建ぺい率・容積率オーバーの違反建築物は売れる?【2026年最新】
結論から言うと、売れます。
ただし価格も買い主の層も、適法な中古住宅と同じではありません。
先に分けるべきなのは、次の2つです。
- 既存不適格:建てたときは適法で、その後の法改正や用途地域の変更で今の基準を超えている
- 違反建築物:建てたとき、または無許可増築の時点で、すでに基準を超えている
既存不適格で超過が小さく、検査済証や台帳で経緯が追える物件は、実需の買い主が付くことがあります。
無許可増築の違反、超過が大きい、図面も台帳もない、となると、現金の買い主か、古家付き土地(解体前提)が中心です。

「建ぺい率・容積率オーバーの家」と言われて売却に困っている方へ
できるだけ、分かりやすく解説します
建ぺい率・容積率オーバーとは?
| 用語 | 意味 | よくある誤解 |
|---|---|---|
| 建ぺい率オーバー | 建築面積が、今の指定建ぺい率を超えている | 家の総坪数が大きいこと、ではない |
| 容積率オーバー | 延べ面積が、今の指定容積率(または道路幅の制限)を超えている | 3階建て=違法、ではない |
| 既存不適格 | 建築時は適法。その後の法改正等で今の基準に合わない(建築基準法第3条第2項) | 今すぐ除却、ではない。同じ大きさでの建て替えはできないことが多い |
| 違反建築物 | 建築時または増築時から基準に合っていない | 年数が経てば適法になる、は誤り。時効はない |
| 再建築不可 | 主に接道義務を満たさず、今の敷地では建て替えできない | 建ぺい率オーバーの別名ではない |
建ぺい率とは
建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合です(建築基準法第53条)。
建ぺい率(%)= 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100
建築面積は、建物が地面に接している面積ではありません。
外壁または柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です(建築基準法施行令第2条第1項第2号)。
- 1階が駐車場のピロティでも、柱があれば建築面積に入ります
- 庇やバルコニーは、先端から1mまでは原則不算入、1mを超える部分は算入します
- 建ぺい率60%なら、100㎡の敷地で建築面積60㎡までです。残りを必ず「庭」にせよという意味ではありません
緩和もあります。
特定行政庁が指定する角地は+10%、防火地域の耐火建築物は+10%、両方なら+20%、などです。
オーバーに見える前に、緩和の有無を先に見てください。指定は市町村で違います。
<ポイント>
- 土地のどれくらいに家を建てられるかの割合
- 建ぺい率が50%なら、敷地の半分まで建物を建てられる
- 残り半分は庭や駐車場など空ける必要あり

例:敷地60坪、指定建ぺい率50%なら、建築面積の上限は30坪です。
- 平屋で建築面積40坪 → 建ぺい率オーバー
- 2階建てで延床40坪、1階の建築面積20坪 →
建ぺい率は超過していない(容積率は別に見る)
建ぺい率は「家の総坪数」ではなく、真上から見た建物の大きさです。
引用:建ぺい率「建築基準法第53条」
容積率とは
容積率は、敷地面積に対する延べ面積(各階の床面積の合計)の割合です(建築基準法第52条)。
※高さを直接制限する規定ではありません。
容積率(%)= 延べ面積 ÷ 敷地面積 × 100
敷地100㎡、指定容積率200%なら、延べ面積200㎡までです。
2階でも3階でも、合計が200㎡以内なら容積率上は足り得ます。高さは別の規定です。
さらに、前面道路の幅で実効容積率が下がることがあります(法第52条第2項)。幅4mの道路に接する住宅地では、指定が200%でも、幅員×4/10で160%まで、といった計算になります。
「狭い道なのに指定容積率どおり建っている」ように見えて、実際は道路幅の制限でオーバー、というずれは、ここで起きます。
ポイント
- 建物の階数を含めた面積制限
- 敷地100㎡で容積率200%なら、延床面積合計200㎡まで建築可能
- 例:2階建てなら1階100㎡+2階100㎡
- 例:3階建てなら1階70㎡+2階70㎡+3階60㎡など

上記の例で延床面積合計200㎡を超えると、
容積率オーバーになります。
| 建ぺい率 | 容積率 | |
|---|---|---|
| 基準 | 敷地に対する建築面積 | 敷地に対する延床面積 |
| 何を制限 | 建物の横の広がり | 建物の高さや階数を含めた総面積 |
| 計算式 | 建築面積 ÷ 敷地面積 ×100 | 延床面積 ÷ 敷地面積 ×100 |
| 例 | 敷地100㎡、建ぺい率50% → 建物50㎡まで | 敷地100㎡、容積率200% → 延床面積200㎡まで |
「既存不適格」と「違反建築物」の違い

既存不適格の建物と何が違うの?
| 既存不適格建築物 | 違反建築物 (違法建築) | |
|---|---|---|
| 定義 | 建築時は適法だったが、 後から法律や用途地域の規制が変わったため適合しない建物 | 建築時から 法律や建築基準に違反して建てられた建物 |
| 違法か | 違法ではない (現状での使用は原則OK) | 違法 (改善や行政指導の対象になる) |
| 修正の必要性 | 原則、現状維持OK。増改築や用途変更の際に適法化が必要な場合あり | 早急に是正が必要。 放置は行政処分の対象 |
| 例 | 昔は制限なしで建てられた2階建てが、現在の建築規制では制限オーバー | 無許可で増築、建ぺい率や容積率を超えて建てられた建物 |
建ぺい率・容積率がオーバーして見える主な原因
建ぺい率
- 増築、車庫、倉庫で建築面積が増えた(無許可増築は違反になりやすい)
- 境界が確定しておらず、敷地面積を大きく見積もっていた
- 1mを超える庇・バルコニーを建築面積に入れていなかった
- 2項道路のセットバック後の敷地面積で計算し直したら、超過していた
道路斜線は建ぺい率の計算ではありません。高さの規制です。
容積率
- 2階化・増築で延べ面積が増えた
- 小屋裏収納・地下室を「入らない」と思っていたが、不算入の条件(高さ、面積比、地盤面からの高さなど)を満たしていなかった
- ビルトイン車庫の不算入(原則、建物の延べ面積の1/5まで等)を条件外で使っていた
- 前面道路の幅員制限を見ずに、指定容積率だけで計画していた
住宅を店舗に変えただけで、土地の指定容積率が変わるわけではありません。用途変更の確認で、もともと超えていたことが表面化することはあります。
建ぺい率・容積率オーバー物件が売れにくい5つの理由
①住宅ローンがほぼ通らない
建ぺい率・容積率オーバーの建物は、
金融機関から「再建築リスクあり」と見なされやすく、住宅ローンの審査が厳しくなることがあります。
結果、買主がローンを組めず、売れにくくなります。
②再建築不可+違反で建物価値ゼロ扱いになりやすい
建ぺい率・容積率オーバーと、再建築不可は別です。
建ぺい率・容積率を超えていることと、再建築不可は同じではありません。
- 再建築不可になりやすいのは、接道義務を満たさない土地です(建築基準法第43条)
- 建ぺい率・容積率オーバーの家でも、接道を満たしていれば、今の指定建ぺい率・容積率に収まる規模なら建て替えできます
- 既存不適格は「今の大きさのままでは建て直せない」という意味で、更地にして基準内の家を建てることまで禁じる制度ではありません
③是正命令は建物に付き、罰則は人に付く
違反建築物は、売っても違反のままです。

特定行政庁は、建築主だけでなく、所有者・管理者・占有者に対して、除却、改築、使用禁止、使用制限などの措置を命じることができます(建築基準法第9条第1項)
前の所有者の罰金や懲役が、買い主に移転するわけではありません。
買い主がリスクを承継するのは、建物の状態と、今後の命令の可能性です。
命令を受けて従わなかった場合の罰則は、その時点の名宛人の話です。
実務では、すべての古い違反が直ちに除却されるわけではありません。指導で終わることも多い。だから告知しなくてよい、にはなりません。
④地形・道路事情でさらに悪化するケース
狭小道路や傾斜地など、土地条件によって建ぺい率・容積率の制限が厳しくなる地域があります。
現場で多いのは、次です。
・狭い前面道路で、指定容積率まで使えない(法第52条第2項)
・2項道路のセットバック後に敷地面積が減り、既存の家がオーバーに見える
・市街化調整区域で、建て替え・用途の制限が別にかかる
・ がけに近い敷地は、県の建築基準法施行条例(いわゆるがけ条例)で、建ぺい率とは別の制限がかかる
このため、同じ超過物件でも都市部より売却の難易度がさらに高まります。
⑤仲介で長期間売れ残る実態
オーバー物件は市場価値が低く、
仲介で売却しても長期間売れ残るケースが多いです。
建ぺい率・容積率オーバー物件を売る5つの方法
- 種別を確定する(既存不適格か、違反か、接道は足りるか)
- 古家付き土地として、違反または既存不適格を告知して出す(仲介)
- 減築や増築部分の除却で、基準内に戻せるか費用を見る(建築士)
- 隣地を買って敷地面積を増やし、率を下げる(可能な場合だけ)
- 現金の買い主、投資家、買取。融資前提の実需は狙わない、と先に決める
セットバック(2項道路の後退)は、再建築のための接道の話です。
後退すると敷地面積は減り、建ぺい率・容積率は厳しくなります。

建ぺい率・容積率オーバー物件でもあきらめずに、
リヤマ不動産へ相談をしましょう。
売却前に絶対やるべきチェックリスト(違反度診断)
①検査済証の有無を確認する
検査済証とは、
建物が建築基準法どおりに完成したことを行政が確認した証明書です。
<確認方法>
- 建物の書類ファイルを確認
- 建築確認申請書と一緒に保管されていることが多い
- 無い場合は市役所で調査可能

無い=違反建築とは限りません
古い住宅では検査済証が無いケースのほうが多い
②台帳記載事項証明を取る
建物の情報は、役所で建築台帳を確認できます。
取得できる内容
・建築確認番号
・建築年月日
・用途
・構造
・建築面積
取得方法(簡単)
- 市役所の建築指導課へ行く
- 住所を伝える
- 「建築台帳記載事項証明を取りたい」と伝える

費用:数百円程度で
これで当時の建築内容が分かります。
③ 超過率の計算方法(簡単ツール)
④群馬県の相談窓口
建築違反の可能性がある場合は、自治体の建築指導課で相談できます。
主な窓口例
・前橋市 建築指導課
・高崎市 建築指導課
・伊勢崎市 建築指導課
・太田市 建築指導課
相談内容
・建ぺい率・容積率
・違反建築の可能性
・再建築の可否
自治体は無料相談が可能な場合が多いです。
売るときに、隠すと壊れること
建ぺい率・容積率の超過、無許可増築、検査済証がない事実、是正指導を受けている事実は、買い主が契約を結ぶかどうかを左右する事実です。
宅地建物取引業者が仲介する場合、重要事項説明で、法令上の制限と、知り得た瑕疵を説明します(宅地建物取引業法第35条)。

売主も、知っている違反を黙って売ると、契約不適合(民法第562条以下)や、告知義務の問題になります。
「役所が動いていないから言わなくてよい」ではありません。
調べれば分かること、売主が現に知っていることは、先に出します。

よくある質問(FAQ)

建ぺい率・容積率オーバーの違反建築物の売却でよくある疑問をQA形式で解説します。
- Q建ぺい率オーバーでも住宅ローンは通る?
- A
結論:原則は通りにくいですが、条件によっては通る場合もあります。
【理由】
建ぺい率オーバーの建物は、金融機関から建築基準法違反の可能性がある物件と判断されるため、住宅ローン審査が厳しくなります。
検査済証がないこと自体は、ローン否決の理由にも、違反の証明にもなりません。
確認台帳と現況の差、増築の有無、既存不適格か違反か、を金融機関は見ます。
【住宅ローンが通る可能性があるケース】
- 既存不適格建築物(建築当時は合法だった)
- 軽微なオーバー(数%程度)
- 土地評価が高い(建物ではなく土地担保)
- 金融機関の独自判断
【住宅ローンがほぼ通らないケース】
- 明確な違反建築(違法増築など)
- 大幅な建ぺい率超過
- 検査済証がなく違反の可能性が高い
- Q違反建築物の時効はある?
- A
結論:違反建築物に「時効」はありません。
【理由】建築基準法では、建物が違反状態のまま存在している限り、違反状態は継続していると扱われるためです。
そのため、何年経っても違反は消えません。
【どうなる可能性がある?】行政は必要に応じて次の措置を取ることがあります。
- 是正指導
- 是正命令
- 使用禁止命令
- 罰則(悪質な場合)
ただし実務では、古い違反建築すべてが取り締まられるわけではないのも現実です。
【注意点】違反建築は
- 売却時に価格が下がる
- 住宅ローンが通りにくい
- 買主へリスクが引き継がれる
という問題が起きやすくなります。
- Q無許可の増築や、危険な建物には、どんな措置がありますか
- A
特定行政庁は、指導のあと、工事停止、除却、使用禁止、使用制限などを命じることができます(建築基準法第9条)。
命令に従わない場合の罰則は、建築基準法第98条などに定めがあります。金額や刑期は改正されるので、この記事に数字を固定しません。e-Gov 建築基準法 を見てください。
がけに近い敷地の制限は、建ぺい率オーバーとは別です。
まとめ

- 建ぺい率・容積率オーバーでも、売却はできます
- 先に分けるのは、既存不適格か違反か、接道は足りるか、の2点です
- オーバーであることと、再建築不可は同じではありません
- 価格を「半額」「価値ゼロ」と決め打ちしない。超過の種類と資料で幅が出ます
- 検査済証、台帳、現況を揃えてから出す。違反は告知する
- 建ぺい率・容積率の判定と是正は建築士・特定行政庁、売却の進め方は不動産会社です

違反建築物の売却でお悩みの方へ
「もう売れないかも…」と諦めかけていませんか?
諦める前にリヤマ不動産へご相談ください。



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