実家じまいでお金がない!どうしよう!
「親が施設に入った」
「相続した実家が空き家になった」
「実家を片付けたいけれど、お金がない」
実家じまいでは、家財の処分、解体、相続登記、固定資産税など、複数の費用が発生します。

特に問題になるのが、売却前にまとまった現金が必要になるケースです。
しかし、実家じまいは必ずしも最初に大きなお金を用意する必要はありません。
家を解体せずに「古家付き土地」として売る、自治体の補助制度を確認する、不用品を売却する、売却代金から必要費用を精算できるよう不動産会社や司法書士と事前調整するなど、資金負担を抑える方法があります。
一方で、実家を放置すると、空き家の状態によっては固定資産税の住宅用地特例が解除されたり、相続登記を放置して過料の対象になったりする可能性があります。
この記事では、
実家じまいのお金がない人が「何から始めればいいのか」「どの費用を削れるのか」「売却まで持ち出しを抑えられるのか」を中心に解説します。
お金がない状態で実家じまいを放置する4つの危険なリスク

お金がないし・・
とりあえず様子を見ようかな・・・
「お金がないから、しばらく放置する」という判断は珍しくありません。
ただし、空き家は時間が経つほど必ず安くなるとは限らないものの、建物の劣化や管理負担が増え、売却の選択肢が狭くなる可能性があります。
リスク1:固定資産税が最大6倍になる(特定空家の指定)
「空き家にすると固定資産税が6倍になる」という説明がありますが、
正確には、住宅用地に適用されている固定資産税の課税標準の軽減措置が解除されることで、土地部分の課税標準が最大で6倍になる可能性があるという意味です。
国土交通省によると、住宅用地には、200㎡以下の部分について課税標準を6分の1、200㎡を超える部分について3分の1とする特例があります。
※No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
ただし、空き家になっただけで直ちに6倍になるわけではありません。
「管理不全空家等」や「特定空家等」に該当し、市区町村からの勧告を受けると、住宅用地特例が解除される可能性があります。
2023年12月施行の改正空家法では、特定空家だけでなく、放置すれば特定空家になるおそれのある「管理不全空家」も対象になりました。
つまり、「空き家だから即6倍」ではなく、「管理状態が悪化して勧告を受けること」が重要なポイントです。

リスク2:倒壊や近隣被害による賠償・過料(相続登記の義務化)
空き家の屋根や外壁が落下したり、庭木が道路や隣地へ越境したりすると、所有者として対応を求められる可能性があります。
さらに、相続した不動産を放置する場合に注意したいのが「相続登記」です。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
2024年4月1日より前に発生した相続も対象です。未登記の場合、原則として2027年3月31日までに対応する必要があります。

「売る予定がないから登記しなくていい」という考え方は危険です。
リスク3:資産価値が下がり売却が難しくなる

空き家は、誰も住まなくなった瞬間に価値がゼロになるわけではありません。
しかし、換気や通水、雨漏り確認、庭木の剪定などをしない状態が続くと、建物の劣化が進みます。
特に、
- 雨漏り
- シロアリ被害
- 屋根や外壁の劣化
- 給排水設備の故障
- 庭木・雑草の繁茂
- 残置物の大量化
などは、購入希望者が修繕費や撤去費を見込む要因になります。
その結果、「建物を使いたい買主」よりも「解体して土地として利用したい買主」が中心となり、売却価格に影響することがあります。
リスク4:管理費用と家族への経済的負担が膨らみ続ける
実家を所有している限り、固定資産税だけでなく、草刈り、庭木の剪定、電気・水道、火災保険、空き家管理などの費用が発生する場合があります。
遠方に住んでいる場合は、交通費や時間も負担です。
「毎月数千円だから問題ない」と考えていても、1年、3年、5年と積み重なると無視できない金額になります。
実家じまいで重要なのは、片付け費用だけを見るのではなく、放置した場合の年間コストまで比較することです。

実家じまいの費用相場と全体像※いくらかかる?
実家じまいにかかる費用は、家の大きさ、家財の量、建物の状態、地域、売却方法によって大きく変わります。
一般的な目安として、次のように考えると整理しやすくなります。
| 項目 | おおよその目安 | 費用を左右するポイント |
|---|---|---|
| 家財・遺品整理 | 10万~100万円程度 | 家財の量・部屋数・作業人数 |
| 建物解体 | 90万~300万円程度 | 建物面積・構造・立地・残置物 |
| 不動産売却 | 仲介手数料等 | 売却価格・媒介方法 |
| 相続登記 | 登録免許税+専門家報酬等 | 不動産数・相続人・登記内容 |
| 測量・境界確認 | 数十万円~ | 土地形状・境界状況など |
| 空き家管理 | 月数千円~数万円程度 | 管理内容・頻度・距離 |
上記はあくまで目安です。
特に解体費用は、木造・鉄骨造・RC造などの構造、前面道路の状況、アスベストの有無、残置物の量などによって大きく変わります。
「実家じまい=100万円以上必要」と最初から決めつけないことが重要です。

家財の片付け・遺品整理費用(10万~100万円)
家財処分は、実家じまいで最初に発生しやすい費用です。
一戸建てで家財が大量に残っている場合、10万円を超えることも珍しくありません。
家財が多い実家では、数十万円から100万円程度になるケースもあります。
ただし、すべてを業者に任せる必要はありません。
写真、通帳、印鑑、権利証・登記識別情報、契約書、貴金属などを家族で確認し、売却可能な家具・家電・骨董品などを整理するだけでも、処分量を減らせます。
建物の解体費用(90万~300万円)
木造住宅の解体では、建物の規模によって90万円~300万円程度になるケースがあります。
ただし、解体は必須ではありません。
建物に利用価値が残っている場合や、買主がリフォームする可能性がある場合は、建物を残して売却できることがあります。

「古いから解体してから売る」という判断を先にせず、
まず不動産会社へ「現状のまま売った場合」と「解体した場合」の両方を査定してもらいましょう。

不動産の売却・賃貸にかかる手数料
売却では、不動産会社へ支払う仲介手数料などが発生します。
なお、2024年7月1日以降、800万円以下の「低廉な空家等」については、一定の条件のもとで仲介手数料の特例が設けられています。
売主・買主のそれぞれから受け取れる仲介手数料の上限は税込33万円です。
ただし、特例は自動的に適用されるものではなく、媒介契約時に報酬額について説明を受け、合意することが重要です。

相続登記・手続きにかかる費用
相続登記では、登録免許税、戸籍謄本などの取得費用、司法書士へ依頼する場合の報酬などが発生します。
相続人が多い、何代も相続登記をしていない、登記名義人の戸籍を大量に集める必要があるといったケースでは、手続きが複雑になります。
「売却すると決めてから相続登記を始める」のではなく、売却を検討した時点で司法書士へ相談するのが安全です。
お金がない人必見!実家じまいの費用を劇的に抑える6つの方法

1. 自治体の補助金・助成金を活用する(解体・空き家対策)
自治体によっては、空き家の解体、除却、改修、耐震化などを対象にした補助制度があります。
ただし、「空き家なら必ず補助金がもらえる」という制度ではありません。
対象となる空き家、所有者、工事内容、施工業者、所得要件、申請時期などが自治体ごとに異なります。
また、補助金は「工事後に申請すればもらえる」とは限りません。交付決定前に工事を始めると対象外になる制度もあるため、解体前に市区町村へ確認してください。
検索するときは、
「○○市 空き家 解体 補助金」
「○○市 空き家 除却 補助制度」
のように自治体名を入れると探しやすくなります。
2. 買取対応の業者を選び、不用品・遺品を売却する
不用品の中には、処分費を払うだけではなく、売却できるものがあります。
貴金属、ブランド品、古いカメラ、趣味用品、家具、家電などは、状態や市場価値によって買取対象になる場合があります。

ただし、「何でも高額買取」と宣伝する業者には注意が必要です。
処分費と買取額を別々に確認し、最終的な支払額を比較してください。
3. 自分でできる範囲の片付けを事前に終わらせる
費用を抑えるなら、最も分かりやすい方法です。
ただし、無理をして大量の家具を自分で運び出す必要はありません。
まず、
- 貴重品
- 書類
- 通帳・印鑑
- 写真
- 貴金属
- 相続関係書類
- 不動産関係書類
を家族で確認します。
その後、売却できるもの、残すもの、処分するものを分類します。
不動産売却では、すべての残置物を処分してからでなければ売れないとは限りません。
4. 複数の専門業者から相見積もりを取る
解体や遺品整理では、1社の見積もりだけで決めないことが重要です。
最低でも2社程度から見積もりを取り、
「何が含まれているか」
「追加費用が発生する条件」
「処分費はいくらか」
を確認します。
特に解体では、見積書の総額だけでなく、残置物処分、養生、重機費用、アスベスト調査などの扱いを確認してください。

リヤマ不動産は、解体業者さんのご紹介は可能です。
5. 「古家付き土地(現状のまま)」で売却する
お金がない人にとって、最も検討したい選択肢の一つです。
建物を解体すると数十万~数百万円の費用が必要になります。
一方、古家付き土地として売却できれば、売主が解体費用を先に負担せずに済む可能性があります。
買主が建物を利用する場合は、解体そのものが不要です。
解体してから売るのではなく、「現状売却」「解体後売却」の価格と費用を比較してから決めることが、お金を残す実家じまいの基本です。

ちなみに、解体後、土地売却代金が入金されてからの支払いは可能です。
※お金がない人でも、この方法なら解体ができます。
6. 税金の優遇制度を活用する(3,000万円特別控除など)
相続した実家を売却する場合、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除」を利用できる可能性があります。
国税庁によると、一定の要件を満たす場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。
「相続した実家なら3,000万円控除が使える」と考えるのではなく、売却前に税務署や税理士へ確認しましょう。

持ち出し費用0円で進める!お金がないときの現実的な進め方ステップ
「持ち出し0円」は、すべての実家で実現できるわけではありません。
しかし、売却前に大きな費用を支払わない方法を検討することは可能です。
ステップ1:親族で方向性を話し合い、費用負担の決定
最初に決めるのは「誰が片付けるか」ではありません。
「この実家を最終的にどうするか」です。
売却するのか、賃貸するのか、誰かが住むのか、解体するのかを親族で話し合います。
相続人が複数いる場合は、費用負担も明確にしておきます。

複数相続人がいると、費用負担でよく揉めます。
ご用命があれば、当社も間に入って、客観的にアドバイスは可能です。
ステップ2:現地確認と自分でできる片付け・貴重品の捜索
不動産会社に相談する前に、家の中を確認します。
権利証・登記識別情報、固定資産税納税通知書、測量図、建築確認関係書類、契約書、通帳、印鑑などを探します。
家財を処分する前に、不動産や相続に関係する書類を確認してください。

ステップ3:自治体の補助金枠・受付期間の確認
解体や改修を考えているなら、市区町村へ確認します。
補助制度には予算上限や受付期間があるため、「売却が決まってから調べる」のでは遅い場合があります。
ステップ4:買取業者・不動産会社への相談と査定
ここで重要なのが、「売却価格」だけを聞かないことです。
次の4パターンを比較してもらいましょう。
| 売却方法 | 売主の先行負担 | 特徴 |
|---|---|---|
| ①古家付き土地 | 少ない可能性 | 解体費を抑えやすい |
| ②解体して土地売却 | 大きくなりやすい | 土地として売りやすくなる場合がある |
| ③不動産買取 | 少ない可能性 | 早期売却を目指しやすい |
| ④仲介による売却 | 少ない可能性 | 市場価格に近い売却を目指せる |

「売却価格300万円」と「解体費200万円」を別々に考えるのではなく、最終的に手元にいくら残るかで比較してください。
ステップ5:売却代金から解体・片付け費用を精算
売買契約の内容や決済スケジュールによっては、売却代金を受け取る決済と必要な支払いを調整できるケースがあります。
ただし、解体業者への支払いを「売却代金が入るまで待ってもらえる」とは限りません。
したがって、
不動産会社 → 解体業者 → 司法書士 → 金融機関
など、関係者の支払日を早い段階で調整することが重要です。
売却前に自己資金が必要になるケースもあるため、「必ず持ち出し0円」とは考えないでください。

当社が紹介可能な、解体業者は持ち出し0円になるように調整可能です。
どうしても売れない・引き取り手がない場合の最終手段
相続土地国庫帰属制度(いらない土地を国に引き取ってもらう)
相続した土地を利用する予定がなく、管理も難しい場合には、相続土地国庫帰属制度を検討できます。
この制度は、相続または遺贈によって取得した土地について、一定の要件を満たした場合に土地を国庫へ帰属させる制度です。2023年4月27日から開始されています。
ただし、「不要な土地なら何でも国が無料で引き取る制度」ではありません。
申請できる土地には要件があり、審査手数料や承認後の負担金も必要です。
建物がある土地など、制度上の要件に該当しない場合もあります。
「売れないから国に渡せばいい」と簡単に考えず、法務局で対象になるか確認してください。
相続放棄の検討
まだ相続を承認していない段階なら、相続放棄という選択肢があります。
ただし、相続放棄は「実家だけを放棄する制度」ではありません。
原則として、被相続人の財産について相続する権利を放棄する手続きです。
相続放棄には期間などのルールがあるため、「実家はいらないから後で相続放棄すればいい」と考えるのは危険です。

相続が発生した直後であれば、家庭裁判所や弁護士・司法書士などへ早めに相談してください。
親族トラブル・悪徳業者を避けるための注意点
親族間での話し合い不足によるトラブル回避
実家じまいでは、費用よりも親族間の認識の違いが問題になることがあります。
「長男が処分すると思っていた」
「思い出の家具まで勝手に捨てられた」
「売却価格を知らされていない」
といったトラブルです。
特に相続人が複数いる場合は、売却前に、
- 売却するか
- いくらを目標にするか
- 家財をどうするか
- 解体するか
- 費用を誰が負担するか
- 売却代金をどう分けるか
を話し合っておきましょう。

筆者の経験上、揉めることが多いため、早めの相談をおすすめします。
高額請求を行う悪徳業者を見分けるポイント
実家じまいでは、家財処分、解体、買取など複数の業者が関わります。
「今契約すれば半額」
「今日中に片付けないと危険」
「追加料金は一切ありません」と言われたのに、後から高額請求された。
このようなトラブルを避けるには、契約前に見積書の内容を確認することが重要です。
特に、
「総額はいくらなのか」
「追加料金が発生する条件は何か」
「キャンセル料はいくらか」
を確認してください。
解体業者や不用品処分業者については、自治体の許可・登録制度なども確認しましょう。
【Q&A】実家じまいでお金がない場合によくある質問

- Q実家じまいの費用は誰が払うのが一般的ですか?
- A
相続後の実家であれば、原則として所有者・相続人が負担する費用が多くなります。
ただし、相続人が複数いる場合、誰がどの費用を負担するかは法律だけで一律に決まるわけではありません。
相続人間で話し合い、売却代金から精算する方法なども含めて事前に決めておくとトラブルを防ぎやすくなります。
- Q親が反対している・存命中の場合はどうすればいいですか?
- A
親が所有者で存命の場合、子どもが勝手に売却することはできません。
まずは親本人の意思を確認してください。
「売る・売らない」だけではなく、
「今後誰が管理するのか」「固定資産税を誰が払うのか」
「介護施設へ入った後に家をどうするのか」
まで話し合うと、実家じまいの方向性を決めやすくなります。
- Q遠方に住んでいて片付けに行けない場合は?
- A
不動産会社、遺品整理業者、空き家管理業者などに相談できます。
遠方の場合は、現地確認、家財整理、売却査定、解体見積もりなどをまとめて進められる業者を探すと効率的です。
ただし、鍵を預ける場合は、作業範囲、写真報告、貴重品の取り扱い、追加費用を契約書で確認してください。
- Q仏壇や神棚の処分はどうすればいいですか?
- A
仏壇や神棚は、自治体の粗大ごみとして扱える場合と、専門業者への依頼が必要な場合があります。
宗教上の扱いについて気になる場合は、菩提寺や神社などに確認してください。
仏壇については「閉眼供養」「魂抜き」などの考え方がありますが、宗派や寺院によって対応が異なります。
処分費だけでなく、供養の有無や搬出費用まで含めて確認しましょう。
まとめ

実家じまいでお金がない場合、最も避けたいのは、「お金がないから何もしない」という状態を長期間続けることです。
空き家を放置すると、建物の劣化、近隣トラブル、管理費用の増加、売却条件の悪化などにつながる可能性があります。
お金がない場合は、次の順番で進めると無駄な支出を抑えやすくなります。
①親族で実家の方向性を決める
②貴重品・重要書類を確認する
③自治体の補助制度を確認する
④家財を整理する
⑤不動産会社に現状のまま査定してもらう
⑥「古家付き土地」「解体後」「買取」などを比較する
⑦売却に必要な相続登記や税務手続きを進める
特に重要なのは、「解体してから売る」と決めつけないことです。
実家によっては、建物を残したまま売却したほうが、先行する解体費用を抑えられる場合があります。

「実家を売りたいけれど、片付け費用も解体費用もない」
という場合は、まず現状のまま売却できる可能性があるか、
リヤマ不動産へご相談ください。
参考にした公的資料
- 国土交通省「空き家対策 特設サイト」
空き家対策 特設サイト(国土交通省) - 国土交通省「空き家等にかかる仲介手数料の特例」
不動産取引に関するお知らせ(国土交通省) - 法務省「相続登記の申請義務化」
相続登記の義務化(法務省) - 法務省「相続土地国庫帰属制度」
相続土地国庫帰属制度(法務省) - 国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
空き家の3,000万円特別控除(国税庁)



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