画像が犯人特定に寄与する割合が年々上昇しています。
近隣住民との連絡体制づくり
緊急連絡先を近隣に伝え、不審者を見かけたら通報してもらう体制を作ります。
地域の防犯パトロールへの参加も効果的です。
対策比較の目安
| 対策カテゴリ | 主な方法 | 費用目安 | 抑止効果のポイント |
|---|---|---|---|
| 自主対策 | 郵便整理・剪定・タイマーライト | 低(〜数千円) | 居住感の創出 |
| 物理強化 | フィルム・補助錠・砂利・センサーライト | 中(1〜5万円) | 侵入時間の延長 |
| 外部連携 | 管理サービス・セキュリティ | 中〜高(月額〜) | 継続監視と通報 |
複数を組み合わせることで、単独対策を大幅に上回る効果が得られます。
根本解決を目指すなら!空き家の活用・手放し方
防犯対策は対症療法です。根本的には「人が住む状態」か「所有を手放す」選択が有効です。
賃貸や空き家バンクで「人が住む状態」にする
自治体の空き家バンクや不動産会社を通じて賃貸に出すと、居住者が日常管理を担います。

リフォーム費用が発生する場合もありますが、家賃収入で賄えるケースがあります。
国土交通省が推進する空き家活用施策を活用してください。
管理困難な場合は専門業者への売却・買取を検討する
遠方所有や老朽化が進んだ場合、空き家専門の買取業者や不動産業者に相談します。
訳あり物件を扱う業者も増えており、現状のまま売却可能な場合があります。
早期売却は、特定空家指定のリスクを回避し、固定資産税負担を解消します。
自治体の相談窓口や空家特措法に基づく支援制度をまず確認してください。

万が一、空き巣被害や不審者を見つけた場合の対処法
被害が発生した場合、または兆候を察知した場合の手順です。
安全確保と即時の110番通報
侵入中や不審者を発見したら、自身の安全を最優先に確保し、110番通報します。
警察庁は「異変を感じたらためらうことなく通報」を推奨しています。証拠を汚さないよう、現場には触れないでください。
正しい110番の利用方法 | 通信指令室・110番 – 千葉県警察s
証拠(防犯カメラ映像・管理記録)の保全
防犯カメラ映像や管理サービスの巡回記録、郵便物の状態写真を保全します。
警察の捜査に提供することで、犯人特定や被害回復につながります。
自治体支援制度や防犯保険の活用
被害後の修繕費用や、火災保険・盗難保険の適用を確認します。
空き家の場合、一般の火災保険では補償範囲が制限されることがあるため、事前に契約内容を見直してください。自治体の空き家相談窓口で支援制度の有無を問い合わせます。

【FAQ】空き家の防犯に関するよくある質問

- Q所有者が遠方に住んでいる場合の最適な防犯策は?
- A
空き家管理サービスの定期巡回と、防犯カメラの遠隔監視を組み合わせる方法が現実的です。
近隣住民との連絡体制を並行して構築してください。月1回以上の人の出入りが、抑止効果を高めます。
- Q防犯対策にかかる費用相場はどれくらい?
- A
自主対策は数千円、物理強化(フィルム・補助錠・ライト)は1〜5万円、管理サービスは月額5千円〜1万円程度が目安です。
セキュリティ契約は初期費用と月額が発生します。自治体補助を確認すると負担を軽減できます。
- Q空き巣に遭いやすい家の特徴は?
- A
人目につきにくく、死角が多い家や、留守だと分かりやすい家は空き巣に狙われやすい傾向があります。
特に、高い塀や茂った植木で外から見えにくい、夜間に暗い、窓や玄関の防犯対策が弱い、郵便物が溜まっている家は注意が必要です。
- Q空き巣の目的は何ですか?
- A
主な目的は、住宅に侵入して現金・貴金属・預金通帳・カードなどの金品を盗むことです。空き巣は、家人が不在の住宅に侵入して金品を盗む「侵入窃盗」の一種です。
また、そこに住んで、犯罪拠点にする外国人グループもいます。
まとめ

空き家が空き巣に狙われる主因は、「居住者不在の外観」「死角」「侵入のしやすさ」「近隣の目の薄さ」です。
放置は窃盗だけでなく、不法占拠・放火・ゴミ投棄・特定空家指定による税負担増という連鎖リスクを招きます。
警察庁データが示す「侵入に5分以上」の壁を意識し、自主対策から物理強化、外部連携を組み合わせてください。
遠方所有者の方は、まず郵便物管理と庭の手入れから始め、管理サービスの導入を検討することをおすすめします。
根本解決として賃貸活用や売却も選択肢に入れてください。空き家の適切な管理は、所有者自身の資産を守り、地域の安全にも貢献します。今すぐできることから着手し、放置リスクを最小化しましょう。

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