不動産売買契約書とは、不動産(土地・建物など)を売買する際に、
売主と買主が締結する契約書です。

不動産売買契約には
「24の不動産売買契約条項」があり、
今回は第7条「引渡し」
について解説します。
「引渡し」について解説
第7条「引渡し」
売主は、買主に本物件を標記の期日(C)までに売買代金全額の受領と同時に引渡す。
<やさしく翻訳>
売主は買主に期日までに売却金額を全額受け取り、
物件を買主に引き渡す
<同時履行>
買主→売主へ全額支払い
売主→買主へ物件を引き渡す
売買決済日&引き渡し日を同日に設定し、
支払いと引き渡しを同時履行させます。
引き渡さない、支払わない場合は?
買主→売主へ支払わない
売主→買主へ物件を引き渡さない

債務不履行になり、最悪違約解除になります。
例えば、決済日の1週間前に「支払いが難しい」と連絡があったり、
逆に売主が「借金だらけで、抵当権が外れない」
などで決済&引き渡し当日を迎えたら、債務不履行になります。
指定銀行で当日待機していたのに、支払わない、
引き渡さない場合は、相手に催促し、
それでもダメなら、売買契約を解除し、違約金を請求しましょう。

違約解除は滅多にありませんが、
その場合、不動産屋さんに弁護士さんを紹介してもらいましょう。
引渡し猶予の特約
例えば、
①決済日5月31日②引渡日6月10日の場合です。

どうして日付が別なの?

売主が住み替えで、
例えば新築マンションに引っ越すとします。
新築マンションに引っ越できる日が、
6月10日なら、約10日空白ができます。

なるほど!
10日間、家なき子に
なるかもしれないわね・・
その間、住まわせてってこと?

そうです。
もちろん、買主側が拒否すれば
住めませんが・・・
以下、引き渡し猶予特約の文面です。
「買主は、原契約第〇条(所有権の移転の時期)および原契約第〇条(引渡し)の定めにかかわらず、売主に対して本物件の引渡しを令和●年●月●日まで猶予するものとします」
「売主は、前条の引渡しまで本物件の管理責任を負うものとします」

ちなみに、
賃料って1日いくらなの?

使用貸借なので、無料です。
「え?賃料取らないの?」
と疑問に思うかもしれません。
しかし、使用料を支払うと借地借家法が適用となります。
「私は賃借人だから引き渡さない!」
と言って売主が籠城する・・・
わけありませんが、
最悪を想定し、賃料は取らないようにしましょう。

ちなみに、賃貸借契約での
建物明け渡し裁判で6か月~1年かかります。
【売買契約(売主・一般消費者用)の24つの条項】
以下、お好きな条項をお選びください
第1条売買の目的物及び売買代金
第2条売買対象面積
第3条「手付金」の条項
第4条境界の明示
第5条売買代金の支払時期及びその方法
第6条所有権移転の時期
第7条「引渡し」
第8条所有権移転登記の申請
第9条物件状況の告知
第10条付帯設備の引渡し
第11条負担の消除
第12条印紙代の負担
第13条「公租・公課の負担」固定資産税等
第14条「収益の帰属・負担金の分担」
第15条「手付解除」
第16条引渡し前の滅失・毀損
第17条契約違反による解除
第18条反社会的勢力の排除
第19条融資利用の特約ついて
第20条契約不適合責任
第21条諸規約の継承
第22条協議事項
第23条「管轄の合意」管轄裁判所
第24条特約条項
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