【結論】公簿売買・実測精算・確定測量は何が違う?
土地売買では、「公簿売買」「実測精算」「確定測量」を同じ種類の選択肢として考えないことが重要です。
公簿売買・実測精算・実測売買は、主に土地の面積と売買代金をどのように決めるかという「契約方法」の違いです。
一方、確定測量は、隣地や道路などとの境界を確認し、土地の境界・面積を明確にするための「測量」です。
①公簿売買
登記簿上の地積を基準に売買するため、測量費用や時間を抑えやすい反面、実際の面積との差があっても、契約内容によっては売買代金を精算しない場合があります。
②実測精算
契約時に基準となる面積・単価を定め、後から実測した面積との差に応じて売買代金を精算します。
③確定測量
境界を明確にしたうえで売買したい場合、分筆・地積更正が必要な場合、境界トラブルを避けたい場合などに有効です。
どの方法が最適かは、土地の面積・価格・境界の状況・既存測量図の有無・売主と買主の合意・建築や分筆の予定などによって変わります。

うーん、難しいな~
公簿売買、実測売買
確定測量・・・
何が何だかわからない!

承知致しました。
完結に、また、どのケースが多いケースなのか?
メリット・デメリットも含め、解説します。
この記事は、「不動産事業者のための国際対応マニュアル(国土交通省)」
の一部を参照して作成しました。
公簿売買とは?

公簿売買とは、登記簿に記載された土地の面積(地積)を基準として売買代金を決定し、原則として実測面積との差額を精算しない契約方法です。
※公簿売買について
つまり、売買契約書にそのままの㎡数を記入し、取引をします。

え?法務局って
法務省の地方支分部局でしょ?
そこに登記してあるデータなら、
問題ないでしょ?

40年以上前など古い時代に作成された測量図や地図は、現在の現地状況と一致しない場合があり、「実測と異なる」ケースが多いです
公簿(こうぼ)とは、
官公署が法令に基づいて作成し、備えておく帳簿や、法令などに基づいて登記されている情報のこと
と聞くと
「国が管理しているのだから問題ない」
と思われがち。
しかし、昭和の時代の測量図は精度がイマイチで実際の土地の面積を異なるケースが多々あります。

例えば150㎡で公簿売買して、
実際に測量したら145㎡
つまりマイナス5㎡だとしても
買主減額は安くして!
と減額請求ができません。
※逆のケースもあり
<豆知識>
〇縄伸び:
登記簿面積(100㎡) < 実際の面積(108㎡)
〇縄縮み:
登記簿面積(108㎡) > 実際の面積(100㎡)
公簿売買と実測売買の確認ポイントを挙げ、トラブル防止のアドバイスを提供。
国民生活センター公式サイトより引用
公簿売買でよくあるケースは?
①広大な山林
広大すぎて、現実的に測量不可能な「山林」や
敷地面積が広すぎる案件は、公簿売買がほとんどです。
②相続による案件
例えば、東京で家を購入した息子が、
群馬県の田舎の実家を相続した・・・
など、公簿売買が多いです。

実家に年1回しか戻らず、
近所や、境界ブロックの所有など
よくわからない・・・
面倒くさい・・・
といった相続物件は
公簿売買が多いです。
③田舎の土地売買
例:
Aは東京の成城:坪300万円
Bは群馬県:坪10万円
例えば150㎡で公簿売買して、
実際に測量したら145㎡
つまりマイナス5㎡(1.5坪)と仮定します。
A:成城は1.5坪(450万円の損失)
B:群馬は1.5坪(15万円の損失)

なるほど!
地方の土地は安いから、
公簿で大きなトラブルになりにくいのね。

東京など都心が坪単価が高額なため、公簿売買をすると
「トラブルに」なりやすいです。
都心は確定測量をするケースが多いです。
※確定測量をしないと売却と担当しない会社も多いです。
当社が群馬県の土地売買を扱う中では、公簿売買を選択するケースが多いです。
都市部では土地価格が高いケースが多いため、面積のわずかな差でも売買価格への影響が大きくなることがあります。
そのため、高額な土地や境界が不明確な土地では、売買前に確定測量を行うメリットが大きくなります。
ただし、「東京だから必ず確定測量が必要」という意味ではありません。
確定測量が必要かどうかは、土地の価格だけでなく、境界の状態、既存測量図の精度、分筆の予定、建築計画、売買契約の内容などを総合的に判断する必要があります。

本来は、確定測量がベストですが、
地方の場合は、ケースバイケース。
実際問題、教科書通りにはいかないケースが多いようですね。
公簿売買のメリット&デメリット

| メリット | デメリット |
| ・費用がかからない ・契約内容が単純 ・契約から引き渡しまでの時間が早い | ・実際の面積に誤差あり ・損をした気持ちになる ・小さい面積だと、予定建物が建てられないケースも ・境界は未確定でトラブルも |
公簿売買と実測売買では、
公簿売買の方がトラブルに発展しやすいです。


とはいえ、登記済みの測量図
が、比較的新しめ(90年代~)の場合、著しく面積の差がでるケースが少ないです。
※昭和の古い測量図は
信ぴょう性が低く注意!
どうしても心配な場合は、
次の実測売買がおすすめです。
実測売買とは?
実測売買とは、土地の売買で、
実際に測量して得られた面積(実測面積)に基づき売買代金を決定する売買方法です。
→売買対象面積の契約条項を詳しく見る
※大手不動産屋のFRK契約書では「実測・清算型」とも呼びます。
<実測売買の基本>
①登記簿上の地積を基準に、売買金額を記入
②売買契約から決済前までに、実測し、差額を清算する
例えば150㎡で公簿売買して、
実際に測量したら145㎡
つまりマイナス5㎡(1.5坪)と仮定します。
㎡が単価1万円の場合、
5万円を売主→買主に清算します。

1㎡未満の誤差のケースでは特約をつけます。
「売主、買主は清算基準面積と
測量で得られた清算対象土地面積
との差異が1㎡未満の時は、
◎×条の売買代金の清算を行いません」
実測売買のメリット・デメリットは?
| メリット | デメリット |
| ・土地面積の誤差を 清算できる点 | ・時間がかかる ・実測の費用がかかる ・境界未確定 |
土地の広さ、地域、測定業者にもよりますが、
約10万円~20万円ほど
現況測量費用が発生します。
→不動産売却全体でかかる費用を詳しく確認する
測量は1日で完了し、図面化は5日ほどかかります。

売主・買主どっちが
費用負担するの?

売主が一般的ですが、
双方納得すれば、どちらでも可能です。
ちなみに、不動産取引の慣例では「売主様が負担する」ケースが多いです。
※ケースによる
実測売買と「現況測量・確定測量」は別の話
ここは混同しやすいポイントです。
実測売買・実測精算は「売買代金を面積に応じてどう決めるか」という契約上の仕組みであり、現況測量・確定測量は「土地をどのように測るか」という測量上の違いです。
例えば、売買契約後に現況測量を行って面積を確認し、その面積を基準に売買代金を精算するケースがあります。
一方、隣地所有者や道路管理者等との境界確認まで行い、境界を明確にしたうえで実測精算するケースもあります。
したがって、
「実測売買=現況測量」ではなく、「実測売買・実測精算のために、現況測量または確定測量を行うことがある」
と理解するのが正確です。
確定測量とは?
一言でいうと
「この土地の境界線はここですよ」と、隣の人や役所と正式に確認して、はっきりさせる測量のことです。
なぜ必要なの?
土地を売ったり、分けたり、登記を直したりするときに、「境界がどこかあやふや」だとトラブルになります。 だから、あいまいなままにせず、関係者とちゃんと合意をとって「ここが境界!」と確定させるのが確定測量です。
何をするの?
- 資料を調べる 昔の図面や登記簿などを土地家屋調査士が調べます。
- 現地で測る 実際に土地に行って、機械で正確に測ります。
- 関係者と立ち会う 隣の土地の所有者や、道路・水路を管理している役所の人と一緒に現場を見て、「ここが境界でいいですね」と確認します。
- 結果をまとめる 位置・形・面積をはっきりさせた図面を作ります。
注意点(少し大事)
- 「筆界」(登記上の正式な境界)と「所有権界」(実際に「ここは自分の土地」と思っている境界)は、必ずしも同じではありません。 争いがある場合は、普通の測量だけでは解決できないことがあります。
- 土地を分ける登記(分筆)や、面積を直す登記(地積更正)をするときには、この確定測量がほぼ必須になります。法務局もそれを求めています。
要するに、「隣の人や役所と一緒に『ここが境界』と公式に決めるための測量」だと思ってください。

①民民確定:「当該地とAなど」民間人同士の境界確定
②官民確定:「当該地と道路(公道)」官と民の境界確定
→官民境界確認に必要な諸手続について
上記2つを確定させることで「境界確定」が成立します。

へ~
それなら最初から
境界確定させれば?

おっしゃるとおりです。
ですが、境界確定は
大きなデメリットがあります。

境界確定のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
| ・境界トラブルが激減 ・土地を分筆&合筆できる ・売りやすい | ・費用が30万円~50万円かかる ・2か月~6か月と時間がかかる ・隣人にトラブルを自ら起こしに行くと、トラブルが大きくなるリスクがある |
境界確定をすることで、隣地とのトラブルが減り、買主さんへのアピールポイントになります。
また、不動産屋さんが、ハウスメーカーなど業者へ大き目の土地を紹介するときは分筆が必須となり、確定測量が必要です。

100坪を超える土地では、個人住宅用としては広すぎるケースもあり、分譲業者・ハウスメーカーなど事業者が購入して分筆するケースがあります。
分筆するには、土地家屋調査士による測量・境界確認が必要です。

デメリットは費用がかかる、時間がかかる点です。
・赤道や青道は確定はやや高額
・公園や国道があると4か月~6か月
・隣地の所有者が行方不明
・近所にトラブルメーカーがいる
隣地との立ち合いで、境界はこっちだ!ともめると、筆界特定制度の利用をします。
※前橋地方法務局 – 筆界特定制度について

法務局の登記官が筆界案を示し
「ここが境界位置と思われます」
と提案するだけです。
登記官に境界を決定する強制力はありません。
最終的には境界確定訴訟にて境界が確定します。
※裁判費用と1年以上歳月を必要とします。

なんか面倒くさそうね・・・

確かにそうですね。
今まで良好な関係だったのに、
「確定させたいので立ち会ってほしい」
とトラブルになったら、隣人と険悪になります。
筆者の自宅は換地(区画整理地)で、
ある程度確定部分がありますが、
一部、ブロックが越境されています。
ちなみに、筆者の自宅建築の際、
土地家屋士さんに越境を指摘されましたが、
「数センチの越境なんて別に気にしません」と回答しました。

どうして?

何十年と良好な関係を気付いていたのに、
数センチの越境を指摘して
住みづらくなったら・・・
文句を言う必要ないかと思います。
家に住む目的は
「快適な生活」を楽しむためですから。
※土地を複数に分ける【分筆】の登記や、土地の面積を明らかにしてそれを登記する【地積更正】の登記をするときは、自分の所有する土地と隣の土地との間の公の境界(筆界、不動産登記法第123条)を明らかにする必要があります。
法務局:隣の土地の所有者が分からなくてお困りの方へ(分筆や地積更正の登記のとき)より引用
個人で境界確定が必要なケースはない?
不動産業者がパワービルダーに土地を卸す以外に、緊急で境界確定させる必要はない、と思います。
※境界確定しないと家が建たない場合は例外
ですが、東京の高坪単価(300万円など)の土地の場合、確定測量は必須といえます。

トラブルになったら?

どんなトラブルでしょうか。
トラブルになるケースは、
隣地とのブロック(※)は誰のもの?※解体でもめる
境界立ち合いで「意見の相違」で隣人ともめるなど・・・
です。
もちろん、できるなら確定測量が良いですが、
群馬など地方はは公簿売買が多いです。
現況測量で自宅を建築できるなら、それでよいですし、確定測量をしたくなったら、
土地の引き渡しを受けてから、測量する方法もあります。
【比較表】公簿売買vs実測精算vs確定測量
| 項目 | 公簿売買 | 実測精算 | 確定測量 |
|---|---|---|---|
| 基準 | 登記簿面積 | 実測面積との差を精算 | 境界確認後の実測 |
| 境界確定 | 必須ではない | 契約内容による | 原則として境界確認を重視 |
| 費用 | 抑えやすい | 測量費が発生 | 高くなりやすい |
| 時間 | 短い | 中程度 | 長くなりやすい |
| 面積差の精算 | 原則なし※契約次第 | あり | 契約内容による |
| 分筆 | 別途対応 | 別途対応 | 分筆に適した資料を整えやすい |
| 向いているケース | 境界・面積に大きな懸念がない | 面積差を公平に精算したい | 境界を明確にして売買したい |
よくある質問Q&A

公簿売買、実測売買、確定測量について、
よくある疑問をQ&A形式で解説します。
Q:公簿売買だと境界の明示が不要?
公簿売買、確定測量問わず、境界の明示は必要です。

「公簿=そのまま固定」
というイメージから、
境界の明示が不要と勘違いする
営業マンが一部いるようです。
公簿売買では登記簿上の面積を基準に売買するため、実測面積との差額を精算しない契約にすることがあります。
しかし、土地の境界や越境物、塀の所有関係などは別途確認が必要です。
特に、
- 境界標が見当たらない
- 古い測量図しかない
- 隣地との塀の所有者が不明
- 道路境界が不明
- 越境物がある
- 建築・分筆を予定している
といった土地では、公簿売買だから大丈夫と考えず、事前に専門家へ確認することをおすすめします。
Q:契約前に現況測量はできない?
売主様が了承すれば、契約前でも現況測量は可能です。
しかし、その場合は、
買主様負担となるかもしれません。

売主負担で現況測量した結果
買主が「やっぱり買いません」
となれば、売主様はあまりいい気がしないからです。
Q:公簿売買、実測売買、確定測量どれがいい?
教科書通りなら、確定測量がおすすめです。
しかし、現実的には公簿売買が多く、
昭和の測量図で不安なら、清算金が発生する
実測売買が公平でおすすめといえます。

Q:確定測量をしてから売却した方が高くなる?
必ず高くなるわけではありません。
しかし、購入者側からすると、安心材料となるため、売れやすくなるとも言えます。
まとめ|公簿・実測精算・確定測量は土地ごとに判断

土地売買では、「確定測量が一番いい」と単純に決めるのではなく、土地の状況と売買条件を確認して選択することが重要です。
- 公簿売買:登記簿面積を基準に売買するため、費用・時間を抑えやすい
- 実測精算:実測面積との差を売買代金に反映できる
- 確定測量:隣地や道路との境界を確認し、境界・面積を明確にしやすい
特に注意したいのは、「実測精算」と「確定測量」は同じ意味ではないという点です。
実測精算は売買代金の決め方、確定測量は土地の境界・面積を確認するための測量方法です。
そのため、土地を売却するときは、
「公簿で売るのか」
「実測して精算するのか」
「確定測量まで行う必要があるのか」
を分けて考えると判断しやすくなります。
境界が不明確、古い測量図しかない、分筆を予定している、建築計画がある、高額な土地を売買する、といった場合は、契約前に土地家屋調査士や不動産会社へ相談することをおすすめします。

確かに、理想ばかりじゃ
生きていけないわよね・・・

土地の取引は人間同士ですから。
絵空事よりも、リアルな売買交渉が必要と言えます。
リヤマ不動産は不動産の売却相談も承ります。
もちろん、何度もいいますが、確定測量ができるなら、おすすめです。
今回の記事があなたのお役になれば幸いです。





コメント