非線引き区域の土地売却方法【え?高く売れる?】

群馬県の非線引きの土地の売却方法のイラスト 不動産売却の基礎

非線引き区域とは?

【結論】非線引き区域の土地は売却できます。

非線引き区域とは、市街化区域や市街化調整区域のような線引きをしていない都市計画区域です。

建築できるかどうか、土地価格がいくらになるかは
「自治体の判断」「用途地域」「接道状況」「上下水道」「過去の建築実績」によって決まります。

そのため、非線引き区域の土地売却では、 単純な坪単価比較ではなく、土地の利用可能性を調査したうえで売却戦略を立てることが重要です。

※参照:都市計画区域

都市計画では土地を

  • 🏙 市街化区域:どんどん家やお店を建ててOK
  • 🌾 市街化調整区域:原則、家は建てにくい(田畑が多い)

この2つに線で分けることを「線引き」と言います。

お客様
お客様

なるほど。
白でもなく、黒でもなく、
グレー?みたいなイメージかしら

宅建士:山口
宅建士:山口

中途半端ですが、そんなイメージでかまいません。
どちらでもない、未定のエリアみたいな感じでしょうか

※リヤマ不動産公式チャンネルより引用

市街化区域・調整区域・非線引きとの比較表

項目市街化区域市街化調整区域非線引き区域
位置づけ開発を進める
エリア
開発を抑える
エリア
区分していない
家は建てられる?
原則OK

原則NG(例外あり)

条件次第
建売・分譲
しやすい

ほぼ不可

自治体次第
農地転用
比較的簡単

非常に厳しい

ケースバイケース
インフラ(上下水)
整っている

地域差あり

地域差あり
行政の判断明確非常に厳格個別判断が多い
事前調査の重要度★☆☆★★★★★★
不動産屋の感覚「普通に売れる」「難物」「クセ強」

ざっくり説明すると・・・

  • 市街化区域
     👉 「何もなければ建てられる」
  • 市街化調整区域
     👉 「原則ダメ。理由があればチャンスあり」
  • 非線引き区域
     👉 「役所に聞かないと分からない」

参照:建築指導課 – 伊勢崎市

非線引き区域の土地が売りやすいケース・売れづらいケース

項目売りやすいケース 👍売れづらいケース 👎
用途地域住居系用途あり用途地域なし
建築可否建築可が明確建築可否が不明確
接道公道4m以上に接道私道・2項道路・未接道
インフラ上下水・ガス引込済未整備(引込費用高)
地目宅地田・畑(農地転用必要)
面積住宅向き(50〜80坪)過大・過小・不整形
ハザード指定なし・軽微浸水・土砂警戒区域
行政対応建築指導課OK確認済「判断できない」案件

非線引き区域の土地売却相場はいくら?下落率の実例

市街化区域比で▲10~30%程度が目安

非線引き区域の土地価格は、同一エリア内の市街化区域と比べて10〜30%程度安くなるのが一般的な目安です。

ただし一律ではなく、

上下水道の整備状況、前面道路の幅員、周辺の建築実績などによって下落率は大きく変わります。

インフラが整い住宅が多いエリアでは下落幅が小さく

逆に「将来の用途が読みづらい土地」ほど価格は抑えられやすい傾向があります。

市街化区域外の地価推定に関する研究

地方郊外500㎡で800万円→非線引きで600万円前後

例えば、伊勢崎市の郊外で市街化区域なら約800万円で取引される500㎡(約150坪)の土地があったとします。

→非線引き区域の場合、同条件でも600万円前後に落ち着くケースは珍しくありません。

これは約▲25%の下落に相当し、実務上もよく見られる水準です。

「面積が広い=高く売れる」とは限らず、
非線引き区域では使い道の制限=価格調整要因として評価されます。

宅建士:山口
宅建士:山口

伊勢崎、高崎、前橋などでは、一部人気エリアの場合は、下落幅がほぼないケースもあります。

この辺りはエリアによるため、当社へお問い合わせください。
→問い合わせはこちら

住宅ローンが通りづらい影響で価格が抑えられる実態

非線引き区域の土地は、金融機関によっては住宅ローンの審査が少し厳しくなることがあります。

※エリアによります。
※参照:〔住宅ローン〕 非線引区域の物件でも利用することはできますか?

将来の建替え可否や再建築条件が読みづらいため、

・融資額が伸びない
・一部金融機関で取り扱い不可


といったケースが発生しやすく、結果として買主が限定され、価格が抑えられる構造になります。

非線引き区域のメリット・デメリット

メリット

市街化区域より“高すぎる期待”を持たれにくい
→ 相場感を共有しやすく、話が現実的に進みやすい

面積が広い土地ほど強みになりやすい
→ 100坪超・分筆可能などは評価されやすい

固定資産税・都市計画税の負担が比較的軽い
→ 長期保有でもコストが抑えられる
引用:固定資産税・都市計画税とは – 伊勢崎市

地元需要・現金買い層に刺さると話が早い
→ 農家分家、近隣住替え、事業用など

条件整理次第で“価格交渉を受けにくい”売り方も可能
→ 建築可否・インフラ状況を先出しできれば強い

デメリット

市街化区域と同じ価格では売れない
→ 相場は▲10〜30%が目安になることが多い

売却までに時間がかかるケースがある
→ 一般人向けだけだけだと動きが鈍い

「建てられるのか?」の説明責任が重い
→ 自治体確認・過去実績の整理が必須

住宅ローンが通らず話が流れることがある
→ 申込み後キャンセルのリスク

造成・上下水道の話が出ると価格調整されやすい
→ 買主負担でも価格交渉の材料にされがち

売り方を誤ると“長期在庫化”しやすい
→ 高値スタート+情報不足が一番危険

非線引き区域の売却でよくある失敗パターンと回避法

  • 「インフラ(水道など)がない」隠して売ろうとしてクレーム
  • よくわからずに相場より低く叩かれる
  • 更地化してから売ろうとして解体費で赤字→家付きのままが有利なケースも

【体験談】非線引き区域の土地売却

笑顔の老夫婦

事例1:農地転用と水道引き込みで難航

項目詳細データ
物件種別・地目宅地(一部、農地併設) / 計280坪
都市計画非線引き区域(無指定)
当初の査定額800万円
実際の売却価格320万円(当初想定の半額以下)
売却にかかった期間1年4ヶ月
買主の属性隣町から移住を検討していた個人
(資材置き場兼自宅希望者)

売却の経緯

地方都市の非線引き区域にある実家と隣接する畑を相続しました。
「非線引きだから調整区域ほど厳しくないだろう」と甘く見ていましたが、媒介契約を結んだ大手不動産会社からは半年間、問い合わせゼロ。
「価格の問題ではありません。インフラと農地法がネックです」と言われました。

実際に浮き彫りになったトラブルは以下の2点です。

  1. 水道本管からの距離:前面道路まで水道管が来ておらず、最寄りの本管から約30mの引き込み工事が必要と判明。見積もりをとると工事費だけで約160万円。買主候補がことごとく引いてしまいました。
  2. 農地法第5条の壁:畑部分を宅地に転用するための許可申請が必要ですが、土地の一部が土地改良区に入っており、除外手続き等で約25万円費用がかかりました。

打開策と決着

大手業者を解約し、地元密着の小規模不動産店へ変更。
「住宅用地として売るのは厳しい。資材置き場兼住居を探している個人を狙おう」という提案を受けました。

インフラ工事費用(160万円)をあらかじめ売却価格から差し引き、320万円(現況有姿・解体費買主負担)まで一気に値下げしました。

結果、公開後3ヶ月で現在の買主から申し込みが入りました。

事例2:【接道と崖条例の二重苦】セットバックと開発許可に泣いた山林・雑種地

物件概要と最終結果

項目詳細データ
物件種別・地目雑種地(元・資材置場) / 150坪
都市計画非線引き区域(用途地域:第一種低層住居専用地域)
当初の査定額600万円
実際の売却価格100万円
売却にかかった期間1年6ヶ月
買主の属性近隣の工務店
(物置・駐車場として利用)

生々しい売却の経緯

親が昔取得していた非線引き区域の雑種地。用途地域(第一種低層)が指定されていたため
「家が建つからすぐ売れる」と思っていました。
しかし、買主候補が現れて現地調査をした際、問題が2つ発覚。

  1. 道路幅員とセットバック:前面道路が建築基準法上の道路(2項道路)であるものの、幅員がわずか2.3m。
    道路の中心線から2m後退(セットバック)すると、土地の有効面積が15%以上減少することが判明しました。
  2. がけ条例と土留め工事:敷地裏手に高低差3.5mの斜面があり、県の「がけ条例」に抵触。
    建築するためには高額な擁壁(ようへき)工事(見積もり約400万円)か、崖から大幅に離して建築しなければならないことがわかりました。

不動産会社からは「買取なら15万円、もしくは引取料をもらわないと無理」と事実上の0円回答を突きつけられました。

打開策と決着

あきらめきれず、自分で現地周辺を歩き、近隣の不動産事業者や工務店に直接アプローチをかけました。

「隣接する工務店の資材・車両置き場ならどうだろうか」と考え、隣の工務店へ直接飛び込みで交渉。

建築確認が不要な「資材置き場兼青空駐車場」としてなら高額な擁壁工事をしなくてもそのまま活用できる旨を提示しました。

結果、査定額からは大幅に下がったものの、100万円で現況のまま買い取ってもらうことができました。

事例3:【大手業者に拒否された地足】地元の建築許可ルールを活用して工務店へ直売

物件概要と最終結果

項目詳細データ
物件種別・地目宅地(古家付き) / 110坪
都市計画非線引き区域(用途地域無指定)
当初の査定額1,300万円(一括売買を想定)
実際の売却価格1,050万円(区割売却)
売却にかかった期間11ヶ月
買主の属性地元の分譲系工務店

生々しい売却の経緯

親と同居するために実家(非線引き区域・無指定)を売却しようとしたケースです。110坪と比較的広い土地だったため、当初は「一括で個人に売る」形で売り出しました。

しかし、無指定地域は日差しや高さの制限が緩い反面、自治体ごとの「開発指導要綱」が壁になります。本物件のある自治体では、一定規模以上の土地を分割して建物を建てる場合、雨水浸透ますの設置や道路の隅切りなど、厳しい指導が入ることがわかりました。

個人買主からは「広すぎて庭の草刈りが大変」「総額が高くなる」と敬遠され、売出しから5ヶ月間、指値(大幅値引き)の交渉しか来ない状態が続きました。

打開策と決着

非線引き区域での分譲実績が多い「中堅工務店」3社に絞って打診を行いました。

工務店側は「このエリアは非線引きで坪単価が安いため、50〜55坪に2分割して建売住宅を建てれば、若い世代に総額2,000万円台で売れる」と瞬時に計算してくれました。

開発指導要綱の協議や分筆登記の手続きも工務店側が手慣れており、

査定額1,300万円に対し1,050万円・測量費工務店持ちで取引が成立しました。

非線引き区域の土地売却Q&A

不動産売却のQ&Aについて
Q
非線引き区域住宅ローンは通りますか?
A

市街化に比べて通りくいですが、問題ないケースが多いです

Q
非線引きが農地だった場合どうする?
A

結論として、非線引き区域の農地でも売却は可能です。

非線引き区域だから自由に売買できるわけではなく、農地法や都市計画法などの法令に基づく手続きが必要になるケースがあります。

特に、住宅用地として利用する場合は、農地転用の許可・届出や建築の可否を事前に確認することが重要です

売れやすいケース売れにくいケース
農振農用地ではない農振農用地(青地)
宅地へ転用できる見込みがある転用許可が見込めない
前面道路があり建築可能接道がない・建築不可
上下水道が整備済みインフラ未整備
周辺に住宅が多い農地が広がる地域
Q
将来、非線引きが市街化調整区域になったら?
A

非線引きが将来調整区域になっても、

今ある建物がすぐ使えなくなることはありません。
ただし「将来の建替え」が制限される可能性はあります。
しかし、調整区域になったら、価値は大幅下落するリスクがあります。

最後に

不動産情報をまとめる女性

非線引き区域の土地は、市街化区域や市街化調整区域と比べると分かりにくく

「将来どうなるのか不安」と感じる方も多いエリアです。

ただし、非線引き区域だからといって、
すぐに住めなくなったり、急に価値がゼロになるわけではありません

将来、都市計画の見直しによって市街化調整区域に指定される可能性はありますが、
その場合でも現在、適法に建っている建物は原則そのまま使用できます

一方で、建替えや新築の自由度が下がる可能性があるため、
将来性をどう評価するかによって土地の価格や売りやすさに影響が出る点は理解しておく必要があります。

非線引き区域の土地は、
「エリアの実情」「建築実績」「インフラ状況」「想定される買主」を整理したうえで売却を進めることが重要です。

条件を正しく説明し、合った相手に向けて売り出せば、必要以上に安く手放すことを避けることも十分可能です。

不安な場合は、将来のリスクも含めて早めに専門家へ相談し、状況に合った売却方法を検討することをおすすめします。

▶対応エリア:群馬県の全域&埼玉県の全域

伊勢崎市/高崎市/前橋市/太田市/桐生市/渋川市/藤岡市/みどり市/吉岡町など

宅建士:山口
宅建士:山口

非線引き区域の土地売却は、

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この記事を書いた人
山口 力男

この記事の監修者:山口 力男(リヤマ不動産株式会社 代表取締役)
【所有資格】宅地建物取引士 / 2級FP技能士
【地域】群馬県伊勢崎市在住
※群馬県、埼玉県エリア対応致します。
【免許番号】 群馬県知事免許(1)第8077号

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群馬県内の「不動産売却・空き家対策・相続不動産」に特化した専門家。
これまで累計300件以上の売却・相続相談に対応してまいりました。

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