なぜ「田舎の家は売れない」と言われる?要因は?

田舎にある実家・・・
売りたいけど、売れない。
どうして?!
田舎の不動産が市場で敬遠される背景には、単なるイメージではなく構造的な課題が存在します。
まずは需要・建物・税制・流通の4視点から要因を明確にします。
需要の少なさと立地・再建築不可などの制限
地方都市や中山間地域では人口減少と超高齢化に伴い、住宅需要そのものが著しく低下しています。

さらに、都市計画法上の「市街化調整区域」に指定されている場合、建物の建築や増改築が原則認められず、買い手が限定されます。
また、建築基準法第43条の「接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)」を満たしていない
「再建築不可物件」も多く、建て替えができない土地は住宅ローンの融資対象になりにくい点が販売を難航させます。

建物の老朽化と耐震性の問題
田舎の家は築年数が40年〜50年を超えている物件が大半です。
1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた建物は「旧耐震基準」に基づいているため、現代の地震リスクに対応した耐震補強工事が必要です。
買主側が購入後に数百万円規模の耐震改修工事費や白蟻駆除費を負担する必要があるため、
購入を見送る要因になります。
固定資産税や維持管理費の負担感
土地・建物を所有しているだけで毎年固定資産税や都市計画税が課税されます。
使用していない家屋であっても、定期的な換気、草刈り、除雪、雨漏り修繕などの物理的・金銭的負担が発生し続けます。
特に遠方に住む相続人にとって、交通費や維持費の累積は非常に大きな財務的圧迫となります。
田舎の物件を扱う不動産会社の少なさ
田舎の不動産ですが、低廉な空き家の特例で取り扱う不動産屋は少しだけ増えました。
しかし、高リスク低リターンのため、積極的に扱う業者さんは少ないです。

売れないからと田舎の家・空き家を放置するリスク

空き家を放置することは資産価値の低下にとどまらず、法的な厳罰や損害賠償リスクを引き起こします。
固定資産税の跳ね上がり(「特定空家」指定のリスク)
住宅が建っている土地には「住宅用地に対する課税標準の特例」が適用され、固定資産税が最大6分の1に軽減されています。
しかし、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、自治体から「特定空家」または「管理不全空家」に指定され、勧告を受けると、この特例措置が除外されます。
結果として土地の固定資産税実質額が最大6倍に跳ね上がります。
さらに命令に従わない場合は最大50万円の過料が科されます。
| 状態区分 | 適用される税制 | 土地固定資産税の負担割合 |
| 通常・適切な管理状態 | 住宅用地特例適用 | 1/6 に軽減 |
| 管理不全空家(勧告後) | 特例適用除外 | 本来の全額(実質最大6倍) |
| 特定空家(勧告後) | 特例適用除外+過料の対象 | 本来の全額(実質最大6倍) |
権威性参照先:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法」
倒壊・不審者侵入・近隣トラブルの発生
老朽化した建物は、台風や積雪などの自然災害で屋根材や外壁が飛散・倒壊する恐れがあります。
第三者に怪我をさせた場合、所有者は民法第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)に基づき、無過失責任に近いかたちで過失損害賠償義務を負います。
また、不審者の侵入による放火や、害獣(アライグマ・ハクビシン等)の繁殖による異臭・騒音被害は、近隣住民とのトラブルを深刻化させます。
維持管理コストと手間がかかり続ける問題
放置していても経費ゼロにはなりません。
固定資産税の納付に加え、庭木剪定業者への委託費(1回あたり数万円)、火災保険料(空家専用保険は高額化傾向)、現地までの交通費が毎年積み重なります。

年数が経つほど解体費用自体も高騰するため、放置は問題を先送りするだけで経済的損失を拡大させます。
田舎の家を売却・処分する6つの方法(比較とメリット・デメリット)
田舎の不動産を手放す代表的な6つの手法を整理します。
物件のコンディションや立地条件に応じて適切な手法を選択してください。
【各処分手法の比較一覧】
| 処分方法 | スピード感 | 現金化の期待値 | 手間・負担感 | 主な適応条件 |
| 1. 不動産仲介 | 遅い (6ヶ月〜数年) | 高(市場価格) | 中 | 状態が良く立地が一定基準以上の物件 |
| 2. 直接買取 | 早い (数日〜数週間) | 低 (市場の5〜7割) | 極めて低い | 早期処分を優先したい物件 |
| 3. 空き家バンク | 遅い (買い手次第) | 低〜中 | 高 | 自治体制度がある地域の物件 |
| 4. 古家付き土地/更地 | 中〜遅い | 中 | 解体時は高費用 | 建物老朽化が著しい物件 |
| 5. リフォーム後売却 | 中 | 中 (投資回収リスクあり) | 極めて高い | 構造が健全で需要が見込める地域 |
| 6. 個人間売買 | 相手次第 | 任意で設定可能 | 極めて高い (専門知識必須) | 親族・知人・隣人と合意済みの物件 |
① 不動産会社の「仲介」で売る
一般市場で買主を募集する方法です。
仲介業者がレインズ(指定流通機構)やポータルサイトへ物件を掲載します。
成約までに時間を要するものの、市場相場に近い価格で売却できる可能性を残せます。

② スピーディーに現金化できる「直接買取」を利用する
不動産会社や空き家専門買取業者が買主となります。
仲介手数料が発生せず、契約不適合責任(旧:隠れた瑕疵)が免責される契約が多く、引き渡し後のトラブルを防げます。価格は市場相場の50%〜70%程度まで下がるのが一般的です。

③ 自治体の「空き家バンク」に登録する
地方自治体が運営する公的なマッチング制度です。
移住・定住希望者が閲覧するため、民間ポータルサイトで扱われない田舎物件でも買い手が見つかるケースがあります。
自治体は契約交渉の直接介入を行わないことが多いため、専門の提携宅建業者を挟む必要があります。
④ 「古家付き土地」または「更地(解体)」にして売る
建物に価値がない場合、「古家付き土地」として売り出すか、解体して「更地」にします。
更地にすると買主が新築を建てやすくなりますが、解体費用(木造戸建てで坪あたり3万〜5万円程度、総額150万〜300万円)の持ち出しが発生します。

⑤ リフォーム・リノベーションして価値を上げて売る
水回り設備や内装を刷新して売り出します。
ただし、投資したリフォーム費用以上の金額を上乗せして売却できる保証はなく、田舎の物件では工事費分の回収に失敗して赤字となるリスクが高いため、慎重な判断を要します。
⑥ 親族や知人と「個人間売買」をする
隣人の土地拡大意向や、近隣住民・親族への売却を目指す方法です。
仲介手数料を削減できますが、境界確定の曖昧さや重要事項説明の省略により、購入後のトラブルが発生しやすくなります。

売れない場合の最終手段(賃貸・寄付・相続放棄)

売却が完全に困難な場合、活用・手放すための選択肢へ切り替えます。
賃貸物件として利活用する
リフォーム費用を抑えて「現状貸し(DIY許可付き賃貸)」として貸し出します。
近年、地方での二拠点生活(デュアルライフ)やテレワーク拠点を探す層からの需要が存在します。
賃料収入により固定資産税と管理費を相殺する運用手法です。
個人・自治体・法人への寄付や無償譲渡
無償(0円)で所有権を移転します。
隣地所有者は土地拡張の意向から引き取ってくれる場合があります。
自治体やNPO法人などの非営利組織に寄付する場合は、用途や公的利便性がないと引き取りを拒否されるケースが多いため、事前交渉が不可欠です。
相続放棄や国庫帰属制度の活用条件
2023年(令和5年)4月より施行された「相続土地国庫帰属制度」を利用することで、相続した不要な土地を国に引き取ってもらうことが可能となりました。
- 相続土地国庫帰属制度の主な審査条件:
- 建物が存在しない更地であること
- 担保権や使用収益を阻害する権利が設定されていないこと
- 土壌汚染や崖地などの危険部位がないこと
- 約10年分の土地管理費に相当する「負担金(原則20万円〜)」の納付が必要
なお、「相続放棄」を選択する場合は、相続開始を知った調停日から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。

家を解体更地にしたり、境界を確定させたりと費用は想像以上にかかります。
田舎の家を早く売るためのポイント
需要の低い地域で不動産取引を成立させるには、戦略的なアプローチが不可欠です。
田舎の物件に強い・得意な不動産会社を選ぶ
不動産会社には得意分野(都市部マンションが得意、地方戸建てが得意等)が存在します。
過疎地域の物件取引実績や、農地転用・既存不適格物件の扱いに精通している地域密着型の不動産会社をパートナーに選定してください。
使える税金特例(空き家の3,000万円特別控除など)を押さえる
被相続人が住んでいた空き家を売却した場合、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」を活用できます。
譲渡所得(売却益)から最大3,000万円まで控除され、税負担を大幅に削減可能です。
- 主な適用要件:
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された旧耐震基準の家屋であること
- 相続開始直前において被相続人が一人で暮らしていたこと
- 売却時に耐震基準を満たしていること、または建物を解体して更地で売却すること
- 譲渡価格が1億円以下であること

田舎の家を売却する基本の流れと必要費用
不動産売却の標準的な手順と各ステップで発生する実費項目です。
STEP1: 相場調査と不動産会社への査定依頼
登記簿謄本(登記事項証明書)や公図、公定図面を準備し、周辺の成約事例や公示地価を調べます。
不動産会社に査定を依頼します。

よくわからない方は、リヤマ不動産へご依頼くだし。
STEP2: 媒介契約の締結と売り出し価格の決定
依頼する不動産会社を決定し「媒介契約」を締結します。
媒介契約には専属専任・専任・一般の3種類があります。
過疎地域の物件では、不動産会社が販売活動に注力しやすい「専任媒介契約」または「専属専任媒介契約」が推奨されます。

STEP3: 売買活動・内覧対応・売買契約
売却活動を開始し、購入希望者の現地内覧に対応します。
条件交渉(価格、引き渡し時期、手付金額等)が合意に達したら、宅地建物取引士の立会いの下で重要事項説明を受け、売買契約を締結します。この際に手付金を受領します。

STEP4: 決済・引き渡し・譲渡所得税の申告
買主から売買代金の残金を受領し、所有権移転登記手続きを行います。
司法書士へ手続きを委任し、鍵を渡して引き渡しが完了します。
売却益(譲渡所得)が生じた場合は、翌年の2月16日〜3月15日の期間内に確定申告を実施します。
売却に伴う必要費用一覧
- 印紙税: 売買契約書に貼付する収入印紙(取引額に応じて数千円〜数万円)
- 仲介手数料: 成約時に発生(※低廉な空き家等の売買における特例により、400万円以下の物件は最大18万円+消費税が仲介手数料の上限となるケースがあります)
- 登記費用: 住所変更登記、抵当権抹消登記、所有権移転登記(司法書士報酬を含む)
- 測量費用: 土地境界が不明確な場合の確定測量(40万〜100万円程度)
- 解体費用: 更地渡し条件で売却する場合(150万〜300万円程度)

【Q&A】田舎の不動産処分でよくある質問

田舎の家の処分に関して、所有者が直面する代表的な悩みに回答します。
Q1. 境界線が曖昧な古い田舎の土地でも売却できますか?
A. 原則として境界の確定(確定測量)を行った上で引き渡すのが一般的です。
ただし、確定測量には数十万円〜100万円程度の費用を要します。費用をかけたくない場合は、契約書に「公簿売買(登記簿上の面積で売買し、後からの実測精算を行わない契約)」の旨を明記し、境界非明示の条件で売り出す手法が存在します。ただし、買い手のリスクが増すため、売却価格を相場より下げる必要があります。
Q2. 仏壇や家具などの残置物はそのままで売却できますか?
A. そのままでは引き渡しができません。
購入希望者の印象を著しく損ねるため、建物内部の家具、家電、生活用品などの残置物は売主側の責任で事前処分(不用品回収業者や遺品整理業者への依頼)を行う必要があります。買取業者に売却する場合は、残置物の撤去費用を売却価格から差し引く形でそのまま引き渡せる契約もあります。
Q3. 農地や山林がセットになっている家は売却できますか?
A. 農地法の制限を受けるため手続きが必要です。
田や畑などの農地を売却する場合、農地法第3条(農地のまま売買)または第5条(農地以外に転用して売買)に基づき、地元農業委員会の許可が必要となります。
買主が農家資格を持っていない場合、農地転用許可が得られないと売買が成立しません。山林については農地法の制限を受けませんが、森林法に基づく届出が必要です。事前に自治体の農業委員会へご相談ください。
権威性参照先:農林水産省「農地法第3条・第5条許可申請について」
まとめ|まずは不動産会社の無料査定から始めよう

田舎の家や空き家は、放置期間が長引くほど建物の劣化が進み、税制上の優遇措置を失うなどリスクが増大します。
売却が難しい物件であっても、「直接買取」「空き家バンク」「相続土地国庫帰属制度」など、解決へ導くアプローチは複数用意されています。
まずは所有している不動産が市場でどの程度の価値を持つのか、田舎物件に強い不動産会社の「無料査定」を利用して現状の評価を正確に把握することから着手してください。

田舎の空き家を売りたい方は、
まずは、リヤマ不動産までご相談ください



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